クボタ・東京ガスら、フィリピン水田のメタン削減JCMプロジェクトを本格事業化

クボタ、クレアトゥラ、東京ガスの3社が、フィリピンの水田由来メタン排出を削減する水管理手法「AWD」を活用したJCMプロジェクトを本格事業化。対象面積は農業分野の民間JCM最大規模となる約14,000haに拡大し、2029年には約40,000haを目指す。

ELEMINIST Press

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2026.03.08

稲作大国フィリピンの水田から、カーボンクレジットを生み出す

株式会社クボタ、クレアトゥラ株式会社、東京ガス株式会社の3社は、フィリピンの水田由来メタン排出を削減する水管理手法「AWD(間断灌漑)」を活用した二国間クレジット制度(JCM)プロジェクトを本格事業化フェーズへ移行することに合意した。2023年9月に実証事業として開始し、現在の対象面積は約14,000ha(2025年末時点)にまで拡大。農業分野における民間JCMプロジェクトとして最大規模となっている。

CO2の28倍の温室効果を持つメタン、水田が排出源に

JCMプロジェクト

メタンは二酸化炭素の28倍の温室効果を持ち、地球温暖化への寄与度はCO2に次いで大きい。稲作が盛んなフィリピンでは、全産業で排出される温室効果ガスの約20%が水田由来のメタンとされており、その削減は同国の気候変動対策において重要な課題だ。

AWDは、水稲の栽培期間中に水田の水を抜いて地表面を乾燥させた後、再び水を張るという操作を繰り返す水管理手法で、土壌中のメタン生成菌の活動を抑制する。これにより、水田由来のメタン排出量を平均45%、灌漑用水の使用量を最大30%削減できるとされている。

AWDの概要

AWDの概要

AIと衛星データで大規模化を実現、農家収益への還元も

本プロジェクトでは、クレアトゥラが開発したAI・衛星データ活用のデジタルMRVプラットフォーム「LynxAWD」を導入し、約10,000軒の農家が参加する大規模モニタリングを効率的に運用している。農家向けには、AWDの実施方法だけでなく、種子の選定や施肥管理、病害虫対策なども含む農業トレーニングを実施。さらに、カーボンクレジットによる収益の一部を現地農家へ還元するベネフィットシェアリングの仕組みも導入し、環境価値の創出と地域社会への貢献を両立している。

現在は第三者機関による検証の最終段階にあり、日比両国政府で構成するJCM合同委員会の承認を経て、農業分野初の民間JCMプロジェクトとして登録される見通しだ。3社は2029年までに対象面積を約40,000haへ拡大し、カーボンニュートラル社会の実現と持続可能な農業の普及に貢献していく。

問い合わせ先 株式会社クボタ/クレアトゥラ株式会社/東京ガス株式会社
https://www.creattura.com/news/260226

※掲載している情報は、2026年3月8日時点のものです。

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