一般社団法人Re-Creationは2月16日、東京・北青山のワールド北青山本社ビルにて、ファッション産業における環境・人権・透明性への取り組みを第三者評価で可視化する認証制度「Re-Creation」のメディア向けローンチ会を開催した。

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一般社団法人Re-Creationは2月16日、東京・北青山のワールド北青山本社ビルにて、ファッション産業における環境・人権・透明性への取り組みを第三者評価で可視化する認証制度「Re-Creation」のメディア向けローンチ会を開催した。
当日は、アパレル企業、素材メーカー、小売事業者のほか、みずほ銀行、環境省、国際認証機関から関係者やゲストが出席。認証申請企業の拡大や、原料・素材段階を対象とした新たな認証制度についても発表された。
Re-Creation代表理事の駒谷隆明氏
第一部では、代表理事の駒谷隆明氏が開会挨拶を行い、「我々は一つの共通言語を作っていき、製品の一つ一つの認証を正しく瞬時に生活者の方に届くようRe-Creationを設計しました」と、制度設計の意図を説明した。
CSO蟹江教授からのビデオレター
CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を務める慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の蟹江憲史氏はビデオレターで「この取り組みが定着していけば、必ず世界は変わっていくと思いますし、より持続可能な未来で豊かさを享受できる世界になると思います」とメッセージを寄せた。
専務理事・山下氏から事業紹介
専務理事の山下徹也氏は、Re-Creationの事業内容と将来ビジョンを発表。「Re-Creationは作る側の取り組みを可視化し、サステナブルであることが選ぶ理由になりたいという想いから認証制度を作りました。認証を作ることだけではなく、使われ続けることを価値としたい。そして、その選択が特別な選択ではない世界を目指したい」と語った。
理事を務めるみずほ銀行の足立龍生氏は「Re-Creationの普及によって、作り手の意識と金融機関のスタンスにも変化が出てくる可能性があると思っています」とコメントした。
会では、全世代を対象としたサステナブルファッションに関する意識調査の結果も共有された。
調査の結果、ファッション関心層は多い一方で「どれがサステナブルか分からない」ことが購買の最大の壁となり、企業の取り組みが十分伝わっていない現状が明らかになった。
また、価格上昇を受け入れる意向の高さや、サステナブルイメージにおける生活者と業界の認識ギャップも判明し、世代別に分かりやすい情報提供と選びやすい環境整備の重要性が示された。実際に認証を取得したURBAN RESEARCH社とEDWIN社の声も紹介され、生活者だけでなく、自社製品やサプライチェーンの気付き、社員の啓発にも貢献できていることが報告された。
基準評価委員・Control Union Japan 楠野氏
基準評価委員会を代表して、株式会社Control Union Japanの楠野充絵氏が登壇。Re-Creationの認証基準がどのように策定されてきたか、その過程と背景について説明した。
楠野氏は「信頼性と実効性の両立を目指すべく議論を重ねてまいりました。認証制度の基本構想から認知度の向上や導入企業が感じる課題などを整理し、今後の強化ポイントを共有しました」と述べた。国際的な認証基準との整合性を保ちながらも、日本のファッション産業の実情に即した独自の評価軸を設けている点が強調された。
コミュニケーション委員・メルカリ 山下氏
コミュニケーション委員会からは、株式会社メルカリのサステナビリティチームマネージャーの山下真智子氏が登壇。認証制度を生活者に届けるためのコミュニケーション戦略や、認証ラベルの認知拡大に向けた取り組みについて説明した。
山下氏は「作り手の想いを伝える、S to C(ステークホルダー TO コンシューマー)に舵を切ることで生活者の琴線に触れることを戦略としました」と語った。
学生トークセッションの様子(村上心さん・バーン杏雅愛さん)
第二部では、株式会社EDWINの細川氏による乾杯の挨拶の後、歓談の時間が設けられた。会場には認証取得商品の展示コーナーが設置され、参加者は商品を手に取りながら、認証ラベルやQRコードによる情報開示の仕組みを体験した。
サステナビリティを学ぶ慶應義塾大学所属の学生、バーン杏雅愛さんと村上心さんが登壇し、若い世代の視点からサステナブルファッションへの期待や課題について意見を述べた。
バーンさんは「やはり学生なので価格は気になるけれど、長く着れるかどうかは重視します」と率直な意見を語った。ファッション産業の課題を知ったことで、「大量生産をしている洋服のブランドで買うことは少なくなった」「通販で購入はしなくなった。本当に手に取ってみて、"欲しい"と思ったものを購入するようになった」と話した。
また、バーンさんは「洋服に込められたストーリー性は価格を上回る価値があると思います」、村上さんは「情報開示はすでに当たり前になっていて、その企業の取り組みやその進度を見ています」と、若い世代ならではの目線での洋服を購入する際の意識について語った。
Re-Creation認証取得のtakes.のTシャツを紹介するShinzone 廣瀬氏
会の終盤には、来場したファッションブランドの関係者からスピーチがあった。
Shinzoneの廣瀬氏は「"takes."という商品は、"人々を健康にしたい"という代表の強い想いから誕生した竹でできたTシャツです。認証をいただけたことで、サステナブルという説明がしやすくなりました」とコメント。
EZUMiの江角氏は「去年から"もったいない"に特化した、無料でお直しを行うリペアプロジェクトをしています。今後、Re-Creationとお取り組みができればと思っております」と述べた。
CFCLの松浦氏は「アパレル業界では、規模の大きさゆえに取り組みを推進する難しさもあります。今回の認証制度が各社にとっての道しるべとなって、業界全体でポジティブなアクションが増えていくといいな、と思っています」と語った。
終了後の交流時間には、アパレル企業、小売、金融機関、行政、学生など、多様なステークホルダーが活発に意見交換を行った。認証取得アイテム展示のブースでは、認証プロセスや商品についての質問が相次ぎ、QRコードを活用した情報開示や消費者への伝え方について実務的な議論も交わされた。
参加者からは「いろいろな業界が一緒に力を合わせて取り組んでいくべき領域だと思った」「認証制度の意義を再認識した」「今後Re-Creationさんとできることを探したい」といった声が聞かれた。約2時間にわたるローンチ会は盛況のうちに幕を閉じた。
・設立: 2024年5月
・代表理事: 駒谷隆明(伊藤忠ファッションシステム代表取締役社長)
・CSO: 蟹江憲史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
・専務理事: 山下徹也(伊藤忠ファッションシステム ifs未来研究所 所長代行)
・コンセプト: 「その一着で、世界をあたらしく。」
・事業内容: 生産から消費、リサイクルまでの過程を可視化する認証基準策定・審査
・認証取得企業: 株式会社アーバンリサーチ、株式会社エドウィン、株式会社シンゾーン、株式会社にしみ、株式会社kurkku alternative、株式会社ACT AS SECONDほか
お問い合わせ/一般社団法人Re-Creation
http://re-creation.or.jp
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