世界の経営者の63%が回答「気候変動はいますぐアクション起こせば、よりよい未来へ進む」

青空と雲

コンサルティンググループ「デロイト トーマツ グループ」が、世界の経営者を対象に実施した「気候変動に関する企業経営者の意識調査2021」の和訳版を発表した。世界13カ国の経営者の80%以上が気候変動を懸念していることが示された。

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2021.04.13

気候変動で世界は転換期にある――経営者の意識調査で見えた企業のサステナビリティへの意識

青空と緑の地平線

Photo by Rodion Kutsaev on Unsplash

日本国内で最大級のコンサルティンググループ「デロイト トーマツ グループ」は、2021年1月〜2月に13カ国750名のビジネスリーダーを対象に行った「気候変動に関する企業経営者の意識調査2021」の和訳版を発表した。

この調査は、気候変動に関する企業姿勢や取り組みについて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響や、持続的な未来に向けた展望を明らかにすることを目的としている。

地球環境に関する調査結果(図表1)

調査では、さまざまな分野で影響を及ぼしている気候変動について、世界の経営者の80%以上が懸念を示していることがわかった。その一方で、59%が気候変動に関して世界は転換期にあると考えており、63%が「すぐにアクションを起こせば、気候変動の最悪の影響を抑え込み、より良い未来に向けて進むことができる」という見解に同意している。

これは、手遅れになる前に行動を起こすことで最悪の状況を抑え込むことができるという期待の広がりを表している。

経営層から従業員、社外取引先へと行動変化を求める企業たち

気候変動への取り組み(図表2)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やそれに伴う景気低迷により、各企業のサステナビリティに対する取り組みにおいても一時的な停滞が見られたものも多かった一方で、「取り組みを完全にやめる」と回答した企業は1社もなかった。経営者にとって気候変動への対応が重要課題であることが明確になったのだ。

現在、企業が注力しているアクションの上位3つは「公益の観点での取り組み(49%)」「サステナビリティ基準の順守に対するサプライヤーへの働きかけ(48%)」「よりサステナブルな原材料の利用(46%)」だった。

昨年の調査から顕著に増加した取り組みとしては「従業員のアクティビズムのサポート」「経営幹部を教育する」「再生可能エネルギーを購入する」が挙げられ、経営層から従業員まで幅広く全社的に活動しながら、自社を超えた取引先等にも行動変化を働きかけるような動きが見られた。

個人のアクションの枠を超えた連携が必須

サステナビリティに対する動機(図表3)

経営者がこうした取り組みを加速させる動機として多かった回答は「投資家や株主からの要求」と「従業員や社外活動家からの要求」。ステークホルダーからの圧力に加え、アクティビズムの役割も存在感を増している。

さらに「業務や財務への直接的なマイナスの影響」も主要な動機の一つとして挙げられ、気候変動が自社に与える影響について企業の認識が深まっていると言える。

経営者たちは、気候変動への対応が企業を含む社会全般が連携して行うことの重要性も示している。もっとも地球環境のサステナビリティを前進させるアクションについての問いかけに対し、最多回答は「より良い他者教育、気候変動に関する研究の強化(35%)」であり、次に多いのが「アドボカシーや公益に関する取り組みへの関与(24%)」だった。

「関連組織やプログラムへの金銭的支援(16%)」や「個人の行動変容の症例と優先付け(3%)」を大きく上回った結果となっている。

2021年11月には、「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)」が開催予定で、過半数を超える企業が参加を計画している。各企業の個別のアクションという枠を超え、公益に資する協働アクションとして社会変革を起こしていく重要性を、世界中の経営者が感じている。

お問い合わせ先/デロイト トーマツ グループ
https://www2.deloitte.com/jp/ja.html

※掲載している情報は、2021年4月13日時点のものです。

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