気候変動対策として廃棄物の削減や資源循環の促進に取り組んできた株式会社星野リゾートは、王子ホールディングス株式会社との共同で、使用済み紙製ハンドタオルから「nepiaハンドタオル」への日本初となる水平リサイクルを、6月1日(日)より開始した。
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国内外に71施設を展開する星野リゾート株式会社は、王子ホールディングス株式会社・王子ネピア株式会社と共同で、使用済み紙製ハンドタオルから「nepiaハンドタオル」への日本初となる水平リサイクルを、6月1日(日)より開始した。
星野リゾートはこれまでにも、廃棄物の削減や資源循環の促進といった、気候変動対策に取り組んできた。
1992年から環境経営をスタートし、2011年には、同社の軽井沢事業所が、廃棄物の再資源化100%を目指す「ゼロエミッション」を、ホテル業界としては初めて達成した。
さらに、2024年7月からは、王子ホールディングスと共同で、「星野温泉トンボの湯」の使用済み紙コップを回収し、「nepiaハンドタオル」に再生させる活動を推進。
今回、より効率的な資源循環を促し、さらなる環境負荷低減をいつ元するべく、使用済み紙製ハンドタオルを新たなハンドタオルへと生まれ変わらせる「水平リサイクル」が開始した。
水平リサイクルとは、廃棄された製品を別のものにつくり変えるのではなく、同じ種類の製品へと生まれ変わらせて利用すること。これまで進んできた「量」に着目したリサイクルの取り組みに加え、「質」にも着目した資源循環の利用促進と高度化を図る観点から、水平リサイクルは注目を浴びている。
紙製ハンドタオルは、水を吸っても破れないよう紙に強度をもたせていることから、溶解性が悪いことに加え、使用済み品には汚れやにおいの問題もあり、リサイクルは難しいとされていた。また、これまでは回収ルートが存在しなかったため、焼却処分されることが一般的であった。
王子ホールディングスは、王子ネピアの協力工場にて、独自の技術によって溶解性を向上させ、効率的に繊維分(パルプ)を回収・再製品化することに成功。これにより、使用済み紙製ハンドタオルを、再び「nepiaハンドタオル」として再生させる水平リサイクルが可能となった。
星野リゾートの系列施設のなかでも、比較的使用済み紙製ハンドタオルの排出量の多い「星のや軽井沢」「軽井沢ホテルブレストンコート」「軽井沢星野エリア 村民食堂」「リゾナーレ八ヶ岳」の4施設が、同取り組みへの協業をスタート。トイレや洗面所、レストランの厨房など、従業員が利用する手洗い場に、専用の回収ボックスを設置した。
また、星野リゾートと王子ホールディングスは、かねてより日用品や消耗品を納品していた株式会社ツチハシと連携し、既存の物流網を活用した回収・納品ルートを構築。これによって、新たな輸送の手間やコストをかけず、CO2排出量も抑えることができるという。
今年1月15日から2月14日までをテスト期間として、期間中に4施設から回収された使用済み紙製ハンドタオルは58.3kgにもなった。これは年間およそ700kgに相当し、nepiaハンドタオルに換算すると、年間2,917パック(1パック200枚入り)の再製品化が見込まれる。
なお、今後、再生されたnepiaハンドタオルは前述の4施設で利用される予定だ。
お問い合わせ先/星野リゾート
https://hoshinoresorts.com/jp/
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