株式会社ワンオーの「ファッションの信用」がテーマのファッションプロジェクト「EQUALAND(イコーランド)」。大量生産、大量消費、大量廃棄の時代から脱し「信頼される衣服」を追求する。
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シェアビジネス、サブスクリプション型サービスに見られる「持たなくていい」感覚。フリマアプリやファストファッションに見られる「これでいい」感覚。ローカルへの注目やエシカル消費に見られる「価値あるものがほしい」感覚。
かつての大量生産、大量消費、大量廃棄の時代への反動と反省ともいえる消費感覚が、現代の消費者に根付くなか、リサイクル、フェアトレード、ものづくりの再評価など、すでに多くのブランドが製造や流通を見直しはじめている。
生産者の顔の見える化や産地ブランドが表す「信用できる食こそがおいしい」という新しい食文化同様に、ファッション界にも「TRASUT FASHION(信用できる衣服こそ魅力的)」という新しい文化を根付かせ市場をつくろう、というのが「EQUALAND」のブランドビジョンだ。
監督や脚本家、俳優や美術など多くのプレイヤーの共同制作により生まれる映画には、関わったスタッフ全員の名前を連ねたエンドクレジットがつきものだ。
ファッションも同様に、1枚の服に関わるスタッフ全員が、ファッション文化の担い手として尊重されるべきだとし「信用タグ」が生まれた。このタグには、綿花生産者からデザイナーまで、製造に携わるすべての人の自署署名が印刷されている。
EQUALANDは、大量生産時代に残された糸や生地、皮革などの余剰在庫が世界中に眠っていることに注目。なかにはラグジュアリーブランドが残した高品質な素材もあり、それらが眠る工場には、人知れず埋もれた特殊技術も残っていた。
世界中からそれらを見つけ出し、素材や技術を再活用した商品を制作。世界的ラグジュアリーブランドが使い残したオーガニックコットン糸を使ったTシャツや、高品質なムートンの端切れを継ぎ合わせ一枚布にして作ったコートなどが生まれている。
化学染料による衣服の染色が、世界中の水を大量消費し汚染を引き起こしてきた社会問題に着目し、目と肌がよろこぶ「理想の染め」を追求してたどり着いたのが、天然の植物素材による染め。
ジンジャーからは白、バナナから黄色、ビーツからピンク、キウイからカーキなど、深みと奥行きのある発色が並ぶ。原料となる植物は、コールドプレスジュースの搾り果実や、流通に乗らなかった食材、草木などが使われている。
EQUALANDは賛同パートナーとコミュニティをつくり、新しい製品を生み出している。EQUALANDの理念に賛同した、パリのセレクトショップMerciは、日本のコールドプレスジュース専門店から提供される絞った後の果実や野菜をつかって染色した、Merci別注のポケットTシャツを開発した。
同じく賛同パートナーであるコラージュアーティスト河村康輔は、賛同ショップから寄付された余剰在庫のTシャツにデザインをリプリント。
「定価1万円だったTシャツが、いまはお金をかけて処分しなければならない」という現実を考えてもらうためにプリントしたメッセージは「How much is FASHION?」。
この企画では、消費者の考えるきっかけをつくりたいという願いを込めて、ゼロ円で販売された。
現在、"信用"をコンセプトに掲げるEQUALAND がいまできることとして、売上の10% を、国境なき医師団(※1)が実施している「新型コロナウイルス感染症危機対応募金」に寄付している。https://equaland.com/botanical/(5月末まで実施予定)
※1 国境なき医師団(MSF)
独立・中立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体。
ボタニカルTシャツ 各8,800円
公式サイト:https://equaland.com/
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