7月25日に発生したモーリシャス沖における日本貨物船座礁事故では、約1,000tの重油が海に流出していると言われる。この油除去に役立てるための油吸着材「マジックファイバー®︎」を現地に届けるための支援がクラウドファンディングサイト「Makuake」で開始されている。
ELEMINIST Press
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Photo by Xavier Coiffic on Unsplash
連日報道されている、モーリシャス沖における日本貨物船座礁のニュースを見て心を痛めている人も多いだろう。日本時間の7月25日、インド洋の美しい島国モーリシャスで、日本の商船三井の貨物船「WAKASHIO(わかしお)」が座礁した。
この座礁により、燃料用重油タンクが破損。約1,000t以上の重油が海に流れ出していると言われる。
個人でも何か支援できる先はないかと探している人も多いだろう。そうしたなか、モーリシャスの自然を守る手助けにつながるであろう製品をつくり、クラウドファンディングを始めた企業が、エム・テックス株式会社だ。
2015年に神奈川県で創業した同社は、油流出事故の際、油除去に使用できるマジックファイバー®︎を生産しており、モーリシャス沖復興のための支援をクラウドファンディングサイト「Makuake」にて募っている。
エム・テックス株式会社は、ナノファイバーという素材を研究開発し製品化する企業だ。2015年にナノファイバーの量産化に成功し、油吸着剤を製品化した。
2019年8月には九州北部を襲った記録的大雨によって発生した佐賀県大町町(おおまちちょう)の油流出事故で、マジックファイバー®︎油吸着剤を救援物資として約19万枚を提供した。
予想以上の早さで油を除去できたことが評価され、多くのメディアで取り上げられるなか、テレビ東京・WBS「トレンドたまご」の2019年間大賞も受賞した。
マジックファイバー®︎油吸着材の最大の特徴は、1枚20gという軽量で約1Lの油を吸着する圧倒的な吸着量だ。さらに油を吸った後に持ち上げても、油が垂れず吸着材のなかに保持される。
吸うのは油だけで水を吸わないことから水に沈まず、油を吸ったあとの回収が非常に楽であり、水面の油膜まで吸着し油を取り切ることが可能だ。災害時の早期復旧作業に大きく役立つ。
近年は水害が続くなか、油の流出事故が発生する可能性も非常に高まっている。
エムテック株式会社では、水害と油流出をセットとして捉え、油流出事故が起こった際に迅速に災害現場に届けることができるよう、備蓄用にマジックファイバー®︎油吸着剤を一定量ストックすることを目指している。
Makuakeでのクラウドファンディングは、2019年の救援物資提供で在庫が底をついてしまったことから、当初は日本国内で発生する油流出問題に対応するための支援募集を行っていた。
しかし今回のモーリシャス沖の事故を受け、集まった支援の活用先を急遽モーリシャス沖復興へ変えて募集を続けている。
現在すでにJICA(独立行政法人国際協力機構)の協力を得て、約1,000枚が現地に届けられた。今回の油回収に効果があるかどうか検証し、着々と支援の準備が進められている最中だ。
美しいモーリシャスの海を取り戻すのに数十年かかる可能性もあると言われるほど、被害は深刻だ。今回事故を起こしてしまった国の人間の1人として、そして同じ地球に暮らす地球人として、できる支援を考えてみてはいかがだろうか。
問い合わせ先/エム・テックス株式会社
https://www.mtechx.co.jp/jpn/
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