“川と人のつながり”に光を当てる パタゴニアが「ヘルシー・ウォーターズ」キャンペーンをスタート

ヘルシー・ウォーターズ・キャンペーン キービジュアル

アウトドアブランドのpatagonia(パタゴニア)は、7月21日(月)から8月31日(日)まで「ヘルシー・ウォーターズ」キャンペーンを実施する。期間中は、日本全国で進められている地域に根ざした3つの活動を紹介するほか、特別映像作品の上映イベントも行われる。

ELEMINIST Press

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2025.07.10

パタゴニアが「ヘルシー・ウォーターズ」キャンペーンを実施 地域に根ざした3つの活動事例を紹介

ヘルシー・ウォーターズ・キャンペーン キービジュアル

アウトドア企業のパタゴニア・インターナショナル・インクは、健全な河川の重要性を広く伝えることを目的として、「海の日」である7月21日(月)から8月31日(日)まで、「ヘルシー・ウォーターズ」キャンペーンを実施する。

期間中は、日本全国で推し進められている地域に根ざした3つの活動事例を紹介しながら、それぞれの「ヘルシー・ウォーターズとは何か」を考える機会を創出し、豊かな河川環境の再生に向けた対話を深めていく。

同キャンペーンの焦点となるのは、野生の川と自由に流れる水がもつ、生命を育む重要な役割だ。これらの役割は、炭素の隔離や温室効果ガスの抑制、気温・水温の調整、水の循環整備、生物多様性の保護や自然回復力の育成など、多岐にわたる。

日本の健全な川を取り戻すための3つの地域事例

1.【北海道 道南・朱太川水系】ダムのスリット化や撤去による河川環境の回復

北海道 道南・朱太川水系の航空写真

Photo by Whole Universe Association

北海道の道南エリアでは、長年にわたり、サケ・マス類の遡上(そじょう)を妨げてきたダムの改修や撤去が進められている。地域住民と行政の地道な協力により、多くのダムに手が加えられ、サケの漁獲量が過去最高を記録するなど、目覚ましい成果を出している。

また、黒松内町は、パタゴニアと「包括事業連携協定」を結び、ダム撤去に向けたアクションを始めている。「朱太川(しゅぶとがわ)」の自由な流れを取り戻すことで、下流域への土砂供給や、サケ・マス類資源量の増加による健全な河川環境の回復に貢献することが期待できる。

2.【熊本・球磨川】豊かで災害に強い球磨川流域の再生

熊本・球磨川の写真

Photo by つる詳子

令和2年に発生した「球磨川(くまがわ)豪雨」で甚大な被害を受けた球磨川流域では、地域団体「チームドラゴン」と「豊かな球磨川をとりもどす会」が連携し、現状把握に奔走している。

また、壊れない道づくりが特徴の「自伐型林業」に着目し、関心ある個人や自治体との活動を行っている。

さらに、森林の回復は土壌流出の抑制と水害軽減に不可欠なため、住民それぞれが参画できる仕組みをつくることで、ダムだけに重点をおくのではなく、防災・減災対策にもつながることを目指している。

3.【仙台・広瀬川】市民の川でありつづけるため、サクラマスを指標に河川環境を改善

仙台・広瀬川の写真

Photo by GARDEN of RIVER, SENDAI project

宮城県仙台市のシンボルである「広瀬川(ひろせがわ)」は、都市部にありながら、サクラマスが遡上する貴重な河川である。

近年、「砂防ダム」や気候変動の影響により、サクラマスの遡上数が減少傾向にあるなか、「NPO法人水・環境ネット東北」をはじめとする市民団体が、魚道の整備や産卵床の造成など、継続的な活動を行っている。

サクラマスを指標とした河川環境の改善を通じて、大都市圏における生物多様性の回復と保全、そして身近な「市民の川」であり続けることを目指している。

個人が参加できるアクション

道南・朱太川水系

「朱太川 マスの未来地図 ~市民参加型環境モニタリング調査~」に参加し、サクラマスの産卵状況の調査などを通じて、砂防堰堤の影響や現在の環境情報を収集する活動に参加できる。

熊本・球磨川

災害に負けない森とはどのような森なのかを知り、流域に暮らす住民たちや林業者とともに、壊れない道づくりや散策コースづくりを行う「森づくり」に参加できる。

仙台・広瀬川

「NPO法人水・環境ネット東北」が主催する魚道整備、一斉清掃、生き物調査、観察会などに参加することで、「市民の川」こと広瀬川について知り、体験し、水環境の保全と回復に貢献できる。

ヘルシー・ウォーターズ・イベント

サクラマスのラストワルツ ポスタービジュアル

期間中は、「ヘルシー・ウォーターズ」に関連した上映イベントも開催される。パタゴニア・フィルムズが誇る美しい映像や、ドキュメンタリー映画『ミルクの中のイワナ』で知られる坂本麻人監督の新作映画や短編作品などが、全国の会場で上映される。

さらに、それぞれの地域で川に寄り添う取り組みを行うゲストによるトークイベントも実施される予定だ。

お問い合わせ/パタゴニア日本支社
http://www.patagonia.jp

※掲載している情報は、2025年7月10日時点のものです。

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