ブルーウォッシュの意味とは? 問題点とその事例を解説

ブルーウォッシュとは、企業や団体などが人権活動や環境配慮を行っていると主張していながら、実際はイメージアップ目的のポーズになっており、具体的な実態が伴っていない状態を指す。このような企業に間違った利益がいかないように、わたしたちの目できちんと確かめる必要がある。

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2020.09.25
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ブルーウォッシュとは?

ブルーウォッシュとは、人権のために慈善活動や環境・人権に配慮した取り組みを行っていように見せかけて、実はそれがきちんと機能しておらず、ただ利益を産むためだけに装っている状態を指す。

同じような意味で使用されている言葉として、グリーンウォッシュがある。こちらも環境へ配慮した商品の販売や企業活動を行なっていると説明していながら、実際はそうではなく、利益を産むためのだけのアピールとして利用しているだけの状態となる。

ウォッシュという言葉の由来は、正しい調査を行わず、データなどをごまかすという意味の「ホワイトウォッシュ」から来ている。

ブルーウォッシュの事例と問題点

ブルーウォッシュと指摘されたものの一つとして、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の取り組みに参加した企業の例がある。

国連グローバル・コンパクトとは、1999年に開催された世界経済フォーラムにおいて、当時国連事務総長であったコフィー・アナン氏が企業に対して、人権・労働権・環境・腐敗防止に関する10原則を順守し実践するよう要請したものだ。(※1)

この要請を満たし、遵守している企業のことを国連はパートナーと呼び、企業は出版物や広告資料に国連環境計画の青いロゴを使用する許可を得る。

これは一見とてもいいことのように思えるが、問題なのは国連によるパートナー認定が甘かったことだ。

国連環境計画の青いロゴを使用できるということは、ブランディングや信頼につながるため、多くの企業が申請をした。しかし、認定後の取り組みの調査を厳しく行わなかったために、実際の活動が認定に伴っていない企業が多く出てしまった。

結果的に、「このパートナーシップを企業イメージ改善のために利用した、見せかけだけのブルーウォッシュなのではないか」と批判が殺到してしまったのだ。(※2)

このようなことが起きないために、審査の基準の改善と、パートナーシップのはっきりとした目的、その後の第三者による継続的な監視制度が必要だ。

いまの時代、消費者であるわたしたち自身がきちんと確認して選ぶことが重要だということは、多くの人々が理解しているであろう。企業や団体は、ブルーウォッシュをすることが大きなリスクに変わる危険な行為であるということを理解する必要がある。

※1 国連グローバル・コンパクトについて|グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
http://www.ungcjn.org/gc/

※2 'Blue wash' instead of human rights|DW
https://www.dw.com/en/blue-wash-instead-of-human-rights/a-15108305

※掲載している情報は、2020年9月25日時点のものです。

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