パナソニックがベトナム・フィリピンで使用済みエアコンの回収・再資源化実証を開始

パナソニックが、ベトナムとフィリピンで使用済みエアコンの回収および再生・再資源化に向けた実証を2026年10月から2027年3月末まで実施する。日本で培った家電リサイクルの知見をASEANへ展開する。

ELEMINIST Press

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2026.10.16
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家電の普及が進む一方で、回収・処理の仕組みが追いついていない

パナソニック株式会社は、ベトナムとフィリピンで使用済みエアコンの回収および再生・再資源化に向けた実証を開始する。本取り組みはパナソニックグループの長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」に基づくもので、両国ともに2026年10月から2027年3月末まで実施する予定だ。

ASEANでは、経済成長に伴い家電の普及が進む一方、使用済み家電を適正に回収・処理する仕組みの整備が課題となっている。特にエアコンは冷媒を含むため、適正な回収・処理が欠かせない。

パナソニックは、日本で培ってきた家電リサイクルの技術・知見や再生品販売のノウハウを生かし、本実証を通じて使用済みエアコンの適正な回収・処理と再生・再資源化を進め、資源の有効活用につなげる。なお本実証は、環境省の「国際金属資源循環促進業務」の一環として実施される。

ベトナム——拡大生産者責任の適用開始を背景に

パナソニック ベトナム 社長 藤野 貴康 氏

パナソニック ベトナム 社長 藤野 貴康 氏(左)とCao Phong社 Deputy Director Trang Hong Thai 氏(右)

ベトナムでは、電気・電子製品への拡大生産者責任(Extended Producer Responsibility)の適用が2025年1月に始まり、使用済み家電を適正に回収し資源循環につなげる仕組みづくりが求められている。

こうした背景から、パナソニック ベトナム有限会社(PV)は現地大手家電量販店のCao Phong社と連携し、2026年10月8日から使用済みエアコンの回収実証を開始する。Cao Phong社の店舗でパナソニック製品を購入した顧客を対象に、買い替え時に使用済みエアコンを買い取る仕組みだ。

パナソニックがベトナム・フィリピンで使用済みエアコンの回収・再資源化実証

回収対象はパナソニック製に限らず他社製も含み、2027年3月末までに500〜1,000台の回収を目指す。本実証を通じ、量販店の販売網を活用した使用済みエアコンの回収方法や、継続的に運用可能な回収スキームの構築に向け、運用面および事業面の実現可能性を検証する。

回収した使用済みエアコンは、将来的に解体して素材別に分別し、再生資源として活用することを検討。今後は対象家電の拡大に加え、得られた再生材をベトナム国内で生産する自社製品に活用することなども検討していく。

フィリピン——回収・再資源化に加え、再生品としての販売も検証

「Panasonic Refresh」再生冷蔵庫の冷却性能検査(フィリピン)

「Panasonic Refresh」再生冷蔵庫の冷却性能検査(フィリピン)

フィリピンでは、パナソニック マニュファクチャリング フィリピン株式会社(PMPC)が現地大手家電量販店と連携し、2026年10月に使用済みエアコンの回収実証を開始する予定。

回収対象はパナソニック製に限らず他社製も含み、2027年3月末までに500〜1,000台の回収を目指す。実証では、量販店の販売網を活用した回収方法や再資源化に加え、再生材を自社製品に活用する可能性を検証。さらに、回収したエアコンを再生品として販売する可能性についても検証する。

「Panasonic Refresh」——1年保証付きで再生冷蔵庫を販売

PMPCでは家電を長く使い続けられる取り組みとして、2025年11月に再生した冷蔵庫80台を販売する実証を実施した。

2026年9月からは、初期不良品などで戻ってきた冷蔵庫を厳格な品質基準のもとで再生し、「Panasonic Refresh」としてD2Cサイトを通じて販売する実証を開始している。製品の状態に応じてランクを設定し、購入から1年間の保証を付けて販売することで、家電を廃棄せず再び活用するとともに、より多くの人が高品質な家電を選べる機会を広げている。

「Panasonic Refresh」ウェブサイト(英語のみ):https://store.apac.panasonic.com/ph/refurbish-top

日本で培った再生・資源循環の知見をASEANへ

パナソニックは日本国内で、検査済み再生品(保証付)「Panasonic Factory Refresh」の展開や、使用済み家電を回収・解体し、鉄、銅、樹脂などを再び資源として活用する家電リサイクルに取り組んでいる。

こうした取り組みを通じて培った家電の再生・品質管理や、使用済み家電の回収・再資源化の知見を生かし、ベトナムとフィリピンでそれぞれの市場環境に適した資源循環の仕組みを検証する。

両国での実証で得た知見をもとに、ASEANを中心に各国・地域の制度や市場環境に合わせて、家電を長く使い続けられる仕組みづくりと、使用済み家電の適正な回収・再生・再資源化の取り組みを広げていくとしている。

売る側が、引き取る側になる

冷媒を含むエアコンは、適切に処理されなければ温室効果の高いガスが大気に放出される。普及が急速に進む地域ほど、その影響は大きくなる。

今回の実証で注目されるのは、買い替えの現場である家電量販店を回収の入口にした点だ。新しい1台を売るときに、古い1台を引き取る——他社製も対象に含めているため、ブランドを問わず資源が集まる設計になっている。

パナソニックグループは「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を制定。2030年までに全事業会社の拠点におけるCO2排出量を実質ゼロに、また2050年に全世界の排出総量の約1%にあたる年3億トン以上の削減貢献インパクトの創出と、サーキュラーエコノミー実現に向けた事業活動に取り組んでいる。

問い合わせ先/パナソニック株式会社
https://holdings.panasonic/jp/

※掲載している情報は、2026年10月16日時点のものです。

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