サステナブルな旅行へのニーズが増加傾向に 「サステナブル&トラベル」に関する調査結果

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世界最大級のデジタルトラベルプラットフォーマー「Booking.com(ブッキング・ドットコム)」は、世界の34の国と地域における32,000人以上の旅行者を対象として実施した「サステナブル&トラベル」に関する調査の結果を、5月16日(金)に発表した。

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2025.05.23
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2025年版「サステナブル&トラベル」に関する調査結果を発表

宿泊施設やフライト、レンタカー、旅行体験を提供する世界最大級のデジタルトラベルプラットフォーマー「Booking.com(ブッキング・ドットコム)」は、世界の34の国と地域における32,000人以上の旅行者を対象として実施した「サステナブル&トラベル」に関する調査の結果を、5月16日(金)に発表した。

都市旅行のイメージ写真

同調査は、今年で開始から10年目を迎えた。2025年版となる今回は、観光が目的地に与える影響についての議論が高まるなかで、回答者自身の旅行スタイルだけでなく、回答者が居住する地域を訪れるインバウンド観光客へどう感じているかについての調査も行われた。

観光客としての視点でだけでなく、観光客を迎え入れる立場としての視点も包括することにより、観光の利点と課題についてより多角的に洞察されている。

調査方法

対象:
世界34の国と地域の32,000名の回答者
(内訳:アメリカ1,000名、カナダ1,000名、メキシコ1,000名、コロンビア1,000名、ブラジル1,000名、アルゼンチン1,000名、オーストラリア1,000名、ニュージーランド500名、スペイン1,000名、イタリア1,000名、フランス1,000名、スイス500名、イギリス1,000名、アイルランド1,000名、ドイツ1,000名、オランダ1,000名、ベルギー1,000名、デンマーク1,000名、スウェーデン1,000名、クロアチア1,000名、UAE500名、インド1,000名、中国1,000名、香港1,000名、タイ1,000名、シンガポール1,000名、台湾1,000 名、ベトナム1,000 名、インドネシア1,000 名、フィリピン1,000名、韓国1,000名、日本1,000名、南アフリカ1,000名、ケニア500名)
回答者条件:
18歳以上であること、直近12ヶ月に1回以上旅行をしたこと、2025年に旅行を計画していること、旅行に関する意思決定を行う立場にあるか、または意思決定に関与していること。
調査方法:オンライン
実施日:2025年1月

調査結果

よりサステナブルな旅行を望む潮流に

よりサステナブルに旅行することが重要だと回答した人のグラフ

調査の結果、世界の旅行者の84%(日本の旅行者69%)は、「よりサステナブルに旅行することが重要だ」と回答した。この10年の間の調査結果を振り返ると、多くの人にとって、旅行を計画する際にこの点の優先順位が上がっているようだ。

2016年には「前よりもサステナブルに旅行したと思う」と回答したのは、世界の旅行者のうち42%(日本の旅行者25%)と半数を下回っていたが、2025年には世界の旅行者93%(日本の旅行者85%) が「旅行に関してよりサステナブルな選択をしたい」と考えており、実際にある程度そうしたと回答している。

旅行に関してよりサステナブルな選択をしたいと回答した人のグラフ

また、この10年間にわたり、旅行者が現地の観光地やコミュニティ、生態系にとってプラスになると考える事柄において、意識の高さや嗜好、優先順位に変化が生じていた。

5年前の2020年には「宿泊施設にいないときにエアコンやヒーターをオフにする」と回答した世界の旅行者は43%(日本の旅行者27%)であったが、2023年には67%(日本の旅行者46%)に増加。旅行中のエネルギー消費の削減や、環境への配慮を心がけていることがわかった。

旅行がもたらす地域経済への貢献に関しては、世界の旅行者と日本の旅行者に相違が

使ったお金が地域コミュニティに還元されるようにしてほしいと回答した人のグラフ

世界の旅行者の73%(日本の旅行者63%)は「使ったお金が地域コミュニティに還元されるようにしてほしい」と回答した。また、自身の住む地域を訪れるインバウンド観光客の行動に対しては、世界の旅行者の半数以上がよい感情を持っていることがわかった。

例えば、世界の旅行者の53%(日本の旅行者26%)は「地元で目にする観光客の多くは地元の慣習や伝統を尊重している」と回答している。さらに、「地元のビジネスの支えになっている」と感じている割合は、世界の旅行者は54%(日本の旅行者18%)となっていた。

また、「現地の文化を代表する本格的な体験を堪能したい」と考える世界の旅行者は77%(日本の旅行者57%)に達している。

地元のビジネスの支えになっていると回答した人のグラフ

このような結果から、多くの旅行者が訪問先の文化や伝統を楽しみたいと考えていることが明らかになった。一方で、日本の旅行者には、観光が地域経済に貢献しているという実感はあまりないようだ。

課題の解決には観光客の制限よりも地域への支援が必要と考える旅行者が多数

自分が住んでいる地域に十分な環境資源があると回答した人のグラフ

世界の旅行者の48%(日本の旅行者40%)が「自分が住んでいる地域に十分な環境資源がある」と考えている一方、自分の住んでいる地域に訪れる旅行者に対する課題の指摘も見られた。

例えば、地域の課題として、交通渋滞(世界:38%、日本:38%)、ポイ捨て(世界:35%、日本:37% )、混雑(世界:30%、日本:36%)、生活費の高騰(世界:29%、日本:17%)などが主な課題として挙げられた。

しかし、このような懸念点があるものの、「地元の観光地への観光客の数を制限すれば解決する」と考える世界の旅行者はわずか16%(日本の旅行者15%)に過ぎない。それよりも地域コミュニティに投資すべきという声が多く、交通機関の改善(世界:38% 、日本:35%)、廃棄物の管理(世界:37% 、日本:19%)、環境保全(世界:32% 、日本:21%)などが、期待する支援として挙げられていた。

お問い合わせ先/Booking.com Japan K.K.
http://www.booking.com

※掲載している情報は、2025年5月23日時点のものです。

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