株式会社アシックスは、成城学園初等学校と共同で、小学2年生を対象としたSDGs特別教育プログラム「ASICS CIRCULAR LAB for KIDS 〜ちいさな"えいゆう"とつくる、まわる、みらいのスポーツ〜」を11月17日に開催した。その様子をレポート形式でお届けする。

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株式会社アシックスは、成城学園初等学校にて、小学2年生を対象としたSDGs特別教育プログラム「ASICS CIRCULAR LAB for KIDS 〜ちいさな"えいゆう"とつくる、まわる、みらいのスポーツ〜」を11月17日(月)に開催した。
「健全な身体に健全な精神があれかし」という創業哲学のもと、スポーツを通じて人々の心身の健康を支えてきたアシックスは、近年、地球環境への貢献を重要な経営課題ととらえ、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に注力している。
同企画は、子どもには難しく感じられがちであるサーキュラーエコノミーを、遊びを通じて学ぶことのできるSDGs教育事例として位置づけ、アシックスの技術や思想を次世代の担い手たちに体感してもらうことを目的に実施された。なお、参加したのは、成城学園初等学校の小学2年生35名である。
プログラムは、グラウンドで実施された「サーキュラー・バルーン・チャレンジ」からスタートした。児童たちは5チームにわかれ、“地面に落とすとごみになってしまう”という設定で、5つの風船を、スタートからゴールまで落とさずに運ぶレクリエーションに挑戦した。
チャレンジが始まると、児童たちからは「気をつけて!」「落としたらごみになっちゃうよ!」といった声が上がり、夢中で風船を追いかけながら互いを自然にサポートし合う姿が見られた。
運動後にはスポーツトレーナーとのコール&レスポンスが行われ、多くの児童が「体を動かすのが楽しかった」と笑顔で応じた。また、「いらなくなったものをごみにせず、別のものに生まれ変わらせることはよいことだと思うか」との問いには、ほぼ全員が大きくうなずき、「◯」を掲げた。
こうした一連の体験を通じて、児童たちは「ごみを出さないためには、一人で頑張るのではなく、みんなで助け合うことが大切だ」というサーキュラーエコノミーの根幹にある協力の価値を、遊びを通して体感したようだ。
VTR出演した田中理恵氏
グラウンドでの活動を終え、多目的ホール「つながるーむ」へ。ここでは、同校の保護者代表で元体操選手の田中理恵氏がVTRで登場し、「履けなくなった子どもの靴を捨てるのはもったいない。この企画は親の思いを叶えてくれる」と語り、取り組みの意義を強調した。
アシックス サーキュラーエコノミー推進部の奥津翼氏
続いて、アシックス サーキュラーエコノミー推進部の奥津翼氏が紙芝居で、古くなったシューズが「サーキュラー・チェンジの魔法」によって“資源のかけら”へと生まれ変わる物語を紹介。難しい概念をわかりやすく伝える演出に、児童たちは集中して聞き入っていた。
アシックス サーキュラーエコノミー推進部の村岡秀俊部長
さらに、同部の村岡秀俊部長が登壇し、欧州限定で発売された「NEOCURVE」を紹介。廃棄予定のシューズを粉砕した素材を見せると、児童たちは「これが靴?」と驚きを見せ、興味津々の様子だった。
また、同素材を使ったカリモク家具との協業による「フカフカのソファ」も展示され、児童たちは触れながら「気持ちいい!」と歓声を上げた。
児童たちは、ごみを減らす意義以上に、“素材が変化する面白さ”に強い関心を寄せており、実物に触れる体験を通して循環の概念への理解を深めている様子がうかがえた。
その後児童たちは、未来のごみゼロ・アイデアを発明するワークショップに挑戦。廃棄予定のシューズを分解・粉砕して生まれた素材「変身の素」を使い、どのような製品に生まれ変わるか自由に発想し、画用紙いっぱいにアイデアを描き出した。
「ふわふわしているからぬいぐるみに」「家の壁材に使えるかも」「スマホカバーにできそう」といった声が上がり、チームごとに多彩な案が続々と登場した。
子どもたちがアイデアを描き出した画用紙
カリモク家具との事例から連想したソファや枕、ベッドのほか、食品サンプル、ゲーム機器のカバー、縄跳びなど、素材の特性を生かした発想が広がった。さらに「ひげの仮装に使える」といった、子どもならではのユニークな提案も飛び出し、周囲からは「それおもしろい!」と笑顔がこぼれた。
各チームの画用紙はカラフルな線やメモで埋まり、「これはどう?」「もっとこんなのつくれそう」と意見を交わしながら、新たな使い道を探る姿も見られた。
最後の発表では、児童たちが照れながらも堂々と自分の案を説明し、楽しみながら“ごみを出さずに循環させる”というサーキュラーな視点を学ぶ時間となった。
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