Photo by 二色のsoneet155を手に持つ女性
ベルリンでデザインを学ぶ二人の学生が開発したバッグ「Sonnet155」は、まるでハイブランドのようなデザインだ。しかし、その寿命は使い捨ての紙袋ほどを想定しているという。わざわざデザインにこだわったのには、製作者のある思いがあった。人間の心理を突いたその合理的な理由とは?
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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ベルリンでデザインを学ぶLobke BeckfeldさんとJohanna Hehemeyer-Cürtenさんという二人の学生が、果物の皮とセルロースを原料とする生分解可能なバッグ「Sonnet155」を制作した。
ジュース工場で廃棄された果物の皮、繊維工場で取り除かれてしまう5mm以下のセルロースを利用し、100%廃棄物を再利用してつくられている。
ハイブランドのバックを思わせるデザイン性だが、その寿命はあくまでも使い捨ての紙袋ほどを想定しているという。わざわざデザインにこだわった理由には、製作者のある思いがあった。
「私たちはこのバッグをあくまで紙袋のアップグレードとして制作しました。もちろん多くの人に強い印象を与えたいと思ったし、分解されるまで愛着を持って使い倒してほしいと思っています。そこで、あえてデザインをよりよくすることで、消費者が好んでこのカバンを使うようになり、サステナブルであることは負担ではなくなると考えたのです」
「Sonnet155」を使い古したあとは、温水でカバンを溶かせば同じカバンをつくるのに再利用することが可能だ。もしくはセルロースのみを取り除いて植物にあげれば、果物の皮に含まれるペクチンという成分が肥料になる。
消費者側はただ気に入ったものを買っただけなのに、蓋を開けてみればサステナブルな商品。これは、これからの社会で必要なものづくりの考え方ではないだろうか。
サステナブルであることを購買時の絶対条件として持っている人は、ごく一部の人に限られいるのが現実だ。株式会社FUMIKODAが実施したアンケートによると、「エシカルであれば、そうでないものより多少高くても購入しますか?」という質問に対し、「2倍の価格でも購入する」と回答したのはわずか4.8%だった。(※)
つまり、サステナブルな商品を買ってもらうためには、「環境にやさしいこと」以外に消費者にほしいと思わせる要因が必要になると考えられる。
その点で「Sonnet155」は、従来の紙袋より優れたデザイン性が顧客に選ばれる理由となる。ものが溢れる時代でサステナブルな商品をあえて買ってもらうためには、こういった工夫も不可欠になってくるだろう。
※ エシカルファッションとSDGsに関するの意識調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000022408.html
参照サイト/Sonnet1155
http://johanna-hehemeyer.com/sonnet155/
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