B Corp™認証を運営する非営利団体B Labが設立20周年のインパクトレポートを公開した。現在105カ国・160業界で10,700社以上が認証取得し、B Corp™で働く従業員は100万人超。2100年までに気温上昇を0.5°C抑制できる可能性も示している。

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国際認証制度「B Corporation™」(B Corp™)を運営する非営利団体B Labは、B Corp™コミュニティの設立20周年に際して、2026年5月19日(火)にインパクトレポートを公開した。2006年、従来の評価基準とは異なるアプローチを選択した81社の先駆的な企業によって誕生したB Corp™ムーブメントは、今日では105カ国・160の業界にまたがり10,700社以上が認証を取得。B Corp™で働くワーカーは合計100万人以上に及ぶ。
2006年にB Corp™ムーブメントが始まった当時、企業が株主だけでなくステークホルダーの利益のために存在し得るという考えは、急進的なものだと見なされていた。それから20年が経ち、その主張は大規模な実証を経て法令にも反映されるようになっている。ベネフィット・コーポレーション法——株主至上主義を超えたパーパスを持つ企業のための法的な枠組みが、世界51の国と地域で導入されている。
今回発行の『20周年アニバーサリーインパクトレポート』に基づく調査では、20年にわたる実践が示してきたことを数値化している。現在のB Corpと同じペースですべての企業が環境・気候対策を実施すれば、2100年までに世界の気温上昇を0.5°C抑制でき、これはパリ協定に向けた重要な貢献となるとしている。
また、新型コロナウイルスの流行期間中、B Corp™の95%以上が事業を継続したのに対し、類似した他社では88%にとどまった。このデータは、ステークホルダー・ガバナンスが倫理的な選択であるだけでなく、戦略的な選択でもあることを裏付けているとしている。
B Corp™は事業の中核に「パーパス」を組み込むことで、経済的な逆風の中でも強靭性を築き上げ、売上高や従業員数の伸びにおいて同業他社を上回る成果を上げているとされている。
【構想から制度化へ(2006〜2011年)】
「Bインパクトアセスメント」によって宣言の原則が体系化される。初期の賛同者たちが実践を通じてそれらを体現し、メリーランド州は2010年にベネフィット・コーポレーション法を通じて法制化した。
【ひとつの国から世界へ(2011〜2016年)】
米国での小さなスタートから、ラテンアメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・ヨーロッパへと広がり37カ国に及んだ。ブラジルのNaturaは上場企業として初めてB Corp™認証を取得。
【理論から実践へ(2016〜2021年)】
B Corp™は70カ国で活動するようになり、台湾・韓国などが新たに加わった。日本でも2016年春に2社のB Corp™が誕生。新型コロナウイルスの流行後、不確実な状況下でB Corp™への申請件数は38%増加した。
【ニッチな存在から不可欠な存在へ(2021〜2026年)】
環境危機・社会危機が深刻化するにつれB Corp™モデルの重要性は否定できないものとなり、消費者・同業者・ビジネスリーダーから勝ち取った信頼をコレクティブ・アクションへと転換し始めた。
コレクティブ・アクションの事例として、90以上のB Corp™認証を取得した美容ブランドが加盟する「B Corp Beauty Coalition」がある。ツールや知識を共有し、政策変更に向けたロビー活動を行うこの連合は、2025年にブラジルで開催されたCOP30に対し、世界中のB Corpが共同署名した初の共同マニフェストを提出。気候変動に加え、自然の喪失・社会的不平等・ガバナンスにおける短期的思考への対応を政府や企業に求めた。
B Corp™の次の章の指針となる5つの戦略的優先事項:
・世界最高レベルの基準と信頼性の高い認証を通じてレベルを上げること
・意欲的で包摂的なグローバルコミュニティを維持・拡大すること
・地域や業界を越えたコレクティブアクションを深化させること
・ステークホルダー・ガバナンスを法制度に定着させるための提言活動をまとめあげること
・メインストリームのビジネスリーダー、政策立案者、投資家からの期待を再構築する新たな成功の物語を築き上げること
