モバイルバッテリーの捨て方|正しい廃棄・リサイクル方法を徹底解説

モバイルバッテリーは普通ごみに捨てるとリチウムイオン電池による発火・火災リスクがある。小型家電回収ボックスやJBRCへの持ち込みなど正しい捨て方とリサイクル方法を解説する。

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2026.06.21

モバイルバッテリーは普通ごみに捨てられない

スマートフォンの充電に欠かせないモバイルバッテリーだが、使い終わったあとの「捨て方」を正しく知っている人は少ない。モバイルバッテリーは燃えるごみにも燃えないごみにも出すことができず、誤った廃棄は深刻な火災事故につながる。正しい捨て方は、小型家電回収ボックスへの投入やJBRC協力店舗への持ち込みが基本だ。本記事では、モバイルバッテリーの正しい捨て方・リサイクル方法・捨てる前の注意点を、一般の方にもわかりやすく解説する。

リチウムイオン電池が引き起こす発火・火災リスク

モバイルバッテリーの内部にはリチウムイオン電池が使われている。リチウムイオン電池は高エネルギー密度を持ち、物理的な衝撃・圧力・高温にさらされると発火・爆発する危険性がある。ごみ収集車でほかのごみと一緒に圧縮された際に電池が破損し、収集車の内部や処理施設で火災が発生する事故が全国各地で報告されている。東京都や大阪市など多くの自治体がこうした火災の増加を深刻な問題として警告しており、「燃えないごみ」として出すことも絶対に避けなければならない。

全国で相次ぐごみ処理施設・収集車の火災

環境省や消防庁のデータによると、リチウムイオン電池を原因とするごみ処理施設・収集車の火災件数は年々増加している。モバイルバッテリーのほか、電動歯ブラシ・ワイヤレスイヤホン・電子タバコなどに内蔵された電池も同様のリスクを持つ。誤廃棄による火災は施設の操業停止や多額の修繕費につながるだけでなく、作業員の安全にも関わる重大な問題だ。モバイルバッテリーを「ただのごみ」として扱わないことが、地域の安全を守ることに直結している。

モバイルバッテリーの正しい捨て方4つ

① 小型家電回収ボックスに投入する

最も手軽な方法が、市区町村や家電量販店などに設置されている「小型家電回収ボックス」への投入だ。小型家電リサイクル法(2013年施行)に基づく認定事業者が回収・リサイクルする仕組みで、モバイルバッテリーはこの対象品目に含まれることが多い。設置場所は自治体のウェブサイトや「小型家電リサイクル 回収場所 + 地域名」で検索するとすぐに確認できる。ヨドバシカメラ・ビックカメラ・ケーズデンキなど主要家電量販店には回収ボックスが常設されているケースが多い。

② JBRC協力店舗・回収拠点に持ち込む

JBRCとは

JBRC(一般社団法人JBRC)は、充電式電池のリサイクルを推進する業界団体だ。ニッカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池の3種類を対象に、全国の協力店舗・回収拠点で使用済み電池を無料で回収している。JBRCの協力店舗はホームセンター・家電量販店・カメラ店・ドラッグストアなど全国に約2万か所以上あり、JBRC公式サイト(jbrc.com)の「協力店検索」から最寄りの回収場所を検索できる。モバイルバッテリーごと(バッテリーを取り外せない場合は製品ごと)持ち込める店舗が多い。

③ メーカー・販売店の回収サービスを利用する

AppleやAnkerなど一部のメーカーは、自社製品の回収プログラムを設けている。Apple Store・正規サービスプロバイダーではiPhoneや純正バッテリーの無料回収が可能だ。Ankerは一部の家電量販店と提携した回収スキームを持つ。また、ビックカメラ・ヨドバシカメラ・ヤマダ電機などの大手家電量販店でも、販売した製品に限らずモバイルバッテリーの回収受け付けを行っているケースがある。購入した販売店やメーカーのウェブサイトで回収プログラムの有無を事前に確認するとよい。

