2025年6月18日(水)〜20日(金)の3日間、アジア最大級のエネルギーイベント「ジャパン・エネルギー・サミット2025」が、東京ビッグサイトにて開催される。国内外の業界のキーパーソンが一堂に会し、エネルギーの未来について考える。1万人規模の来場者と70社以上の出展を見込む、業界きってのビッグイベントだ。
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「ジャパン・エネルギー・サミット(JESE)」とは、国内外のエネルギー業界のリーダーや投資家、イノベーターが一堂に会する国際展示会。既存のエネルギーへの依存を抜け出し、次世代のエネルギーシステムを模索する「エネルギー転換」の未来を推進するうえで、大きな影響力をもたらす場といえる。
ジャパン・エネルギー・サミットの開催は、今回で7回目。2025年2月18日に日本政府によって「第7次エネルギー計画」が閣議決定されたが、直後の開催である今回は、とくに「エネルギー安全保障」と「持続可能性」の2つの課題にフォーカスする。クリーンエネルギーの導入や国際連携の強化などの具体的な施策について議論し、深掘りしていく。
最終日の6月20日には、経済産業省(METI)と国際エネルギー機関(IEA)共催のLNG産消会議 2025(LNGPCC)が同会場で開催され、天然ガス・LNG 市場の将来や政策枠組み、投資戦略に関する対話が行われる。
主催企業は、「Gastech」や「Global Energy Show」など、世界的な主要エネルギーイベントを開催してきた「dmg:: events(ディーエムジー・イベンツ)」。開催を通じて、エネルギー業界における主要課題である「エネルギー安全保障」「経済成長」「脱炭素化」をサポートする。急速に変化するエネルギー情勢に対応するための議論の場の提供や、投資機会の創出も目的のひとつだ。
本サミットのホストスポンサーは、東京ガスおよびJERA。登壇者は、Shell Plc CEOのワエル・サワン氏、川崎重工業 取締役会長の金花 芳則氏など、総勢200名以上にのぼり、出展企業は70社以上になる。
ジャパン・エネルギー・サミット2025は、エネルギー業界の将来を方向づける協議を行う「ストラテジー・カンファレンス」をはじめ、急速に変化するエネルギー市場の最前線がわかるさまざまなプログラムで構成される。2025年の見どころをいくつか紹介しよう。
ストラテジー・カンファレンスは、エネルギーの未来に欠かせないトピックについて、ハイレベルな協議や政策決定セッションを行う場。業界のキーパーソンや政府・官公庁関係者など、総勢200名以上のスピーカーが登壇し、深い議論を繰り広げる予定だ。
カンファレンスの主要テーマ
・エネルギー安全保障とLNG供給の安定性
・水素・アンモニア市場の成長戦略
・カーボンプライシングと排出量取引制度
・エネルギー転換に向けた資金調達
基調講演のほか、専門家パネルディスカッション、詳細なケーススタディなどを盛り込んだ綿密な構成で、エネルギー転換における重要課題に対して実践的な知見を得られる内容だ。
例えば、CEOによるパネルディスカッションでは「未来の確保 〜エネルギー部門の持続可能な成長へのビジョン」と題して、エネルギーの持続可能な成長を目指すためのテクノロジーやフレームワーク、投資機会について議論する。
ほかにも、グリーン製品市場における日本の取り組みを学ぶ「グリーン製品市場の構築 〜持続可能なGX経済への日本の道筋〜」、[アンモニア利用の拡大に向けた協力と脱炭素目標の推進」など、最新の業界動向を理解するアジェンダが満載だ。
持続可能性が重視される現代、未来に適応したい企業や、新たなビジネス戦略を模索したい企業にとっては、またとない機会だろう。
ストラテジー・サミットと同時開催のテクニカル・カンファレンスでは、各分野を代表する専門家が最先端の技術革新や実践的ソリューションを紹介する。
主要な分野
・水素&アンモニア
・エネルギー移行と脱炭素化
・再生可能エネルギーと燃料
・気候テック
・輸送、貯蔵、インフラ
登壇者は、厳格な選考プロセスを経て選出された、選りすぐりのエキスパートばかり。エンジニアや研究者本人から、エネルギー改革最前線の話を聞ける、特別な機会だ。
エネルギーの未来を牽引する新しい志が集う「クライメートテック」ゾーンでは、新しい発想や概念に触れられる。「クライメートテック・シアター」「エネルギー・イノベーター・チャレンジ」の2つにわけられ、それぞれで専門分野におけるソリューションを模索する。学生や若手起業家の活躍を感じられる、活気あふれるエリアだ。
・クライメートテック・シアター
展示会内の専用ステージで、専門家によるパネルセッションを実施。学生や若手プロフェッショナル、起業家などが集う。ネットゼロ実現に向けたアイデアや技術革新を探求できる。
・エネルギー・イノベーション・チャレンジ
学生や若手起業家などを対象としたコンペティションの場。エネルギー業界が抱える課題を解決するための、新たな提案が行われる。
エネルギー業界に特化した総合展示エリアは、日本のエネルギー転換を支える技術や、革新的なサービスに触れられる絶好のチャンス。70社を超えるエネルギー関連企業が集い、自社の取り組みを発信する。業界のキーパーソンや業界関係者、一般参加者など、多くの人々が行き交い、情報交換が行われる予定だ。ビジネスチャンスの獲得や、ネットワーク構築の機会にもなり得るだろう。
日本を取り巻くエネルギー情勢は、数年単位で大きく変化している。現に、2021年10月に「第6次エネルギー計画」が策定されてから、先日「第7次エネルギー計画」が閣議決定されるまでの3年間余りの間だけでも、今後の未来を揺るがしかねない動きが多々あった。ウクライナ侵略を受けてのエネルギー安全保障要請の高まり、DXやGXの進展に伴う電力需要の増加などが一例だ。
こうした状況に対応するには、カーボンニュートラル実現に向けた野心的な目標を念頭に置いたうえで、現実的かつ、多様な取り組みを考え、実行する必要がある。
ジャパン・エネルギー・サミット2025は、3日間にわたって、エネルギー業界の最新動向に触れ、知見を深められる絶好のチャンスだ。業界のキーパーソンたちと直接意見交換を行う機会は、企業のビジネス戦略を最適化するためのヒントにもなるだろう。
展示会場は、ビジターパスに登録すれば、無料で入場できる。イベント概要は、以下をチェックしてほしい。
日時:2025年6月18日(水)~ 20日(金)10:00〜17:00
会場:東京ビッグサイト 東ホール7
〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1
公式サイト:www.japanenergyevent.com/ja/
内容:LNG・ガス、水素、アンモニア、再生可能エネルギー、港湾、海運事業者など、エネルギーの未来に関連する幅広い層が参加予定。展示会場に入場できる「ビジターパス」は、無料で申し込みが可能。カンファレンスセミナーでより深い知見に触れるには、参加登録が必須。
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