アニマルウェルフェアの認知度を上げるべく、さまざまなバックストーリーを持つ猫と暮らす人たちにインタビューをすることに。お話を聞いたのは、DEPT Company代表のeriさん。子どもの頃から保護猫と暮らしている彼女はどんな考えを持っているのだろう?
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捨てられてしまった、迷子になってしまった、保健所に持ち込まれてしまった……いま、さまざまな理由で多くの猫が保護されている。そんな状況を知っている人はペットショップではなく保護施設やアニマルシェルターへと足を運び、保護猫を家族として迎え入れている。なんらかの理由でお世話ができなくなった知人から、猫を譲り受けたり引き取ったりする人も多いだろう。
ELEMINISTでは、アニマルウェルフェアの認知度を上げるべく、さまざまなバックストーリーを持つ猫と暮らす人たちにインタビューをすることに。家族として猫を迎え入れるには責任を全うする必要があるが、その先には楽しい生活や明るい未来が待っていることも紹介したい。
今回お話を聞いたのは、DEPT Company代表のeriさん。子どもの頃から保護猫と暮らしている彼女はどんな考えを持っているのだろう?
Photo by eri
──保護猫のお名前は?
ユマとココです。彼らは響きで名前をつけました。
紋太郎に関しては、亡くなってしまったココを“モンちゃん”というあだ名で呼んでいたので、そこからとりました。そして、久太郎も響きで名前を決めました。
眠(ミン)は、兄弟が炭(タン)と燦(サン)なので、同じ語感でつけましたね。
──なぜ保護猫を引き取るという選択をしたのですか?
子どもの頃から保護猫たちと暮らしてきたので、猫と一緒に暮らす際に“ペットショップで買う”ということに対して、そもそも馴染みがありませんでした。
そして、一人暮らしを始めたときに大好きな猫と一緒に暮らしたいと思い、里親募集のウェブサイトをみて、ユマとココに出会ったのです。
──一緒に暮らすなかで工夫していることがあれば教えてください。
彼らも最初の頃は警戒していましたが、一緒に遊ぶようになったり、話しかけてくるようになったり、甘えてくるようになったりと、段階的に人間に慣れていくようでした。
これも、引き取ったばかりの頃は人間と場所にも慣れていないので、適度な距離感を保ったり、大きな音を立てないようにしたり、さまざまな気づかいをしたおかげかもしれません。
Photo by eri
──多くの保護猫と暮らしていくなかで、eriさん自身に変化はありましたか?
ずっと保護猫と暮らしているので当たり前になっている部分もありますが、彼らには個性があり、強い意志がそこには存在します。血統書がついているとか、血筋がはっきりしているとか、そんなものは取るに足りません。
とはいえ、血統などに価値がつけられ、お金というものと引き換えに命がやり取りされ、差別化されていく……。
このような社会は変だなと感じるようになってきました。人間が人間を売り買いすることに憤りを覚えるのと同じだと考えています。
──猫と人間を置き換えてみると、いかにおかしいのかが理解しやすくなりますね。それを踏まえたうえで、猫と暮らしたいと考えている人に知ってほしいことはありますか?
猫を迎え入れたいと考えているのであれば、ペットショップに足を運ぶ前に里親募集のサイトをチェックしてみてください。保護猫と暮らしている人が近くにいるならば、その生活を聞いてみるのもいいかもしれません。
みんな、さまざまな個性を持っていて、その個性が自分の想像を超えてくることばかりですが、それこそが私たちと猫をつないでくれる絆へと変わっていきます。
Photo by eri
eri/DEPT Company代表。1983年NY生まれ東京育ち。1997年『立花ハジメLowPowers』のボーカルとしてアルバムをリリース。2002年より自身のブランドを立ち上げ東京・中目黒に旗艦店を構える。主に古着屋『DEPT』、古着を利用したワンオフブランド『DEPT ONE OF A KIND』の制作、『mother』をはじめとする自社ブランドのデザインを手がけている。会社・店舗運営においてのすべての行動に対し可能な限り地球環境への負担をかけないという理念のもと”DEPT THIRD-HAND PROJECT”をスタート。SNSを中心に様々な取り組みやライフスタイルを発信、提案している。そのほか、NY在住の文筆家・佐久間裕美子氏とPodcast『もしもし世界』をローンチ。環境・政治・ジェンダー・メンタルヘルスなど様々な話題を通して今の地球を見つめる番組を制作している。また中目黒のVEGANカフェ『明天好好』のディレクターも務めるなど活動は多岐にわたる。
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