今年秋に誕生したブランド「Fafuri」から、毛皮を使用しない「エコファーショール」が発売された。同ブランドは「振袖からのファーフリー宣言」を掲げており、振袖にはフォックスファーを羽織るものという旧来の価値観ではなく、動物にやさしい新たな価値観を提案することを目的としている。
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今年9月、「振袖からのファーフリー宣言」を掲げる新ブランド「Fafuri(ファフリ)」が誕生した。同ブランドは、和歌山県産「高野口パイル」のエコファーを使用した日本製のショールを展開し、リアルファーを使わない新たな価値観を提案している。
同ブランドの誕生には、娘をもつ一人の母親である株式会社Fafuri代表の丸山恭子氏のとある後悔が大きく関与している。
成人式を間近に控える頃、娘の丸山蘭奈氏は振袖に合わせるショールを探していたが、伝統的なフォックスファーのショールに惹かれながらも、動物の命を犠牲にしたものを身につけることに強い葛藤を抱えていたという。
しかし、フェイクファーを使ったもので、伝統的な振袖に似合うものを探すのは困難だった。結局のところ母娘はフォックスファーのショールを購入したが、その選択への後悔は式の後も拭えなかったそうだ。
丸山氏がその悩みを、同じく娘をもつ友人たちに打ち明けると「毛皮を使わない、振袖に似合う品格あるショールがほしい」という共感の声が集まった。
さらに、実際に市場調査を重ねると、昨今「動物を犠牲にしない製品」へのニーズが高まっていることもわかり、今年9月についにブランドの立ち上げへと踏み切ったそうだ。
「エコファーショール」開発にあたり、毛皮にさせる動物たちの現実に目を向けるなかで、丸山氏は、狭く劣悪な環境で飼育され残酷な方法で毛皮に加工される、動物たちの凄惨たる現状を知った。その深刻さに、ファッションの裏で犠牲になる命の重みを痛感せざるを得なかったという。
現在の日本では、毛皮を使わない「ファーフリー」の重要性や、「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の認識が各国に比べ遅れをとっており、解決すべき大きな社会問題として存在している。
このような現状を鑑み、「Fafuri」は「エコファーショール」を通してファーフリーとアニマルウェルフェアに配慮したライフスタイルを提案するというブランドコンセプトを確立。
次の時代のリーダーである若い世代にアプローチすべく、振袖という日本の伝統美を大切にしながらも、命と環境へのやさしさが感じられる未来への価値観を提案している。
「エコファーショール」に採用されているのは、世界のトップメゾンも愛用する「高野口パイル」の技術で織られた日本製のエコファー。柔らかく繊細な触り心地と、光の角度で表情を変える美しい艶感が魅力だ。
天然毛皮と同等の高い保温性をもつため、寒い季節でもしっかりと身体をあたためてくれる。湿気にも強いため、小雨や雪の降る日湿度の高い日にも安心して使用できる。
あえて短めにされたデザインは、振袖の帯や帯留めを引き立てるため。何度も試作を重ねて実現したふんわりとしたボリューム感は、フォックスファーのショールにも劣らない。
カラーラインアップは、白、サーモンピンク、グレージュ、ダークグレーの4色。成人式だけでなく、パーティーなどのフォーマルシーンにも活躍するため、長く愛用することができそうだ。
お問い合わせ先/株式会社Fafuri
https://www.fafuri.com/
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