東京・白金台に位置する老舗結婚式場「八芳園(はっぽうえん)」が、2025年2月から9月末までの全館一時休館を発表。閉館中には「既存建物を次世代へとつなげる改修」をテーマに改修工事を行い、環境配慮型施設として10月にグランドオープンする。
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東京都港区白金台に位置する「八芳園」は、2025年2月から9月まで全館一時休館することを発表した。閉館中は、2025年10月のグランドオープンに向けてリブランディングプロジェクト(改修工事)を実施する。
そもそも「八芳園」とは、400年もの歴史を誇る日本庭園を有する、創業81年のレストラン・結婚式場だ。
同社は「サステナビリティを実現するパーパス経営」を基本方針に掲げており、2043年に控えた100周年へ向けて、「既存建物を次世代へとつなげる改修」をテーマとした改修を行う。
このリブランディングプロジェクトによって、「ZEB Oriented(※)」認証取得を目指すとともに、環境配慮型施設として国際会議やビジネスイベントなどの誘致獲得に取り組み、地域の発展に貢献していくという。なお、実際に取得が叶った場合、宴会場用ととしては国内初の快挙となる。
※ZEB Oriented:快適な室内環境を実現しつつ、消費するエネルギーをゼロとすることを目標とした建物「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」のうち、外皮の高性能化と高効率な省エネルギー設備に加え、さらなる省エネルギーの実現に向けた措置を講じた建築物のこと。
今回のリニューアルのコンセプトには「日本の、美意識の凝縮」が掲げられている。
八芳園の日本庭園は、古くは実業家の久原房之助によって原型がつくり上げられたもの。同社は現在の本館の基礎ができあがった1967年以降、施設の増築をくり返してきたが、一度原点に立ち返り、ヨーロッパで古くから用いられてきた“減築”を行うことで、庭園とのつながりをより深くし、親和性のある施設へのリニューアルを目指す。
新たにつくり変えるのではなく、残すべきものを守りよりよく使い続ける「継承」と、日本の美意識をつくる職人との共創による新しい価値の「創造」をテーマに、日本庭園という文化資産とともに既存建物を次の世代へ引き継いでいくことが、創業80周年を超えた老舗としての目標だ。
メインロビーは、日本庭園と建物の境目をなるべく無くし、福岡県大川市の伝統工芸「大川組子」と庭園が融合した空間へと生まれ変わる。
本館正面ファサードには木材が活用され、そこから続くエスカレーターは4階のデッキへとダイレクトにつながるよう設計される。
なお、5階・6階は、国際会議やビジネスイベントへの対応を見据えた会員制のクラブフロアへと全面改装される。この2フロアはバンケット・スタジオ・ラウンジ・バーの4つから構成され、日本庭園を望む上質なおもてなしの空間へと進化する予定だ。
お問い合わせ先/株式会社八芳園
https://happo-en.com/
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