オンワードコーポレートデザイン、2025年のアップサイクル事例を公開　多様な連携でサステナブルなものづくりを推進

オンワードコーポレートデザイン、2025年のアップサイクル取り組みを発表

「一人ひとりの『はたらく、まなぶ、つかう』をエシカルに」をサステナビリティ方針に掲げ、サステナブル素材の企画提案や、環境・社会に配慮した取り組みを推進している株式会社オンワードコーポレートデザインは、同社が2025年に実施したアップサイクルの取り組み事例を公表した。

本来は廃棄されるはずの素材や製品に新たな付加価値を与え、別の新しい製品として再生することで、持続可能なものづくりを実現するアップサイクル。サステナビリティへの関心が高まる昨今、同社には企業に加え、学生や学校法人、医療法人などからもアップサイクルに関する問い合わせが増えているという。

2025年は、これまで以上に多様なサプライヤーと連携し、繊維から什器の表面材、フィルムからユニフォームを製作するなど、アップサイクルの手法や表現の幅が拡大した。

同社は廃棄物の量や素材特性を踏まえつつ、元の用途や背景にあった価値やストーリーを活かすことを重視。今後も単なる廃棄削減にとどまらず、情緒的価値を高めることで、取り組みの輪を広げていく考えだ。

2025年の主なアップサイクル事例

１．思い出の詰まった学生服を卒業記念品に【横浜創学館高等学校】

神奈川県横浜市の横浜創学館高等学校は、2023年４月に学生服をリニューアルした。これにより、2025年度の卒業生は、リニューアル前の学生服を着用する最後の学年となった。

これまで同校では、卒業生寄贈品としてパイプ椅子や時計などを採用してきたが、「歴史ある学生服を形として残したい」「ストーリー性のある寄贈品を製作したい」といった卒業生および学校側の要望を受け、オンワードとの連携による新たな取り組みを実施。

卒業生が３年間着用した学生服を回収し、アップサイクルによって学校生活の思い出を受け継ぐ寄贈品として再生。校内に設置する「校歌レリーフ」と「廊下の階数表示・トイレのサイン」を製作し、次世代へと歴史と記憶をつなぐ試みとなった。

２．リフォームで不要になったカーテンを新たな部屋の室名サインに【東京農業大学 第三高等学校】

埼玉県東松山市の東京農業大学第三高等学校との連携では、従来の「視聴覚室」を、生徒の主体的な学習を支援する空間「ラーニング・コモンズ」へと刷新するリニューアルを実施した。

今回の改修では、改修前の教室で使用され、廃棄予定となっていたカーテンに着目。これらを廃棄せずにアップサイクルし、新たに整備された「ラーニング・コモンズ」の室名サインとして再生した。

学習環境の機能向上に加え、環境配慮と既存資材の価値を活かす取り組みとしても注目されている。

３．部品製造工程で使用済みとなるフィルムをリサイクルした作業服を製作【TDK】

TDK株式会社とは、積層セラミックコンデンサの製造工程で使用済みとなるフィルムを再資源化し、そのリサイクル生地を用いた作業服（夏用上着）を製作した。

この取り組みでは、TDKが使用済みフィルムに特殊処理を施した後、東レ株式会社がリサイクル糸へと加工し、生地を生産。完成した生地を用いて作業服の製作を行った。製造工程で発生する素材を有効活用することで、環境負荷の低減と資源循環の促進を図る取り組みとして位置づけられている。

４．飛行機の廃シートカバーを再活用したパッチワーククッション【ANAホールディングス】

ANAホールディングス株式会社との共同アップサイクルの取り組み第２弾では、廃棄予定だった航空機のシートカバーを活用した「ANA特製パッチワーククッション」が製作された。

この取り組みでは、第１弾として実施したルームシューズ製作の工程で、シートカバーから型を抜いた後に残った端切れ素材が再利用されている。複数の生地を組み合わせたパッチワーク仕様のクッションとして新たな価値を与えた。さらにクッションの裏地には、普通席とプレミアムシートを仕切るために客室ギャレーで使用されていたカーテンを採用している。

お問い合わせ先／株式会社オンワードコーポレートデザイン
https://onward-cd.co.jp/