ゼロウェイストなアパレルブランド「For Days」は、商品購入画面に返品した時に払われる金額「swap credit」を記載し、製品のリサイクルを促す。その他にも、「clean out crap」をつかって工場と連携し使用感のある服でもリサイクルを可能にする。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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シェアリングエコノミーの台頭により、多少の着用感である服であれば簡単に売買が可能になった今日。しかし、たくさん着古したものや汚れが付着して売り物にならない場合は、仕方なく捨てている人がほとんどではないだろうか。
そんな問題を解決するのが、ゼロウェイストなファッションブランド「FOR DAYS」だ。
以前から同社は、責任を持って洋服を楽しむ消費者にインセンティブをあげるべきだという考えのもと、独自のシステムを採用。商品購入画面に、売価のほかに商品を返品したときに払われる金額「Swap credit」も記載されている。そうすることで、着なくなった自社製品の返品を促すのだという。
同社の洋服はすべてリサイクル前提でつくられているため、極力原料を混ぜるのを避け、リサイクルしやすくしている。お金が貯まれば、サイト内の別商品の購入が可能になり、"閉じた経済ループ"を実現している。
その後、CEOであるCaylorさんは「本当にファッション業界に変革をもたらすには、自社製品のみリサイクルしているだけでは不十分」だと感じるようになる。そこで、他社製品の洋服をリサイクルし有効活用する「Clean out crap」のサービスをはじめる。
利用方法はいたって簡単。ネット注文すると空の袋が送られてくる。そのなかに着なくなった服を入れるだけだ。他社製品は原料を混ぜることが多く、自社のリサイクル機械では対処しきれないため、専門のリサイクル業者と提携して対応しているという。「Clean out crap」で洋服を送ったユーザーには、「FOR DAYS」で使える10ドル分のクレジットが支払われる。
たしかに、「FOR DAYS」のようにメーカーに関係なく着なくなった服をリサイクルし、キャッシュバックまでしてくれるブランドは珍しいしありがたい。
しかし、本当の意味でのエシカルな消費というのは、ものを大切にできるだけ長く使い続けることではないだろうか。
リサイクルできるからといって安易に頼るのではなく、インナーやTシャツなどのどうしてもライフスパンが短い消耗品のみ、このようなブランドから買うなどして、賢く消費活動を行いたいものだ。
参照サイト/FOR DAYS
https://fordays.com/how-it-works
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