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カフェのテーブルに置かれた3種類の飲み物

シラフこそクール あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」が注目を浴びる理由とは

欧米のミレニアル世代を中心に、トレンドを巻き起こしている「ソバーキュリアス」。心身の健康を保つために「あえてお酒を飲まない」というスタイルだ。その概念が生まれた背景や企業の取り組み、日本での流行の兆しについて解説する。

2021.02.10

ソバーキュリアス(Sober Curious)とは?

白いコーヒーカップでコーヒーを飲む人

Photo by Jacek on Unsplash

「ソバーキュリアス(Sober Curious)」とは、お酒を飲める人があえて飲まないこと、あるいは少量しか飲まないことを言う。またそのような人やライフスタイルのことを指す言葉だ。

「sober」は「シラフ」、「curious」は「好奇心の強い、〜したがる」を意味する。つまり「シラフへの好奇心」「シラフでいたがる」というニュアンスが語源となっている。

禁酒や断酒との違いは、それらが忍耐・我慢を要するのに対し、ソバーキュリアスは飲んでもいいのに“あえて”飲まない点だ。

盛り上がりの背景にある「ヘルシー志向」

ソバーキュリアスが生まれた背景には、近年広がる「ヘルシー志向」や「マインドフルネス」のブームがある。

お酒を飲まないことは心身の健康につながると考えられ、欧米のミレニアル世代を中心に「あえて飲まない」がトレンドとなった。

やがて若者のお酒離れが世界的に広がり、「ソバーキュリアス」という言葉が誕生。「シラフがクール」といった風潮もあり、アルコールを扱わない「Sober Bar(ソバーバー)」と呼ばれるバーも各地に登場している。お酒が必須とされるクラブやレイブでも、「アルコールフリー」を謳ったイベントが反響を呼んでいるようだ。

またソバーキュリアスの流行に伴い、ロンドンではノンアルコールカクテルの新しい呼び方「モクテル」という言葉が誕生した。これは「mock(見せかけ)」と「cocktail(カクテル)」をかけ合わせた造語で、お酒を飲まずともおしゃれな雰囲気が楽しめると話題になっている。

ノンアルビジネスに乗り出す欧米の企業 

ケースに入ったハイネケンのビール

Photo by Stella de Smit on Unsplash

ソバーキュリアスを始めとする脱アルコールトレンドに伴い、さまざまな企業や投資家がノンアルビジネスに乗り出している。

たとえば、アメリカの飲料水メーカー「Liquid Death(リキッドデス)」は、パンクロッカーやメタルバンドマンがかっこよく水を飲めるように、缶入りのミネラルウォーターを発売。メディアの注目を浴び、すでに160万ドル(約1.7億円)もの投資を集めている。

また、シリコンバレー発の企業「Kin Euphorics(キン・ユーフォリックス)」は、投資グループから多くの資金援助を受け、スタイリッシュなノンアルコール飲料をリリース。SNS上でも話題となり、若者から支持を得ているようだ。

大手ビールメーカー「Heineken(ハイネケン)」も、ノンアルコールビールが31缶入ったスペシャルパッケージを1,000ケース無料で配布。これは「1月の1ヶ月間はお酒を断とう」という、イギリス発祥のムーブメント「ドライ・ジャニュアリー」を意識したものでもある。

大盤振る舞いなキャンペーンが大きな反響を呼び、ビールの販売数が伸び悩むアルコール業界で、ノンアルコールビールカテゴリとしてのブランド知名度を上げている。

ソバーキュリアスは日本で浸透するのか

欧米で知名度を上げている一方、日本ではまだまだ認知度は低い。しかし言葉としては浸透していないものの、若者のお酒離れは確実に進んでいる。

事実、20〜30代の飲酒習慣率は年々低下し、国内のビール市場は縮小傾向にある。代わりにノンアルコール市場は徐々に拡大し、都市部ではノンアルコール専門のバーもちらほらと登場している。

今後、日本でもソバーキュリアスの概念が受け入れられる可能性は高い。「飲みニケーション」の是非が問われる近年、飲み会文化はもはや時代遅れとなり、脱アルコールトレンドはさらに普及していくのではないだろうか。

※掲載している情報は、2021年2月10日時点のものです。

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