2月22日は猫の日ということで、アニマルウェルフェアの認知度を上げるべく、さまざまなバックストーリーを持つ猫と暮らす人たちにインタビューをすることに。お話を聞いたのはモデルで女優の松島花さん。Instagramで保護猫の引き取りを呼びかける彼女はどんな暮らしを送っているのだろう?
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捨てられてしまった、迷子になってしまった、保健所に持ち込まれてしまった……いま、さまざまな理由で多くの猫が保護されている。そんな状況を知っている人はペットショップではなく保護施設やアニマルシェルターへと足を運び、保護猫を家族として迎え入れている。なんらかの理由でお世話ができなくなった知人から、猫を譲り受けたり引き取ったりする人も多いだろう。
2月22日は猫の日ということで、アニマルウェルフェアの認知度を上げるべく、さまざまなバックストーリーを持つ猫と暮らす人たちにインタビューをすることに。家族として猫を迎え入れるには責任を全うする必要があるが、その先には楽しい生活や明るい未来が待っていることも紹介したい。
今回お話を聞いたのは、モデルで女優の松島花さん。Instagramで保護猫と保護犬の引き取りを呼びかける彼女は、いったい保護猫とどんな暮らしを送っているのだろう?
──保護猫のお名前は?
いま3匹と一緒に暮らしていて、名前はごろりん、ゴメズ、フェスターです。
ごろりんは、東京都動物愛護センターにいる時から職員のみなさんにごろごろ甘え上手で、保健所の方々が「ごろりん」と呼んでかわいがっていたことから、そのまま名前を譲り受けました。
ゴメズとフェスターの黒猫2匹は、ごろりんと同じようなテンションの名前にしようかと思ったのですが……私が小さい頃から大好きだった映画『アダムス・ファミリー』に出てくる男兄弟から名付けました(笑)。
──どうしてごろりん、ゴメズ、フェスターを家族として迎え入れることにしたのですか?
母が地域猫のお世話やTNRなどのボランティアをやっていたので、小さい頃から殺処分のある現実や保護猫と保護犬の存在を知っていました。だから、動物と暮らす時にペットショップで“猫や犬を買う”という選択肢は私のなかに全くなかったのです。
──生体販売にまつわる問題を知っていた、と。
実家では、私が8歳の頃から母の友人宅で生まれた猫2匹を譲っていただき、一緒に暮らしていました。メスの梅ちゃんが20年も生きてくれて亡くなったあと、喪失感に押しつぶされ、Instagramで保護猫の写真ばかりを見て過ごしていたときに、個人ボランティアさんの投稿に写っていたごろりんに梅ちゃんと重なる面影を感じ、一目惚れしました。
梅ちゃんが亡くなり、寂しさを埋めるためにすぐに引き取ろうと考えていたわけではなかったのですが、いい出会いがあったら、また猫と一緒に暮らしたいなと思ってはいました。
──だから、ごろりんを引き取ることに。
仕事柄、留守にしなくてはいけないこともあるので、1匹ではかわいそうだと思い、2匹を引き取ろうと考えていました。保護主さんに「ごろりんと相性のいい子はいますか?」と聞いたところ、ゴメズとフェスターが仲がいい、と。ゴメズとフェスターは兄弟なので引き離すのはかわいそうだから、思い切って3匹を引き取ることにしました。
──松島さんの家族になってから、ごろりん、ゴメズ、フェスターに変化はありましたか?
とくに、ごろりんは表情がどんどん柔らかくなっていきました。
3匹とも一緒にいる時間を重ねていくと、私自身を心から信頼した表情で甘えてくるので最高にかわいいし、リラックスしてくれているのが寝顔でもわかります。ゴメズとフェスターはなんでも好き嫌いなく食べていましたが、飼い猫らしくなってきたのか、好き嫌いが出てきて贅沢を言うようになりましたが(笑)。
──Instagramで保護猫と保護犬の引き取りを呼びかけるのは、その先に待っている厳しい現実や明るい未来を知っている松島さんならではの取り組みですね。
母の影響で高校生の頃から「殺処分ゼロ」を呼びかけるポスターをスタジオやカフェに貼ってもらう活動をしていたことも関係しています。とはいえ、やはり20年もの時を一緒に過ごした梅ちゃんが亡くなり、寂しさを埋めるように猫や犬の写真ばかりを見ていた日々が大きく影響しています。
そんななかで命の期限が迫っている保護猫と保護犬たちが目にとまるようになったんです。
そして、まだまだこんなに多くの子たちが助けを求めているのだから、目を背けてはいけない、改めて何か自分にできることを始めようと思い、動物愛護のためのアカウント「@hana_matsushima_animal」を立ち上げました。
──行動したからこそわかる達成感や嬉しさについて教えてください。
嬉しいのは、私が投稿した保健所に収容されている命の期限が迫った犬や猫の里親さんがみつかったときです。私のフォロワーの方が行動を起こしてくれたと知ったときも同じような感覚になりますね。
あと、私の行動を知って「自分にできる保護活動をはじめました」とコメントやDMをいただいたときは、このアカウントを始めてよかったなと思います。
──保護猫や保護犬を家族として迎え入れる以外に、個人で保護活動に貢献できることはあるのでしょうか?
保護猫と保護犬を引き取る選択をしてほしいし、周囲でペットショップでの購入を考えている方がいたら、こうした選択肢があることを伝えてほしいです。
ペット禁止のマンションやアレルギーで一緒に暮らせないけど、動物のために何かをしたいと考えている方は、信頼できるボランティアさんを見つけて、その人が必要としているペットフードやペット用品などを寄付することで、保護活動に貢献できます。
また、一時的に保護猫と保護犬を預かるボランティアや子猫の時期にミルクをあげるボランティア、犬の散歩をするボランティアを募集している施設もあります。飛行機をよく利用する方は、保護猫と保護犬の空輸を手助けするバゲージボランティアという方法も。
なによりも簡単にできるのはSNSでの情報拡散です。私は「指一本でできるボランティア」と呼んでいるのですが、新しい飼い主の募集や殺処分の情報を誰かに届けることで命を救える可能性もあるのです。
──なるほど。
多くの方が保護猫や保護犬と聞くと、成猫や老猫、成犬、老犬を思い浮かべるかもしれません。しかし、子猫も子犬もいます。猫の殺処分数で言うと……8割〜9割が子猫です。こうした現状も知ってほしいですね。
保護猫と保護犬には、野良生活が長く過酷な環境で生活していた子や、飼い主が保健所に引き渡したことによる裏切りで寂しさや不安を抱えている子、虐待やネグレクトをされていた子などがいます。もしも彼らを引き取った際には、これから何も不安に思うことはないんだよという気持ちで、心の底から安心できる環境をつくってあげてください。
好きなときにご飯を食べられて、喉が渇いたらお水を飲めて、寝たいときに好きな場所で寝て、甘えたいときに甘えられて、当たり前のことができる毎日をつくる。こうした行動が大切だと思います。
──最後に、保護猫を迎え入れて起きた松島さん自身の変化について教えてください。
変化というより個人で強く考えていることは、もっとも大切なのは愛情と寄り添う気持ち。かわいがればかわいがるほど、かわいくなります。意思疎通もできるようになります。
愛情を注げば、必ず心を開いてくれます。
松島花/1989年、東京都出身。11歳のときにスカウトされ、モデル活動をスタート。数々の女性誌やファッション誌でモデルとして活躍する。大手企業のCMやテレビ、イベントなどにも多数出演。近年は保護犬・保護猫活動にも力を入れ、Instagram松島花アニマル(@hana_matsushima_animal)にて情報を発信中。
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