「サステナビリティレポート」という、持続可能な社会の実現に向けた活動についての報告書を発行する企業が増えている。企業のサステナブルな活動は、投資材料として判断されるほど注目されており、サステナビリティレポートはその判断材料となる重要な報告書である。
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サステナビリティレポートとは、企業が行う持続可能な社会の実現に向けた活動についてまとめた報告書である。サステナビリティ報告書とも呼ばれる。
企業の活動は、「環境や社会問題などに対して企業は倫理的な責任を果たすべきである」というCSR(企業の社会的責任)の考え方に基づいて行われている。サステナビリティレポートは、そうした企業の行う社会的な活動についてまとめ、広く社会に周知するためにまとめられている。
従来、企業の成長とはすなわち経済的成長だった。ところが1980年代頃から、「環境問題が深刻化していくことで、経済活動に悪影響を及ぼすのでは」という考えが生まれ、「企業が環境問題に対して責任を果たすべき」という世論が高まっていった。これを受けて、企業は環境問題に対する取り組みをまとめた環境報告書を発表するようになった。
1990年代に入ると、環境報告書に社会問題に対する取り組みも盛り込まれるようになり、海外では1990年代後半、日本では2000年代頃から、サステナビリティレポートが発行されるようになった。
サステナビリティレポートは、現在「ESG」の面から非常に重視される。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、この三つの観点を持つことが企業の成長に必要だという考え方が、近年急速に社会全体に広まっている。
従来は財務情報だけで投資判断をしていた機関投資家も、企業がESGに注力しているかを考慮するようになった。「ESG投資」という言葉も使われるようになり、ESGに力を入れていない企業は、長期的な成長が見込めないと判断されるようになった。
サステナビリティレポートは、企業がESGにどの程度真剣に取り組んでいるかを判断する材料になる。そのため、サステナビリティレポートの重要性は高まっており、サステナビリティレポートを発表する企業が増えてきているのである。
企業がサステナビリティレポートを発行する目的は、持続可能な社会の実現に向けて、企業としてどのような取り組みをしているかをまとめることだ。サステナビリティレポートは、企業が発行する決算報告書などとは異なり、発行が義務付けられている書類ではない。また、法律で定められた記載のルールなどもない。
サステナビリティレポートは、持続可能な社会の実現に向けた企業活動を報告することで、ESGで企業を評価する投資家に対し、投資材料として評価されることを目的としている。近年ではサステナビリティレポートと財務報告を統合した「統合報告書」も登場し、企業のサステナブルな活動の重要性はますます高まっている。
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