最新のデジタルテクノロジーを活用したSDGsテックが注目されている。これまで環境や社会的課題などの慈善事業は、経済成長と相反するものだと思われてきた。ところが、その状況は変わりつつある。この記事では、SDGsテックの意味や成功事例、ビジネスの今後について紹介していく。
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SDGsテックとは、国際連合が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」をITの活用で達成しようとする動きのこと。
世界各地でSDGsテックをビジネスチャンスととらえたスタートアップや大企業が、最新のデジタルテクノロジーを活用した取り組みをしている。
SDGsテックが盛り上がりを見せる一方で、まだまだ社会全体にこの概念が浸透しているとは言えない。ここで、SDGsテックのメリットを見ておこう。
・ブランディングに役立つ
・新規市場の開拓・事業機会の創出につながる
・事業を持続的に成長させることができるようになる
SDGsテックへの取組みは経営にも影響が出ている。2019年に日本経済新聞が行った調査によるとSDGsテックへの取り組みに積極的な企業はそうでない企業よりも収益力が高い傾向にあることがわかった。
ビジネスでは顧客のニーズを把握することは基本中の基本だ。これまで環境問題や社会問題への取組みは、採算度外視の社会貢献活動と見られてきた。
しかし、SDGsテックが世界のニーズそのものとなっているいま、SDGsテックに取り組むことがビジネスとも言えるかもしれない。一説によるとSDGsテックは1,000兆円以上の市場規模になるとされる。
社会的課題の解決を目指すスタートアップ企業が市場から多額の資金を調達するなか、環境問題などから目を背ける企業は退場を迫られ始めた。SDGsテックに取り組んでいるか否かで企業が選ばれる時代になっているのだ。
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WOTA(ウォータ)
SDGsテック目標の「安全な水とトイレを世界中に」に貢献するのは、スタートアップのWOTAだ。同社は2019年に排水を浄化することで水を再利用できる。小型の水循環装置「ウォータ・ボックス」の出荷を始めた。AIを搭載し、水質に応じて水を流す圧力やフィルタ−の種類を自動制御することで浄化効率を上げている。
ウミトロン
SDGsテック目標の「飢餓をゼロに」に貢献するのは持続可能かつ強靭な農業の実現を目指すウミトロンだ。同社はAIやIoTを駆使して、高効率で環境負荷の低い水産養殖に取り組む。スマホ専用のアプリケーションで養殖魚の餌やりのタイミングを知らせることで、資源の有効活用や水質汚濁の防止などにつながる。
1000兆円規模の市場があるSDGsテックは、世界から注目されている。これを見るとSDGsテックは一部のテクノロジーを持つ企業しか取り組めないと思うかもしれない。
しかし「持続可能性」にはさまざまな意味合いがあり、本来SDGsテックは私達の身の回りにあるものだ。ビジネスチャンスも眠っていると言えるだろう。今日から小さなことから取り組みはじめてみてはいかがだろうか。
※ 参照サイト
WOTA
https://wota.co.jp/
UMITRON
https://umitron.com/ja/index.html
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