再春館製薬所・NTT東日本・テクノーブルがアクアポニックス技術でオタネニンジンを栽培する共同実証を2026年6月開始。国外依存99%という現状を変え、輸送CO2削減と全草活用による持続可能な国内生産モデルの確立を目指す。

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株式会社再春館製薬所(熊本県上益城郡益城町)は、NTT東日本株式会社と株式会社テクノーブルと連携し、アクアポニックス技術(魚の養殖と植物の水耕栽培を組み合わせた循環型栽培システム)とICTを融合したオタネニンジン(高麗人参)のスマート栽培モデル確立を目指す共同実証実験を2026年6月より開始した。オタネニンジンの安定供給と新たな活用法の開拓、国外依存からの脱却と地球環境負荷の軽減、全草活用による高付加価値化を目指したプロジェクトだ。
再春館製薬所は植物を過酷な自然環境を生き抜くための「力強さ」を蓄えた生命体と定義し、植物の生存戦略を人間の自己回復力に活かす道を追求してきた。その象徴的な素材が、主力製品「ドモホルンリンクル」の原料にも使用される「長白参(ちょうはくじん)」だ。
長白参とは、中国・長白山の厳しい気候の中で7年もの歳月をかけて育ち、有用成分「ジンセノサイド」を豊富に蓄えた長白山産のオタネニンジン。再春館製薬所は約40年前よりその強靭さを余すことなく活用してきた。漢方の技法「修治」に倣った水抽出・油抽出・発酵後抽出・蒸気処理後抽出という4つの技法で異なるエキスを得ることにも成功。2019年の特許出願を経て、2026年には4領域において特許を取得している。
国内のオタネニンジン栽培は全盛期と比べて大きく減少し、長白参も含め中国・吉林省を中心とする海外産オタネニンジンへ約99%依存しているのが現状だ(農林水産省「薬用作物をめぐる事情」より)。
アクアポニックスによる栽培体制が確立できれば、国際輸送に伴うCO2排出量の大幅な削減が実現できる。また、国内で栽培した2年根を水耕栽培に移行してからはわずか数か月で収穫可能となる見込みで、従来の長白参と比べて非常に短期間での供給が実現する予定だ。持続可能な形で国産オタネニンジンを守り、高品質な素材を国内で安定的に供給する「循環型モデル」の確立を目指す。
①環境負荷の低減と期間短縮
再春館製薬所とテクノーブルが長年培ってきたオタネニンジンの成分分析技術や活用ノウハウに、NTT東日本のICT/IoTソリューションを掛け合わせる。土を使わず魚との共生による水循環(アクアポニックス)を活用した栽培で、大地への負荷を抑える次世代循環型農業の実証を進める。
②全草活用による新たな高付加価値化
完全無農薬かつ室内で環境制御された同オタネニンジンでは、根に加え葉・茎・実まで余すことなく活用する「全草活用」を推進。有用成分「ジンセノサイド」量の向上や、新たな機能性原料開発の可能性も探る。
NTT東日本の研究・共創拠点「NTTe-City Labo(NTT中央研修センタ)」(東京都調布市入間町1-44)内の一室を、アクアポニックス技術を活用したオタネニンジン栽培の実証スペース「Aquaponics Lab(アクアポニックスラボ)」として新たに整備。栽培における環境要因のデータ収集および分析を開始する。
栽培室内の温度・照度・水質などの環境データをセンサーで収集し、AIでデータの相関性を分析することでオタネニンジンに最適な環境を実現する。あわせてNTT東日本のDXソリューションを活用した栽培環境の自動化や省人化も検証していく。稼働後は実際の栽培風景とともに、次世代農業としてのアクアポニックスの取り組みの見学も可能だ。
再春館製薬所は本実証実験を通じて根・茎・葉の有効成分の可視化を進め、栽培したオタネニンジンの有用性評価を行う。初期段階として有用成分ジンセノサイド量の大幅な伸長が示唆される中、この持続可能な農法で得られる優れた素材を広く届けることを「自然とつながり、人とつながる明日を」という理念の実践として加速させていく。
問い合わせ先/株式会社再春館製薬所
https://www.saishunkan.co.jp/
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