花王株式会社がNEDO採択事業で、古紙や食品残渣などの未利用バイオマスをSAFやバイオ製品に変える「糖化酵素」の供給基盤構築に乗り出した。30年超の酵素技術を活かし、研究開発から製造設備設計まで一体的に推進する。

ELEMINIST Press
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花王株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「バイオものづくり革命推進事業」に採択された。古紙や食品残渣などの未利用バイオマスを活用し、持続可能な航空燃料(SAF)やバイオ製品の製造に不可欠な「糖化酵素」の研究開発と供給プラットフォームの構築を推進する。
「バイオものづくり革命推進事業」は、古紙やパルプ、食品残渣といった未利用バイオマス資源を原料に、微生物などの働きを通じて有用な化合物や製品を生み出すことを目的とした取り組みだ。
バイオエタノールやSAFの製造においては、バイオマスを分解して糖に変換する「糖化酵素」が不可欠とされる。しかし現状、国内で糖化酵素を安定的に供給できる体制は整っておらず、その整備が課題となっていた。
今回の採択を受け、花王は研究開発・生産技術・製造設備設計・ユーザー支援の4領域を一体的に進める。
まず、バイオマスの種類によって最適な酵素が異なるため、多様な糖化酵素の開発に取り組むとともに、酵素の働きを体系的に蓄積したデータベースを構築する。また、糖化酵素を生み出す微生物の改良や生産方法の開発も並行して行う。さらに、ユーザーの工場内で酵素を製造できる「オンサイト製造設備」の設計検討を進め、安定かつ効率的な活用を支援する。
花王は30年以上にわたり、洗剤に酵素を活用してきた実績を持ち、酵素の開発から生産に至る知見を蓄積してきた。2023年にはこれを活かしてケミカル事業部門でバイオ事業を本格始動。バイオエタノール製造用の糖化酵素や、発酵生産による没食子酸、バイオ製品製造工程を支えるプロセス薬剤の供給もすでに手がけている。
今回の事業で得られる知見は、今後のバイオ事業全体にも展開していく方針だ。廃棄されてきたバイオマス資源を価値ある製品へと転換するサプライチェーンの構築に向け、花王の取り組みが加速する。
お問い合わせ/花王株式会社
https://www.kao.com/jp/
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