ECOMMIT「REUSE SHIFT」1st チャレンジャー“SHIRO”が使用済みガラス容器・衣類を回収しリユース

ECOMMIT「REUSE SHIFT」ロゴ

不要品の回収・選別・再流通を行う循環商社「ECOMMIT」が、新コンセプト「REUSE SHIFT」を掲げ、業界を越えた企業が協力することで、1社だけではむずかしい資源循環の取り組みを推進していくプロジェクトを開始したことを発表した。

Chiho Maezawa

Writer

東京在住。フリーランスエディター。地球にやさしく、生き物にやさしく、そして人にもやさしい暮らしを送るヒントを探して。日々、エコロジーやサステナブルにまつわるニュースに注目しています。決し…

2024.08.16

「ECOMMIT」業界を越えた企業に呼びかけ資源循環に取り組む

ECOMMIT「REUSE SHIFT」ロゴ

ECOMMITは「捨てない社会をかなえる」ために、不要品の回収・選別・再流通を行う循環商社。ECOMMITが運営する資源循環サービス「PASSTO(パスト)」は、 暮らしの一番身近な場所にある不要品回収のボックスで、“捨てる”以外の選択肢を提供している。

今回、ECOMMITは新コンセプト「REUSE SHIFT(リユースシフト)」を掲げ、あらゆるものが循環する社会のために、環境負荷がより低い“リユース”への取り組みへと大胆にシフトしていくアクションを支援していく方針を発表した。

業界を越えた企業に呼びかけ、アクションを通じて一社だけでは難しい資源循環の取り組みを推進していくとしている。

「REUSE SHIFT」1st チャレンジャーはSHIRO

SHIROロゴ

REUSE SHIFTの1st チャレンジャーとして挑戦するのは、コスメティックブランドの「SHIRO」。SHIROは、ブランドが誕生して今年15年を迎え、すべての資源の価値を見つめ直し循環させながら、地球の未来のため廃棄物ゼロを目指す「SHIRO 15年目の宣言」を昨年末に表明した。

REUSE SHIFTの1st チャレンジャーであるSHIROは「SHIROリユースプロジェクト」を掲げて、世界的にも難しいとされている化粧品容器の“リユース”に挑戦し、大規模な容器回収と”リユース”を前提としたものづくりに取り組む。

このプロジェクトの期間中に目指すのは、SHIROの使用済みガラス容器1万本と、次の人につなげるための衣類3万着の回収だ。

強い意思をもち、大規模な回収目標を定め、環境や未来への挑戦にコミットメントをしている、まさに勇敢なチャレンジャー。

SHIROのボトル

このプロジェクトでは、今年8月8日(木)〜10月31日(木)までの期間を実証試験とし、全国のSHIRO店舗(※1)でお客さまから使用済みガラス容器を回収し、リユースした容器で新たに製品を渡すための検証が行われる。

さらには、衣類の廃棄における問題にも向き合い“リユース”の文化をつくり本質的な循環をかなえるため、着られなくなった衣類や次の誰かに着てもらいたい衣類をSHIROの一部店舗(※2)で使用済みガラス容器とともに回収し、相乗効果を図る。

また、実証試験の期間中に回収したガラス容器を再利用するリユース製品や、リユースする衣類などを販売するPOP UP STOREを年内に開催する予定となっている。

REUSE SHIFT「ECO SYSTEM」

今回のREUSE SHIFTの取り組みは、SHIROのように自社の製品やビジネスの一部をリユースに変換し、社会を牽引するための大胆なチャレンジを行う“Challenger”と、世界的にもリユースの壁となっている回収を全国でともに支える“Co-Challenger”の企業/ブランドとで成り立っている。

REUSE SHIFTの取り組みの図解

Next Challengerはブルーボトルコーヒー、LINEヤフー、三井不動産レジデンシャル

Next Challenger3社のロゴ

SHIROに続く“Challenger”として、自社の大胆なREUSE SHIFTに挑むことを表明しているNext Challengerは、ブルーボトルコーヒー、LINEヤフー、三井不動産レジデンシャル(くらしのサス活 Circular Action)の3社。