B Lab Board Chair(理事長) フランシーヌ・レモス
「B Corp™であることは日々のなかで、企業が影響を与えるステークホルダーを大切にすることを示しています。ステークホルダーとは、株主だけでなく、従業員、サプライヤー、顧客、コミュニティ、そして自然そのものです。このようなアプローチは、かつてないほど切実に求められています。今こそ、これを常識にしなければなりません。」
B Lab チーフ・スタンダード・オフィサー クレイ・ブラウン
「B Corp™ムーブメントの注目すべき点は、世界的な拡大だけではありません。それ以上に、この運動が象徴する『期待の変化』こそが重要なのです。20年前、企業が従業員や地域社会、そして地球に与える影響を測定することは、例外的な取り組みと見なされていました。しかし今日では、多くの人がそれを当然のことと期待しています。私たちの現在の課題は、その変化を加速させ、責任あるビジネスが、あらゆる場所で『良いビジネス』のあり方そのものとなるようにすることです。」
Natura(ブラジル)サステナビリティ・法務・コーポレートレピュテーション担当副社長 アナ・コスタ氏
「過去20年にわたり、B Corp™ムーブメントは、社会におけるビジネスの役割を再定義するよう世界に働きかけてきました。B Corp™であることは単なるラベルではなく、企業市民としての責任と再生への取り組みと切り離せないものであると信じています。」
Danone(フランス)CEO アントワーヌ・ド・サン=アフリック氏
「10年にわたる取り組みの末、グローバルの全ての関連会社でB Corp™認証を全面的に取得できたことは、Danoneにとって画期的な節目です。ビジネスが人々と地球にとって善の力となり得ることを示している何千もの企業と共に歩むことを誇りに思います。」
Triodos Bank(オランダ)CCO ヤッコ・ミナール氏
「B Corp™が認証基準を引き上げていることは極めて重要です。これにより、B Corp™は今後も灯台のような役割を果たし続け、自然と調和し、生活の質を向上させる経済へと私たちを導いてくれるでしょう。」
Tony's Chocolonely(オランダ)CEO ダグラス・ラモント氏
「B Corp™ムーブメントは、この20年以上にわたり、パーパス主導のビジネスが単に成立するだけでなく、実際に繁栄していることを証明してきました。」
King Arthur Baking Company(アメリカ)ソーシャル&環境インパクト担当副社長 スザンヌ・マクダウェル氏
「かつては反動的な動きと見なされていたものが、今ではますます当然のこととして期待されるようになっています。20年後には、企業が人と地球を優先するかどうかではなく、いかにしてそれを実現しているかが問われるようになることを願っています。」
Small Giants(オーストラリア)マネージング・ディレクター ダニー・アルマゴール氏
「持続可能なビジネスを当たり前にするためには、資本とビジネスの目的を再定義しなければなりません。それは、何かに『反対する』のではなく、何かに『賛同する』ための運動であり続けるということです。」
・20周年キャンペーン特設サイト:
https://www.bcorporation.net/en-us/twenty-anniversary-campaign/
・20周年アニバーサリーインパクトレポート:
https://infogram.com/1t9r3xvmw8m8gkb8oq1r9eq8m3sqvkrw16m
・20周年アニバーサリームービー:
YouTube
B Labは、すべての人々、地域社会、そして地球の利益のために世界経済を変革する非営利団体だ。経済システムの変革をリードするグローバルネットワークは、企業向けの基準・方針・ツール・プログラムを策定しており、その先頭に立つ企業を「B Corp™」として認証している。
B Market Builder Japanは、日本のB Corp™と共にムーブメントを主導し、「インクルーシブかつ公平で公正な経済」を目指すB Labの公式パートナー。世界経済を変革していくグローバルコミュニティの一員である日本のB Corpとそのコミュニティが、世界とのつながりを強化するために活動している。
問い合わせ先/B Market Builder Japan
https://bcorporation.jp/
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