私たちが暮らす地球環境について定期的に思い起こさせてくれるのが、6月5日の「環境の日」と、6月の「環境月間」だ。環境に配慮することが大切であることはわかっていても、日常の中で意識し続けるのは簡単ではない。環境の日や環境月間が設けられた経緯や、各地の取組を紹介する。
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「環境の日」とは、環境保全についての関心と理解を深め、環境保全に関する活動に対する意欲を高めることが目的で制定された。
1972年にストックホルムで開催された「国連人間環境会議」が6月5日であったため、これを記念して、国連は毎年6月5日を「世界環境デー」と制定した。日本では、同じ6月5日を「環境の日」として定めている。これは環境基本法にもとづいて設定されたものだ。
この日は国や地方公共団体が、環境保全に関わるイベント開催を実施することになっている。その後、1991年から6月の一ヶ月間が「環境月間」となった。6月は全国でさまざまな催事が開催されている。
「環境の日」と「環境月間」を象徴するのが、「#環境の日はグリーン」の合言葉。これは、環境の日にあわせて全国各地のランドマークが緑色にライトアップされることにちなんでいる。環境についてイメージさせる緑色にあちこちがライトアップされ、環境について考えようと呼びかけているイベントだ。
グリーンライトアップされる全国のランドマークには、スカイツリー、レインボーブリッジ、日本武道館、さっぽろテレビ塔、道頓堀グリコサイン、小倉城などがある。
2023年も環境の日は例年通り、6月5日だ。毎年、環境省のホームページで日本全国の都道府県や自治体で開催されるイベント情報が公開される。環境の日&環境月間広報事務局によると、以下のようなイベントが企画されている。
脱炭素に向けて個人で行っている取り組みをテーマにしたダンス「グリーンダンスチャレンジ」を展開。エグスプロージョン・まちゃあきさんが考案したダンスを踊り、「#環境の日はグリーン」のハッシュタグをつけて動画をSNSに投稿するというもの。
そのほか、インターネット配信番組のNewsPicks「New Door」で、サステナブル経営についての議論や「ネイチャーポジティブ」の解説が行われる。
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東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県と横浜市や川崎市などの九都県市が2020年に開催したキャンペーン。省エネ、節電などの地球温暖化対策の取組への重要性を理解して率先して行動を促すための「エコなライフスタイルの実践・行動」キャンペーンを実施した。
具体的な活動内容は、クールビズ・ウォームビズの実施、企業・団体への取組養成、ポスターなどを通じた普及啓発など。
2020年6月1日〜30日までの間、横浜市はTwitterアカウント「横浜環境情報」で地産地消や下水道、生物多様性など環境にまつわるクイズを出題した。
その他にも田植えやたけのこ狩り、プラごみ削減キャンペーンなど、同市が環境月間内に実施した行事は24に及んだ。
福岡市は環境保全へ顕著な貢献があった市内の個人や団体、学校、事業者を環境月間に表彰している。表彰の対象となる分野は次のとおり。
・地球温暖化対策(省エネルギー対策など)
・ごみ減量・リサイクル・自然環境保護(里山保全・植林・博多湾保全など)
・環境美化(地域清掃・花いっぱい運動など)
・環境教育・学習
2020年の大賞を受賞したのは、株式会社JR博多シティ。1日に約15万人が訪れる大型施設として、福岡市のごみ減量とリサイクルに貢献したことが評価された。ごみを19種類に分類し生ごみの100%試料化、再生利用に取り組んだ。
テナントへの指導に対する評価も高い。ただし、2020年はCOVID-19感染拡大防止のため式典は中止。代わりに市政だより、パンフレット、市のホームページなどで受賞者の活動を広報した。環境行動の表彰の他、福岡市は環境月間内に10に催事を開催している。
環境省のホームページには、各省庁や自治体の環境月間の取組状況が掲載されている。ポスター掲示のような簡易的な活動にとどまるところもあれば、地域住民が参加するイベント型のものまでさまざま。それぞれの取組状況をチェックしてみるのもおもしろいだろう。
近年、天気予報を見ると「数十年に一度の大雨」のような表現を多く目にするようになった。かつては数十年に一度しか遭遇することのなかった状況が、日常のものとなりつつある。
私たちが抱える問題は気候変動だけではないが、地球環境がこれ以上悪化すると私たちの生活が立ち行かなくなってしまう。環境の日や環境月間をきっかけにして定期的に自分たちの暮らす場所を見つめ直すのは必要なことだと言えるのではないだろうか。
※ 参照サイト
環境の日及び環境月間|環境省
https://www.env.go.jp/guide/envdm/
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