グリーンコンシューマーとは、環境に配慮した商品や、環境問題に熱心に取り組む会社やメーカーを選択することによって、エコでサステナブルな市場の確立と環境問題の改善を目指す消費者のこと。ここでは、いますぐ実践できる10の原則をご紹介。ぜひ日々の消費に取り入れてみては。
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「グリーンコンシューマー」とは、買い物の際に、環境に配慮した商品やサービス、環境対策に力を入れている会社やメーカーを選択する消費者のこと。
「買い物は社会への投票」という考えのもと、環境対策に力を入れている企業・生産者を消費によってサポートすることで、エコでサステナブルな市場の確立を目的としている。また、グリーンコンシューマーが増えることで、環境に配慮する人や商品が増加し、地球規模の環境問題の改善が期待できる。
グリーンコンシューマーという言葉は、1988年にイギリスで、ジョン・エルキントンとジュリア・ヘインズが共著『グリーンコンシューマー・ガイド(The Greenconsumer Guide)』を出版したことによって、人々に知れ渡った。
当時、ヨーロッパではチェルノブイリの原発事故や北海でのアザラシの大量死、ライン川の汚染、酸性雨の深刻化など、さまざまな環境危機が相次いでおり、環境問題に対して多くの人々の関心が集まっていた。
そんななか、同書が環境のための新たな消費の仕方を提案したことによって、グリーンコンシューマー活動が世界各国でおこなわれるようになったと言われている。
現在、国や自治体、企業、民間団体といった法人組織では、環境に配慮した物品やサービスを購入する「グリーン購入」という取り組みも広がりを見せている。大量購入が多い法人組織の消費が変われば、エコ商品の価格が低下し、新しい商品やサービスづくりに大きな影響を与えるだろう。
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エアコンや冷蔵庫などの家電製品は「省エネ性能が高いもの」、車は「燃費のよいもの」を選ぶことにより、二酸化炭素の排出量を抑えられる。購入価格は高くなるが、省エネ家電においては電気代が下がり、低燃費車においては自動車税が軽減され、ガソリン代も抑えられるためトータルコストは安くなる。
食品においても、「旬のもの」や「地元のもの」を選ぶことによって、ビニールハウス栽培などで必要となる石油エネルギーや、輸送エネルギーを削減し、温暖化防止に貢献ができる。また、地元の食品を買うことは地域経済の活性化にもつながる。
買い物をする際は、容器包装ができる限り少なく、ごみの出ないものを選びたい。例えば、包装されていない量り売りの野菜や、個別包装のされていない菓子類、洗えば再び使うことのできるリユース瓶などだ。
ペットボトルやびん、缶などはリサイクルされて環境によいと思われがちだが、リサイクルが進んだ結果、それらの消費量は増え続け、年間400億本にも上っている。さらにリサイクルはリユースびん使用と比較して、約3倍環境への負荷がかかるとも言われている。
以下は、グリーンコンシューマー全国ネットワークが推進する、グリーンコンシューマーになるための10の原則である。日々の消費のなかで、ぜひ意識してみてほしい。
洋服の衝動買い・食品の買いだめなどの無駄な消費は、資源の減少・ごみの増加につながるため、本当に必要かどうか考えてから買おう。
使い捨て目的で買うのではなく、質のよい素材でできたものや、修理しながら長く使用できるものを選ぼう。例えば、洗って使い回しできるラップや、エコバッグの使用などによって、使い捨て行為をしないための工夫ができるだろう。
過剰包装されている食品は避け、量り売りのものを選ぶことで無駄なごみを減らすことができる。必要のないレジ袋や包装は断り、箱やプラスチック容器などの収納や郵送に使えそうなものは、工夫して再利用しよう。
ものがつくられてから捨てられるまでの過程に、さまざまな資源やエネルギーが消費されている。環境汚染や健康被害を防ぐためにも、こういった消費が少ない商品を選ぶようにしよう。
商品がつくられ、使われ、捨てられる過程には、排気ガスや薬剤、食品添加物、ダイオキシンなど、さまざまな化学物質が発生する。「エコマーク」や、環境や社会に配慮してつくられた繊維製品「GOTS」、環境に配慮して獲られた水産物であることを示す「MSC認証」などのラベルが付いているかを購入基準にするのも一つの手段。
商品の生産における環境汚染や、森林伐採によって、自然や生物多様性に害を与えている商品がある。持続可能な森林の利用と保護を目指す「FSC森林認証」や「PEFC森林認証」といったラベルもチェックしてみて。
遠い地域でつくられた商品を購入すれば、輸送に必要な排気ガスなどのエネルギー消費が多くなる。地元の商品を選ぶことは、食品などが新鮮な状態であるだけでなく、消費によって地域活性を促すことにもつながる。
発展途上国において、不当な賃金や過酷な労働環境のもとで商品がつくられていることがある。そういった商品の購入は、人々が貧困層から抜けられない負の連鎖を生むことになる。最近では、発展途上国との公正な貿易取引「フェアトレード」のマークが付いている商品も増えている。
再生紙製品、リサイクルコットンといった商品を買うことで、リサイクルシステムが活かされよい循環が生まれる。また、できる限りリサイクル素材の割合が100%のものを選ぶことで、無駄な資源の消費を削減することができる。
環境対策をおこなっているメーカーや店での消費は、エコでサステナブルな市場の確立につながる。また反対に、大量生産・大量消費をおこなうファストファッションの購入は、環境問題を助長させてしまう可能性がある。
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現在、世界中で多くの資源が大量消費・大量廃棄されている。また、それによる膨大なエネルギー消費が原因で、自然環境を破壊し、生物の健康や生命を脅かしている。
「買い物は社会への投票」だ。私たちが買い物の仕方を少し工夫するだけで、市場はエコでサステナブルなものになり、地球環境はよい方向へと改善するかもしれない。
ただ、身の回りのものをいますぐ環境配慮型に買い替えなければならないのではない。少しずつ無理なく取り入れ、自分自身が納得できる範囲でエコな消費を始めてみることが大切だ。
※ 参照サイト
グリーンコンシューマー10原則|環境市民
http://www.kankyoshimin.org/modules/activity/index.php?content_id=57
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