ファッション241ブランドの循環型経営を調査 日本16社の平均は世界平均を0.6ポイント上回る

A.T. カーニーが、サーキュラー・ファッション・インデックス(CFX)レポート2026年版を公開。世界21カ国241ブランドを評価し、全体平均は3.7、日本16ブランドの平均は4.3となった。

ELEMINIST Press

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2026.10.30
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製品ライフサイクル全体の循環性を10点満点で評価

A.T. カーニー株式会社は、サーキュラー・ファッション・インデックス(CFX)レポート「The Kearney CFX 2026 report: ファッション業界のサーキュラリティは、規制対応から競争優位性を生む次の段階へ」を公開した。

本レポートは、ファッションブランドが製品ライフサイクル全体にわたりサーキュラリティをどのように実践しているかを10点満点で評価するもの。2026年版では、世界21カ国、5つの製品カテゴリーにわたる241ブランドを対象に評価を実施した。

全体の平均スコアは2025年の3.4から3.7へ上昇し、日本の対象16ブランドの平均は世界平均を0.6ポイント上回った。

日本16ブランドの平均は4.3、ユニクロが初のトップ10入り

ファッション業界のサーキュラリテ

CFXの世界平均は、インデックス開始時の2020年の約2.0から、2025年に3.4、2026年に3.7へと上昇してきた。地域別では欧州が3.9、北米が3.7、アジア太平洋が3.4となっている。

今回対象とした日本の16ブランドの平均は4.3で、全体平均を0.6ポイント上回った。対象となった日本企業は、アダストリア、アシックス、CFCL、ゴールドウィン、GU、マッシュホールディングス、ミズノ、良品計画、オンワード、しまむら、スノーピーク、TSIホールディングス、ユニクロ、ユナイテッドアローズ、ワコール、ワールドの16社。

上位20%に入るための閾値は2025年の5.8から2026年の6.0へ上昇し、上位10ブランドのうち9社は前年も上位グループに含まれていた。ユニクロは今回、新たにトップ10入りを果たしている。

取り組みの「広がり」と「実行の深さ」には大きな差

一方で、取り組みの広がりと実行の深さには差がある。

一次市場の評価軸では、73〜84%のブランドが一定程度の活動を示したものの、広範な実行に達したのはわずか3〜7%にとどまった。何らかの取り組みに着手しているブランドは多いが、それを事業全体に展開できているところは限られているという構図が浮かび上がる。

規制対応で得た能力を、4つのライフサイクル価値へつなげる

本レポートは、規制がサーキュラー対応力を市場アクセスの条件へ変えつつある一方、製品データ、素材に関するコミットメント、使用後の仕組みは、それだけでリターンを生むわけではないと指摘する。

経営上の機会は、規制対応で得た能力を次の4つの領域に結び付けることにあるという。

① 販売前の余剰在庫・値引きの削減
② 調達における素材アクセス
③ 初回販売後の製品価値と消費者価値の維持
④ 使用後の回収・再利用

規制対応は、すでに市場参入の前提条件

サーキュラリティを経営上の優位性につなげるには、営業、調達、財務、オペレーションの意思決定に組み込み、信頼できる製品データを市場・部門横断で活用するとともに、パートナー間の役割と説明責任を明確にする必要がある。

その上で、製品を初回販売時の利益だけでなく、余剰在庫、素材供給リスク、残存価値、回収価値など、ライフサイクル全体の経済性から評価し判断することが重要だとしている。

規制対応は、いまや市場参入の前提条件である——企業に求められるのは、対応のために整備した能力を経営基盤として活用し、収益性と環境パフォーマンスの双方を高め、競争優位性へ転換することだと結論づけられている。

「やっている」から「事業になっている」へ

8割近いブランドが何らかの循環型の取り組みを示す一方、広範な実行に達しているのは数パーセント——この落差が、現在のファッション業界の位置を端的に示している。

回収プログラムを設け、再生素材を一部の商品に使う。それ自体は着手として意味があるが、在庫リスクの削減や調達の安定、残存価値の確保といった経営の数字につながってはじめて継続する。規制が要求水準を引き上げるなかで、対応コストを競争力に変換できるかどうかが分かれ目になる。

レポートについて

論考名:『The Kearney CFX 2026 report: ファッション業界のサーキュラリティは、規制対応から競争優位性を生む次の段階へ』

本レポートは、英題「From circular intent to operating advantage: The Kearney Circular Fashion Index 2026」を、A.T. カーニー東京オフィスのシニアパートナーであり、消費財・小売プラクティスのAPAC共同リーダーを務める福田稔氏の監修のもと加筆・日本語化したもの。

A.T. カーニー(グローバル・ブランド名:Kearney)は、100年にわたり世界有数の経営コンサルティングファームとして、Fortune Global 500企業の4分の3以上をはじめ、世界各国の政府機関に信頼されるパートナーであり続けてきた。世界40カ国以上に拠点を展開し、日本には1972年に進出している。

問い合わせ先/A.T. カーニー株式会社
https://www.jp.kearney.com/

※掲載している情報は、2026年10月30日時点のものです。

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