日鉄興和不動産・SANU・JDSCの3社共同研究 多拠点生活がウェルビーイングに与える影響を解明へ

多拠点生活とウェルビーイング

日鉄興和不動産・SANU・JDSCの3社が、都市と自然を行き来する多拠点生活がウェルビーイングに及ぼす影響を科学的に解明する共同研究を開始した。初期分析では、SANU 2nd Home会員が宿泊先でリラックス・集中・内省などの充足傾向を示すことが明らかになった。

ELEMINIST Press

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2026.05.01
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国内でも類例が少ない「住まい×生活フィールド×AI・データ」の交差から生まれる知見

Future Style総研

日鉄興和不動産株式会社が運営する総合研究所「Future Style総研」、株式会社SANU、株式会社JDSCの3社は、都市と自然を行き来する多拠点生活がウェルビーイングに及ぼす影響とそのメカニズムを科学的に解明する共同研究を進めている。このたび、初期分析により多拠点生活が心身状態に与える影響の構造的な傾向が明らかになったとして、その結果を公表した。

研究の背景——多拠点生活は新たなライフスタイルとして拡大

働き方の柔軟化や価値観の多様化を背景に、都市住民の生活は単一拠点から複数拠点へと拡張しつつある。国土交通省の調査では都市住民の約3割が二地域居住に関心を示しており、多拠点生活は現役世代が自ら選ぶ新たなライフスタイルとして広がりを見せている。一方で、その心理的・生理的影響を構造的に捉えた研究は国内外において十分に体系化されていない。本研究は生活様式の変化を社会構造として捉え直し、次世代の住環境・都市設計に資する知見の創出を目的としている。「住まい × 生活フィールド × AI・データ分析」という3つの専門性が交わる、国内でも類例の少ない取り組みだ。

調査概要

項目内容
調査方法オンラインアンケート
対象者SANU 2nd Home会員196名、非会員218名
実施時期2025年12月
主な調査項目ウェルビーイングに関する価値観・大切にしたい時間、自宅および宿泊先での心身状態、多拠点に関わる原体験

初期分析から見えてきた主な示唆

1. SANU 2nd Home会員では、ウェルビーイングに関わる時間への期待水準が高い傾向

ウェルビーイングに関わる時間への期待水準―「極めて大切」と回答した割合の2群間比較―

図1.ウェルビーイングに関わる時間への期待水準―「極めて大切」と回答した割合の2群間比較―

両属性ともウェルビーイングに関わる時間を重視する傾向は共通して確認されたが、「極めて大切」と回答した割合に着目すると、SANU 2nd Home会員が非会員に比べ多くの項目で高値を示すことが明らかになった。特に「深いリラックス」「深い喜び」「対人関係」「楽しいことへの没頭」「趣味・余暇を満喫」「自由を実感」「自然の体感」などの項目で、期待水準の高さが確認された(複数項目で統計的有意差あり)。

2. 自宅と宿泊先で異なるウェルビーイングの充足構造

宿泊先では「深いリラックス」「自然を体感」「自由を実感」「仕事や学習への集中」「内省・洞察」といった項目で、SANU 2nd Home会員が非会員に比べ充足側に寄る傾向がみられた。一方、自宅では上記のほとんどの項目で非会員の方が充足側に寄る傾向がみられ、自宅でSANU 2nd Home会員の方が充足に寄る傾向がみられたのは「仕事や学習に集中」のみであることが明らかになった。

自宅・宿泊先における心身の充足状況の違い(2群間比較):

項目宿泊先で充足側に寄る傾向自宅で充足側に寄る傾向
深いリラックスSANU 2nd Home会員非会員
自然を体感SANU 2nd Home会員非会員
自由を実感SANU 2nd Home会員非会員
新しい体験・出会い非会員
仕事や学習に集中SANU 2nd Home会員SANU 2nd Home会員
内省・洞察SANU 2nd Home会員
※有意差が認められた場合のみ記載(Mann-Whitney U検定、有意水準 p<0.05、p<0.01、p<0.001)

結果から得られた示唆

今回の初期分析では、「多拠点生活」を「場」と「価値意識」の両者を視野に入れて解釈することの重要性が明らかになった。ウェルビーイングに対する期待水準の高い都市住民にとって、回復的な側面(リラックス・自然体感)に加え、認知的切り替えの場としての側面(集中・内省)の充足を促進させ、心身状態の調整・ウェルビーイング向上に寄与する可能性が示唆されたとしている。なお宿泊先が回復的要素だけでなく「集中」や「洞察・内省」といった認知的側面でも充足がみられたことから、都市生活から距離を置くことが注意の切り替えや自己調整を伴う状態変化に関与している可能性もうかがえるとしている。

今後の展開と知見の応用領域

本研究は複数フェーズで構成されており、今後は生体指標・行動・環境要因を組み合わせることで多拠点生活が心身に及ぼす影響の構造的理解をさらに深化させる。「どのような条件・頻度・場所の組み合わせがウェルビーイングを高めるか」という実践的な問いへの答えをデータから導き出すことを目指しており、2026年5月には学会での発表も予定されている。

得られる知見の応用領域:
・日鉄興和不動産:ウェルビーイングに資する住環境・拠点設計の指針、多拠点事業の推進
・SANU:「自然と共に生きる」ライフスタイルの意義を科学的に示すエビデンス構築、および滞在体験のパーソナライズ
・JDSC:行動ログ・生体データを活用した居住体験プラットフォームの高度化、不動産・住環境領域での企業・自治体との協業展開

3社の役割

組織役割
日鉄興和不動産 Future Style総研住まい・都市の将来像を見据えた研究統括
SANU多拠点生活の実践フィールドの提供、都市と自然を行き来するライフスタイルを歩む実践者との共創機会の創出
JDSCAI・データ分析によるエビデンス構築、独立した第三者視点からの分析設計と解釈

問い合わせ先/日鉄興和不動産株式会社 Future Style総研
https://futurestylesoken.jp/

※掲載している情報は、2026年5月1日時点のものです。

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