プラントベースミート「Impossible Foods」、CNラベルを取得 学校給食で提供可能に

Impossible Foodsの商品を食べる女の子

プラントベースミートを製造するアメリカのフードテック企業「Impossible Foods」が、アメリカ合衆国農務省が認可する「Child Nutrition(CN)ラベル」を取得した。同社からは、USDAの基準を満たすタンパク質の代替商品として3種類の商品が認可された。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.05.21

タンパク質の代替品として認可 アメリカの一部学校給食での提供が可能に

Impossible Foodsの商品パッケージ

プラントベースミートを製造するアメリカのフードテック企業「Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)」が、アメリカ合衆国農務省(USDA)が認可する「Child Nutrition(CN)ラベル」を取得した。

「CNラベル」とは食事の栄養素が基準値を満たしているか、Child Nutritionプログラムに参加する学校をガイドするための認証だ。

同社からは、USDAの基準を満たすタンパク質の代替商品として「Impossible Foods Tacos」「Impossible Frito Pie」「Spaghetti with Impossible Meat Sauce」の3種類が認められた。今月からアメリカ国内の学校数カ所にて提供を開始する。

Impossible Foodsの「Impossible Foods Tacos」

Impossible Foods Tacos

Impossible Foodsで販売している「Impossible Frito Pie」

Impossible Frito Pie

Impossible Foodsで販売している「Spaghetti with Impossible Meat Sauc」

Spaghetti with Impossible Meat Sauce

同社はサステナブルでない畜産業の問題を解決するために、給食業界への参入を兼ねてから望んでいた。

またアメリカ政府の料理提供実装を運営する企業「Sodexo」にとっても、2025年までに34%二酸化炭素排出量を削減する目標達成のためにプラントベースメニューを増やすことは重要である。

「Impossible Burger」は、動物性の肉に比べて水の使用を75%、土地の使用を95%、温室効果ガスの発生を87%も削減することができる。

8割の子どもが「牛肉の摂取を減らしたい」 プラントベースが日常となる未来に向けて

「Impossible Foods」を囲む数々の調味料たち

今回のローンチ前に同社が1,200人の子どもたちを対象に行った調査によると、80%以上が気候変動について認識していると回答。肉と気候変動の関係性を知らされた子どもたちは、約10人中8人は牛肉の摂取を減らすと回答し、肉全般の摂取を削減すると回答したこどもは3分の1に及んだ。

通信部副部長のJessica Appelgrenさんは、今回の取り組みについてこうコメントする。「子どもたちは気候変動に興味関心があり、アクションを起こしたいと思っています。またデータによると、彼らは家庭内での食事選択に大きな影響力を持っていることが証明されています。つまりCNラベルを取得することは、未来に重要な世代を巻き込む第一歩に過ぎません」

これまでもプラントベースの商品が認可されてきた事例はあるが、ハンバーガーからパスタソースまでカバーする「Impossible Foods」のように、本当の意味での動物肉代替としてははじめてのことである。その特徴を活かして、より環境にやさしい豊富なラインアップ構築が期待されているという。

いまは小さな一歩かもしれない。しかし、将来振り返ったときには地球の運命を変える歴史的な一歩になっているかもしれない。

参照リンク/Impossible Foods
https://impossiblefoods.com/media/images

※掲載している情報は、2021年5月21日時点のものです。

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