ブルーボトルコーヒーがカーボンニュートラル達成 より本質的な取り組みをコーヒーの原産地で展開

ブルーボトルコーヒーが2024年にカーボンニュートラルを達成。バリューチェーン全体で環境再生型農業や多様なコーヒー品種の導入など、持続可能な未来に向けた新たな取り組みを発表した。

ELEMINIST Press

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2025.10.16

ブルーボトルコーヒー、カーボンニュートラルを達成

ブルーボトルコーヒーは、2024年1月から12月の1年間においてカーボンニュートラルを達成したと発表した。 この成果は、2018年を基準年とし、温室効果ガス(GHG)の排出原単位を18%削減したことに加え、 残存する排出量を高品質なカーボン除去クレジットで相殺することで実現された。

CEOのカール・ストロヴィンク氏は「この達成は節目であり、次なるステップへの責務でもある」と語り、 今後は環境再生型農業の支援や気候変動に強いコーヒー品種の普及に注力する方針を示している。

環境負荷削減のための具体的な取り組み

グリーンコーヒー(生豆)の調達改善

コーヒーの主要原料であるグリーンコーヒー(生豆)は、温室効果ガスの排出源として大きな割合を占める。 調達方法を見直し、このカテゴリーにおける排出原単位を20%削減することに成功した。

乳製品の見直しと植物性ミルクの導入

カフェで提供するミルクを植物性ミルクに切り替え、追加料金なしで提供することで、 牛乳由来の排出量を16%削減。スペシャルティコーヒーチェーンとしては先駆的な取り組みである。

再生可能エネルギーの活用

米国、中国本土、香港の店舗では再生可能エネルギーを積極的に導入。 これにより、電力使用における排出原単位を66%削減した。

リモートワークによる通勤排出の削減

米国ではリモートワークやハイブリッド勤務体制を導入し、 通勤に伴う排出原単位を8%削減。働き方の見直しが環境負荷の軽減にもつながっている。

廃棄物管理の徹底

コンポスト化、リサイクル、エネルギー回収の取り組みにより、 2024年には廃棄物に関する排出を実質的にゼロ以下に抑えることに成功した。

次なるステップとしての環境再生型農業と品種多様化への挑戦

環境再生型農業の推進と地域連携

サステナビリティ分野のコンサルタントや主要サプライヤーと連携し、 地域特性に応じた環境再生型農業への移行計画を策定。 最初の取り組みは2026年にペルー南部で開始予定で、土壌の健全性回復や炭素隔離能力の向上、 生産者の生活賃金の実現を目指している。

気候適応型コーヒー品種の開発

World Coffee Research(WCR)のF1ハイブリッド・プログラムに参画。 気候変動に強く、生産性の高い次世代アラビカ種の開発を支援している。

アラビカ種以外の品種への注目

2025年には「Blue Bottle Studio」アジアツアーを実施。 リベリカ、エクセルサ、ロブスタといったアラビカ以外の品種を使った特別メニューを展開する。 また、2023年には初のロブスタブレンドをリリースし、スペシャルティコーヒーの概念に新たな視点を加えた。 これにより、より多様で持続可能なコーヒー供給体制の構築を目指している。

お問い合わせ/Blue Bottle Coffee Japan合同会社
https://store.bluebottlecoffee.jp/

※掲載している情報は、2025年10月16日時点のものです。

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