Next Challengerである、LINEヤフーと、三井不動産レジデンシャルが運営するすまいとくらしから循環型社会の実現を目指すプロジェクト「くらしのサス活 Circular Action」は、リユースシフトに向けた新たなチャレンジを行っていく予定だ。

ブルーボトルコーヒー、SHIROリユースプロジェクトでの自発的な取り組み

ブルーボトルコーヒーロゴ

Next Challengerのなかでもブルーボトルコーヒーは、「SHIROリユースプロジェクト」に対しても強い共感と協力の姿勢を示し、まだ形のないこのプロジェクトに、一番手で参画を決めている。

ブルーボトルコーヒーのブランドとしてグローバルでサスティナビリティへの強い意思を掲げ、1stチャレンジのSHIROの大きな挑戦に対して敬意を示すとともに、自分たちができる最大のアクションでREUSE SHIFTの呼びかけに呼応。

自社の領域を超えてSHIROの使用済みガラス容器や衣類、自社のコットン素材のトートバッグの回収を、全7都市のブルーボトルコーヒー カフェで実施することを意思決定し、ECOMMIT・SHIROとともに同日からの回収をスタートする。また、ブルーボトルコーヒーとSHIROで使用できる共通クーポンも用意されている。(※3)

Co- Challenger:SHIROの使用済みガラス容器回収を実施

“Co-Challenger”企業のロゴ

また“リユース”のためには、容器を最大限回収することが欠かせない。1stチャレンジャーであるSHIROのために、”Co-Challenger”企業が、資源循環サービス「PASSTO」を活用して、SHIROの使用済みガラス容器の回収に全面協力する。なお、PASSTO拠点でのSHIRO容器の回収は、全国約50〜100箇所となる見込みだ。

業界を越えた多くの企業が、REUSE SHIFTでのSHIROのチャレンジに賛同・応援し、PASSTOのインフラを活用した容器回収が実現してる。世界的にもリユースの大きな壁となる「回収」を、企業が業界を超えて自発的に行い、回収というアクションで応援・賛同していることは今回の取り組みの大きな特徴だ。

REUSE SHIFTに関わる人やブランドのコメント

自社にとって大きな挑戦をすること。それに呼応して自分たちの挑戦を表明すること、その挑戦をともに支えること、そこには大きな意思や想いや葛藤がある。

企業の垣根を越えて挑む人々から、この挑戦に秘めた想いに、コメントが寄せられている。

福永 敬弘氏

株式会社シロ
代表取締役社長 福永敬弘氏

「化粧品を取り扱う弊社にとって、使用済みのびんや古着の衣類の回収を行なうことはある種のリスクであると考えたこともありました。

なぜそう思うのかを翻って追求した時、週に一度『資源ごみ』として事実上のごみ化をしている自分の行動と似ていると感じました。要は、実態から目を背けていたのです。

まだ使えるものをごみ化やエネルギーを加えて資源化するのではなく『綺麗に洗ってまた使う』を習慣、新しい標準にしていく。それこそが今回のびんと衣類の回収の意義だと思いますし、その気付きを多くのお客様に提供することこそがもののつくり手の責務だと信じています」

今井 浩恵氏

株式会社シロ
代表取締役会長/ブランドプロデューサー 今井浩恵氏

「2023年7月にフィンランドを旅し、ごみのない街並みを見て、ペットボトル、缶、びんにデポジット制度がありスーパーで回収されていること、セカンドハンドのお店が多くの人の日常生活に浸透し、次の使い手に自分の大切なものをつないでいく、そんな循環を知り、『リユース』という言葉に出会いました。

その気持ちよさや、本質的なことこそ、シロがこの社会に届けたいことだと確信。その2週間後にはECOMMIT川野社長に会い、ともに取り組むことを決めました。1年の月日を経て、ようやく挑戦が始まることがうれしいです」

伊藤 諒氏

Blue Bottle Coffee Japan 合同会社
代表 伊藤諒氏

「ブルーボトルコーヒーは創業からサステナビリティを事業判断の上で大切にし、自分たちの『できること』を着実に進めてきました。一方で『社会に対して本質的にインパクトを出せているのか』という点に関して、正直もどかしさを感じていました。

