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緑の建築「グリーンビルディング」とは? 各国の事例と認証制度を解説

緑の建築ともいわれるグリーンビルディングとは、どんな意味を指す言葉なのか。そして、なぜいま求められているのかを正しく知ろう。グリーンビルディングについて触れるうえで避けて通れない認証制度や、国内外でのグリーンビルディングの事例も含め解説する。

2020.09.28

グリーンビルディングとはなにか

グリーンビルディングの建築物

Photo by Martin Reisch on Unsplash

グリーンビルディングとは何を指すのか。直訳すると「緑の建築」であるこのワードを、近年よく見聞きするようになったと感じる人もいるだろう。

グリーンビルディングは、簡単に言えば環境への負荷を削減した建築物のこと。国内では「持続可能な建築」や「環境建築物」のほか、海外では「サステナブルビルディング」という名称で呼ばれることもある。

建築の行程や建てた後の運営において、エネルギーや水の使用を削減したり、敷地内の緑化を勧めるなどして、総合的に環境に配慮する建物のことだ。

環境にやさしく機能的な美しさを備える建築物も多い

環境にやさしいばかりか、デザイン性に富んだスタイリッシュな建築物が多いのも特徴。
都市部のモダンな建物の、側面や屋上、パティオなどで緑が有効的に配されているのを見たことがあるだろう。

いまや環境への配慮は、企業の倫理観やイメージアップに欠かせない要素となっている。
また、エネルギーや水資源の使用が減ればランニングコストを抑えられるのは想像に難くない。グリーンビルディングが盛んになればなるほど、建物の機能性やデザイン美もより磨かれていくだろう。

グリーンビルディング認証について

そびえ立つビル

Photo by Brad Smith on Unsplash

近年、世界中でグリーンビルディングへの取り組みが加速している背景には、2015年の「気候変動枠組条約パリ会議(COP21)」で締結された「パリ協定」の存在が大きい。

これまでも、環境問題のなかで主要因として議論されてきた地球温暖化。それに対し「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を2℃以下に抑えることを主目標に掲げ、史上初めて「気候変動枠組条約」に加盟する全加盟196か国が参加を表明した。 

この「COP21」では、水資源の確保も大きな課題として共有され、フランスと国連環境計画(UNEP)は共同で、GABC(The Global Alliance for Buildings and Construction) を開催。23カ国のNGO64団体が参加し、グリーンビルディングの推進を確認した。

米NGOが立ち上げたLEEDがもっとも有名

これらの動きに呼応し、世界各国で「グリーンビルディング認証」制度が活発化。

中国のGBAS、フランスのHQE、イギリスのBREEAM、オーストラリアのNabers、シンガポールのGreen Markなど、認証制度は多種多様だ。

なかでも、アメリカで生まれたLEEDは世界的な認証制度。NPOの米国グリーンビルディング協会が1998年に設立したものだ。認証レベルには、プラチナ、ゴールド、シルバー、サティスファイドの4段階あり、カテゴリーも細かく分けられている。

認証を得るには、多くの専門家の審査を要し、どの国においても一律の条件を適用することから国際的な信用度も高い。

日本では、国土交通省の支援のもと産官学共同プロジェクトとしてCASBEE(建築環境総合性能評価システム)がグリーンビルディングの認証を担っている。

グリーンビルディングの事例

海外のスタジアム

Photo by Carles Rabada on Unsplash

世界の事例

世界各国で推し進められる、グリーンビルディング。その事例をいくつか見てみよう。まずは、米国ニューヨーク、マンハッタン南端にあるバッテリーパーク地区の住居ビル「ソレイア」。

この建物は、前述のLEEDがニューヨークで最初に認証したビルとして知られる。
雨水を利用した省水設計や、ソーラーシステムによる自家発電機能、ルーフトップガーデンを備えるなどした建物は画期的で、周囲の同クラスの家賃よりも多少割高にもかかわらず、入居希望者が絶えないという。
ニューヨーカーの環境への意識の高さが、「グリーンビルディング」を支える一助にもなっているようだ。

ちなみに、LEEDはアメリカ全土におけるプロジェクト認証数などを集計し、年に1度州別のトップ10を発表している。
2020年1月に公表された、2019年の認証トップはコロラド州で、102のプロジェクトが認証された(※1)。
全米では、1年間で2200以上ものプロジェクトが「グリーンビルディング」認証を受けた。

各国で、グリーンビルディングに対する助成金などの制度も導入されており、さらに「グリーンビルディング」の流れは加速していくだろう。

※掲載している情報は、2020年9月28日時点のものです。

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