④ 市区町村の「特定有害ごみ」・「拠点回収」を利用する

自治体によっては、リチウムイオン電池を「特定有害ごみ」または「拠点回収」として受け付けている場合がある。収集日・持ち込み場所・袋への入れ方などのルールは自治体ごとに異なるため、居住する市区町村のウェブサイトや電話窓口で確認することが必要だ。「不燃ごみ」と混同しやすいが、不燃ごみとしては出せないことを必ず確認しておきたい。自治体の回収に対応していない場合は①〜③の方法を選ぶ。

捨てる前の準備と注意点

端子をテープで絶縁する

モバイルバッテリーの充電端子(USBポートなど)がほかの金属と接触すると、ショートして発火する危険がある。捨てる前にUSB端子の差込口や端子部分にビニールテープや絶縁テープを貼って絶縁処理をしておくことが推奨される。複数のバッテリーをまとめて持ち込む場合は、それぞれ個別にビニール袋に入れて絶縁しておくとさらに安全だ。回収ボックス・回収拠点によってはテープ処理を義務づけている場合もある。

膨張・破損しているバッテリーの扱い

使用中または保管中にモバイルバッテリーが膨らんでいる(膨張している)場合は、発火・爆発のリスクが高まっている状態だ。絶対に通常のごみとして出してはならない。膨張したバッテリーは自分で穴を開けたり分解したりせず、購入した販売店・メーカーのサポートセンターに相談するか、自治体の相談窓口に問い合わせることが最善だ。持ち運ぶ際は金属製容器に入れるなど慎重に取り扱い、熱・衝撃・日光を避けること。

できるだけ放電してから処分する

処分前にモバイルバッテリーの残量をできる限り減らしておくことが望ましい。スマートフォンやタブレットの充電に使うなどして残量を消費した上で処分することで、回収・処理時の発火リスクを低減できる。ただし、完全に放電しようとして過放電状態にまで追い込むことは電池にとってもリスクがあるため、残量が少ない(目安として20〜30%以下)状態で処分するのが現実的だ。

モバイルバッテリーのリサイクルと環境への貢献

リチウムイオン電池はなぜリサイクルが重要なのか

リチウムイオン電池にはリチウム・コバルト・ニッケル・マンガンなどの希少金属(レアメタル)が含まれている。これらの資源は採掘に大量のエネルギーと環境負荷を伴い、採掘地での人権問題(コンゴ民主共和国のコバルト採掘など)とも深く結びついている。使用済みバッテリーを適切に回収・リサイクルすることで、こうした希少金属を再生原料として再利用でき、新たな採掘量の削減・環境負荷の低減につながる。SDGsの観点からも、廃バッテリーの適正処理・リサイクルは循環型社会の実現に直結する重要な行動だ。

回収されたバッテリーはどうなるのか

JBRCや小型家電リサイクル法の認定事業者に回収されたリチウムイオン電池は、専門の処理施設で解体・選別・精錬の工程を経て、リチウム・コバルト・ニッケルなどの金属資源として回収される。回収された金属は新しい電池・電子部品・合金などの原料として再利用される。日本のリチウムイオン電池リサイクル技術は世界的に高い水準にあり、住友金属鉱山・JX金属などの企業が精錬技術の向上に取り組んでいる。EVの普及に伴って廃バッテリーの量は今後さらに増加する見込みで、回収体制の整備が社会的課題となっている。

やってはいけない!よくある誤った捨て方

燃えるごみ・燃えないごみに出す

最も多い誤りが「燃えないごみ」として出すケースだ。「燃えない」から安全と思いがちだが、不燃ごみの処理過程でも圧縮・加熱が行われるため、発火リスクは同様に存在する。燃えるごみとして出すことはもちろん、燃えないごみ・粗大ごみとして出すことも自治体のルールに反している場合がほとんどだ。ルール違反の廃棄が繰り返されると、収集作業員の安全が脅かされ、処理コストの増加を通じて税負担にも跳ね返ってくる。

電池を取り外して「電池ごみ」として出す

乾電池(マンガン電池・アルカリ電池)は多くの自治体で「乾電池専用の回収ボックス」で回収されるが、リチウムイオン電池はこの対象外だ。乾電池の回収ボックスにモバイルバッテリーや内蔵リチウムイオン電池を入れることは、発火の原因になるため絶対に避けなければならない。また、多くのモバイルバッテリーは内部電池を取り外すことを想定した設計になっておらず、無理に分解しようとすると電池を傷つけて発火リスクが高まるため、分解しないことが原則だ。

よくある質問

モバイルバッテリーはどこで捨てられますか?