今回、ECOMMIT 川野社長の覚悟から始まるこの『REUSE SHIFT』の熱や、そこに呼応するSHIRO 福永社長の具体的な挑戦に触れ、ブランドとして手を挙げ、私たちもこの大きなうねりを作ろうと決めました。ブルーボトルコーヒーは、新しい変化に恐れずに向き合い、進化し続けるチームでありたいと思います」

戸部 昇氏

REUSE SHIFTのパートナー:
創業から130年、日本の洗びん技術をもつ企業
トベ商事 代表取締役会長 戸部昇氏

「トベ商事は、創業から130年間、リユースしたびんを安心してご使用いただけるように、洗浄ノズルの開発、殺菌工程、検査機の開発などを行い洗びん技術を向上させてきました。

私たちが生活の中で身近にできるCO2の削減のひとつが、容器の『リユース』です。リサイクルは必要なシステムですが、原材料を確保して常に製品をつくり続けなければなりません。一方『リユース』は一度つくれば回収し洗って何回も使用できます。回収拠点へびんを戻すことができれば、CO2削減に誰もが貢献できるのです。

REUSE SHIFT、応援してください。『リユース』は先人達が築き上げた『ものを活かし続ける』文化なのです」

川野 輝之氏

REUSE SHIFT 立ち上げの背景について:
株式会社ECOMMIT
代表取締役CEO 川野輝之氏

「私たちが『REUSE SHIFT』を掲げたのは、自社を越えて未来のために立ち上がることが、何よりも必要であると信じているからです。この度、ものづくりをリユースへ変革するSHIROを『REUSE SHIFT』のチームのみなさまと全力で応援し、回収インフラを活用したアクションに取り組みます。

そして、SHIROだけではなく、ブルーボトルコーヒーをはじめとしたNext Challengerがすでに立ち上がっています。

地球の未来のためにも、ものづくりやビジネスを“リユース”へ変えることを決意した勇敢なチャレンジャーを、業界を越えて支えるアクションが必要です。ものづくりで世界をリードした日本が、循環という領域で世界をリードする日をみなさまとともに目指します」

「SHIROリユースプロジェクト」詳細

ーSHIROの店舗での回収・特典についてー

期間:2024年8月8日(木)〜10月31日(木)
回収対象:SHIROの使用済みガラス容器、衣類、ブルーボトルコーヒーのコットン素材のトートバッグ
※1,2 回収場所によって、回収対象品が異なる。回収場所や回収対象、クーポンなどの特典情報の詳細は以下「SHIRO リユースプロジェクト」のWEBサイトを参照。

ーブルーボトルコーヒー カフェでの回収・特典についてー

期間:2024年8月8日(木)〜10月31日(木)
回収対象:SHIROの使用済みガラス容器、衣類、ブルーボトルコーヒーのコットン素材のトートバッグ
※3 回収場所やクーポンなどの特典情報の詳細は、以下ブルーボトルコーヒーのWEBサイトを参照。

ーPASSTO拠点でのSHIRO 使用済みガラス容器の回収についてー

期間:2024年8月8日(木)〜10月31日(木)
回収対象:SHIROの使用済みガラス容器 その他、回収拠点のPASSTO回収品目に応じて衣類・雑貨を回収
※PASSTOでのSHIRO使用済みガラス容器の回収場所などは、以下WEBサイトを参照。

ECOMMITについて

ECOMMITは「捨てない社会をかなえる」ために、ものが循環するインフラをビジネスで実現する循環商社。全国7箇所に⾃社の循環センターを持ち、不要になったものを回収・選別・再流通している。さらに、"ものの流れ"をデータ化する⾃社開発のトレーサビリティシステムにより、リユース・リサイクル率の算出や、CO2削減量のレポーティングまで⾏うことで、企業や⾃治体のサステナビリティ推進に向けたサービスを包括的に提供している。

お問い合わせ先/株式会社ECOMMIT
https://www.ecommit.jp/

※掲載している情報は、2024年8月16日時点のものです。

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