オフグリッドの暮らしを見据えた“空気から水をつくる”新技術 キヤノンMJとFREEが水循環型住宅の実証実験を開始

水循環型ソリューションを設置した家の中 写真

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、株式会社FREEと協業し、水の自給自足を実現する「水循環型ソリューション」の実証実験を岐阜県土岐市で開始した。両社は災害やインフラ停止時でも生活に必要な水を確保できる「レジリエント住宅」のモデル確立を目指すという。

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2025.09.29

キヤノンMJとFREEが空気製水機を活用した「水循環型ソリューション」の実証実験をスタート

水循環型ソリューションを設置した家の中 写真

水循環型ソリューションを設置した家の中

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、空気から飲料水を生成する装置を開発・展開する株式会社FREEと協業し、水の自給自足を実現する「水循環型ソリューション」の実証実験を岐阜県土岐市で開始した。

なお実験は2025年9月から2026年3月まで実施予定。災害やインフラ停止時でも生活に必要な水を確保できる「レジリエント住宅」のモデル確立を目指すという。

水循環型ソリューションの仕組み 図

水循環型ソリューションの仕組み

実験では、FREEが開発した、空気中の水分を取り込み、独自のフィルターと殺菌処理を施すことで、安全な飲料水として利用可能にする空気製水機「POTORI(ポトリ)」を戸建住宅に設置。太陽光発電システムおよび蓄電池と組み合わせ、上下水道や電力インフラに依存しない完全自律型の生活インフラを構築する。

生成された水は家庭内で使用された後、浄化装置を通して再び利用可能な状態に戻される。雨水や生活排水も循環システムに取り込まれ、限られた資源を最大限活用する仕組みだ。

このようなオフグリッド型のシステムは、自然災害が多発する日本において、防災性を高めるだけでなく、環境負荷の低減や持続可能な生活の実現にも貢献すると期待されている。

とくに、地震や台風などによって水道や電力が断たれた際、現地で飲料水を確保できる点は、ライフラインの回復に時間を要する被災地で大きな意義を持つ。

キヤノンMJは今回の取り組みを、単なる製品提供にとどまらず、災害耐性や環境対応を見据えた「未来の暮らし方」の提案と位置づけている。同社のマーケティング力とFREEの技術力をかけ合わせ、水資源を自ら生み出し、循環させるライフスタイルの普及を目指す。

「水循環型モジュール」の主な想定ユースケース

災害時の飲料水確保
上下水道が使えない状況においても、現地で安全な飲料水を確保できる。断水時や避難生活でも、生活に必要な水を自給可能。
インフラ未整備地域での水源確保
水道インフラが整っていない地域でも、空気から水をつくり、生活用水や飲料水として利用可能。これによって、安定した水の供給が難しい場所でも、安心して暮らすことができるようになる。
持続可能な水利用の実現
日常生活で使った水をきれいにし再利用することで、水資源の有効活用と環境負荷の低減を図る。新しい水の循環利用により、持続可能な暮らしが実現できる。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
http://canon.jp/

※掲載している情報は、2025年9月29日時点のものです。

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