近年、地球的規模の環境や生態系へのさまざまな問題が指摘されているなかで、わたしたちの生活の身近にあるのが「環境保全協定」だ。環境保全協定の概要と現在有効な締結協定数、自治体の取り組みなどを紹介する。
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「環境保全協定」とは、廃棄物処理施設の設置や維持管理を行うときに施設の設置について、生活環境保全上の利害関係のある県や市町村などの自治体や地元住民と施設の設置者とが取り交わす協定のこと。
自治体によっては、環境保全協定は「公害防止協定・環境保全協定」として締結するところもある。1969年に締結された協定数は436件だったが、その後一貫して増え続け、データの公開されている2006年時点で有効な協定数は3万2000件を超えた(※1)。
日本には生物多様性の確保や自然環境の適切な保全を目的とした自然環境保全法がある。環境保全協定は、法令や条例の規制を上回る自主的な環境保全対策を事業者に促すために、自治体と事業者の間で締結するものだ。
本協定は自治体、地域住民と事業者とが対等な立場で結ぶ約束事項であり、信頼関係を築くことにもつながる。
環境保全協定締結のステップは次のとおりだ(※2)。
1.事業者から自治体に事前相談
2.現地調査・協議
3.事業者から自治体に協議書提出
4.自治体から事業者に協定締結の通知
5.事業者から自治体に協定書を2部提出(1部は写し)
6.自治体から事業者に協定書の送付
2003年から環境保全協定制度を実施している。同市が環境保全協定の締結対象とする事業者は、産業廃棄物処分業、産業廃棄物処理施設の設置を行う事業、製造業・その他市長が認める事業となっている。事業者の自主的な環境活動を促し、公害を未然に防いでいる(※3)。
知事と事業者の間で自然環境保全協定を締結している。協定の締結が必要な行為は「宅地の造成」「鉱物の採掘または土石採取」「車道や鉄道または索道の開設」「土地の開梱その他土地の形質変更」「発電施設の建設・廃棄物の埋め立て処分」と定めた(※4)。
それぞれの事業の区域面積や長さが指定されており、自然環境の改変を最小限にとどめている。
※1 公害防止協定・環境管理協定|第一法規株式会社
https://www.daiichihoki.co.jp/store/upload/pdf/028019_pub.pdf
※2 Ⅰ 自然環境保全協定書 作成要領|静岡県
http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-070/documents/kyoutei2.pdf
※3 環境保全協定制度の概要|吉川市https://www.city.yoshikawa.saitama.jp/index.cfm/23,351,122,690,html
※4 自然環境保全協定に関する手続き|岐阜県
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/14440.html
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