主な場所は3つです。①家電量販店や市区町村の施設に設置された「小型家電回収ボックス」、②JBRCの協力店舗(ホームセンター・家電量販店など全国約2万か所以上、jbrc.comで検索可能)、③購入したメーカー・販売店の回収プログラムです。お住まいの自治体が「拠点回収」を行っている場合はそちらも利用できます。

家電量販店で無料で引き取ってもらえますか?

多くの大手家電量販店(ビックカメラ・ヨドバシカメラ・ケーズデンキ・ヤマダ電機など)はJBRCの協力店舗として登録されており、使用済みのモバイルバッテリーを無料で回収しています。持ち込み方法や受付条件は店舗によって異なる場合があるため、事前に店舗に確認するか、JBRC公式サイトで協力店を確認してから持参するとスムーズです。

膨張したモバイルバッテリーはどうすればいいですか?

膨張したバッテリーは発火・爆発のリスクが高い状態です。絶対に自分で分解・穴開けしないでください。まずメーカーのサポートセンターか購入した販売店に相談しましょう。持ち運ぶ際は金属製の容器に入れ、熱・日光・衝撃を避けてください。通常の回収ボックスへの投入はほかの利用者への危険になるため避け、メーカー・販売店・自治体の専門窓口に相談することを強くお勧めします。

モバイルバッテリーを郵便・宅配便で送って処分できますか?

一般的な宅配便・郵便でリチウムイオン電池・モバイルバッテリーを単体で送ることは、航空危険物規制などにより原則として禁止されています。ただし、一部のメーカーや回収事業者が専用の安全梱包材と配送手続きを提供している「郵送回収サービス」は利用可能な場合があります。必ず各サービスの利用規約と荷物ルールを確認した上で利用してください。

古いモバイルバッテリーをメルカリなどで売ることはできますか?

フリマアプリでの中古モバイルバッテリーの売買は法律上禁止されているわけではありませんが、劣化した電池は発火リスクがあり、購入者に危険が及ぶ可能性があります。状態の良いものを正直に記載した上で出品する場合でも、発送時にはリチウム電池に関する各配送会社のルールを必ず確認してください。劣化・膨張が見られるバッテリーは販売せず、正しく廃棄することを強くお勧めします。

モバイルバッテリーを捨てずに長く使うコツはありますか?

いくつかの使い方の工夫でバッテリーの寿命を延ばすことができます。残量が0%になるまで使い切ることは避け、20〜80%の範囲で充電・使用することが理想的です。高温・直射日光の当たる場所での保管・充電はリチウムイオン電池の劣化を加速させます。長期間使わない場合は50%程度に充電してから冷暗所で保管しましょう。バッテリーを長く使うことはごみの削減と資源の節約にもつながります。

JBRCとはどんな団体ですか?

JBRC(一般社団法人JBRC)は、国内で充電式電池を製造・販売するメーカーが参加する業界団体で、使用済み充電式電池のリサイクルを推進しています。対象電池はニッカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池の3種類です。全国の家電量販店・ホームセンターなど約2万か所以上の協力店舗で無料回収を実施しており、回収された電池は金属資源として再利用されます。公式サイト(jbrc.com)の「協力店検索」から最寄りの回収場所を調べられます。

モバイルバッテリーを捨てないで再利用する方法はありますか?

まだ使える状態のモバイルバッテリーは、自治体のリユースショップへの寄付や、知人への譲渡などで再利用できます。一部の家電リサイクルショップでも状態の良いものは買い取りの対象になります。また、製品としての寿命が来たバッテリーでも、DIYや電気工作の素材として活用するコミュニティが存在しますが、安全な取り扱い知識が必要です。「まず使い切る→適切にリサイクル」の順番を意識することが、廃棄物を最小化するうえで最も重要です。

※掲載している情報は、2026年6月21日時点のものです。

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