2024年6月28日(金)に、エシカル・インフルエンサーイベント「ELEMINIST MEET Vol.4」が、「ライトボックススタジオ青山」にて開催された。前編では、出展ブランドの商品やブースでの展示など、イベントの様子をレポート。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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2024年6月28日(金)に「ELEMINIST(エレミニスト)」主催によるイベント、「ELEMINIST MEET Vol.4」が開催された。サステナブル・エシカルな商品に取り組むブランドと、エシカル・インフルエンサーをつなぐ出会いの場として、毎回、盛り上がりをみせている。
出展ブランドは、展示のみも含めて合計8社。食品からアパレル、ライフスタイル商品まで、幅広いジャンルのブースが並んだ。イベントは招待制となっており、エシカルな取り組みに関心の高いインフルエンサーとELEMINIST followers※が約100名来場し、この日の累計フォロワー数は65万人以上にも上った。
来場者は自由にブースを見て回るスタイル。商品の提供を受けたり、つくり手から開発秘話や商品に対する想いを聞くことで、より理解を深めることができる。出展ブランドにとっては、ダイレクトに生活者の反応や感想を聞けるため、今後の商品開発への参考にもなる。
今回は、以下の出展ブランド8社が集まった。[ECOPET®︎(帝人フロンティア株式会社)、618scallop powder(レルムナチュレジャパン合同会社)、CARIUMA(丸紅コンシューマーブランズ株式会社)、ひらけ、カカオ。(株式会社 明治)、ニコラ・フィアット&ビオセボン(ビオセボン・ジャポン 株式会社)、YORISOU CURRY(FLUFF)、UNUA(YNDLAB株式会社)、Patagonia(パタゴニア・インターナショナル・インク)※展示のみ]
※ELEMINISTの読者からなる公認コミュニティ
大手企業から地方のベンチャーまで、バラエティに富んだブランドが集結したELEMINIST MEET Vol.4。今回からその場で商品を購入できるシステムも導入(ブランド、ブースによる)。「気に入った商品を購入して応援できるのがうれしい」と好評だった。また、日本に上陸したばかりの海外ブランドや、イベント当日がローンチ日だという商品も。「いち早くエシカルな情報を知れるのがこのイベントの醍醐味!」と、出展ブランドのセレクトに期待を寄せる来場者も多かった。そんなブランドの商品を紹介しよう。
リサイクルポリエステルの先駆者として名だたるブランドで使用されている、「帝人フロンティア」の「ECOPET®︎(エコペット)」。2回目となる今回は、2024年6月8日に発売されたばかりの「ECOPET®︎ニットバッグ」をお披露目。素材には、抗菌防臭機能がある「Ecopure®(エコピュアー)」も採用されていることもあり、「可愛くて、ニオイ対策ができて、環境にも配慮されているバッグ」がコンセプトだ。
ブースでは、お馴染みのペットボトルや繊維くずが糸になるまでの様子が目でみてわかる工程サンプルの展示の他、完成したばかりの「ECOPET®︎ニットバッグ」を紹介。実は前回のELEMINIST MEETでもバッグの進捗状況を伝えていた。そのため、楽しみにしていたという来場者やすでに購入した人も駆けつけ、感想を伝える場面も。開発者と生活者による心地いいコミュニケーションが生まれていた。他にも、帝人フロンティア衣料マーケティング部マーケティング課の村田真結子氏と、ELEMINISTでアドバイザリーを務める白鳥麻衣によるトークライブも開催。開発秘話や商品に込めた想いなどについて語った。
帝人フロンティア:「前回の出展からあまり時間が経っていないので不安もありましたが、『ECOPET®︎ニットバッグ』をお目当てに来てくださった方もいてうれしい」「エシカルに興味のある生活者に想いを届けられました。直接リアクションがあると励みになります」
ELEMINIST followers:「『ECOPET®︎ニットバッグ』は、風呂敷風のデザインなので結び目の位置を変えれば長さやサイズ調節もできる。生地の色もパイピングも可愛いです!」
山梨県の和紙メーカー「大直(おおなお)」のブランド「SIWA|紙和」の展示も行われた。和紙漉きの製法でつくった新しい紙として、「ECOPET®︎」を用いた強度のある和紙・ハードナオロンを展開している。和紙のように軽くて手に馴染む風合いながら、ポリエステルが持つ強度を備えた不思議な素材だ。ハードナオロンを使用した製品としてバッグやメガネケースなどが紹介された他、来場者にはパスケースがプレゼントされていた。
大直:「昔ながらの和紙の技術を使って、現代の生活に馴染むライフスタイル製品をつくっているブランドです。来場者の方には真剣に話を聞いていただき、興味をもってもらえたようなのでよかったです」
ELEMINIST followers:「『ECOPET®︎』って不思議ですよね。ニットバッグになったり、和紙にもなる。他にどんなものに展開できるのか、未来への期待がふくらみました」
ホタテパウダーとして知る人も多い「レルムナチュレジャパン」の「618scallop powder(ロクイチハチ スカラップパウダー)」。産業廃棄物として放置されていたホタテの貝殻をアップサイクルしたもので、パウダーを水に溶かせば最大pH12の強アルカリ水に早変わり。洗浄、消臭、除菌がこれひとつで叶う万能選手で、洗濯や掃除がラクになるという。排水として流れる際も排水管や河川をきれいにしながら自然に還るため、水資源を守ることにもつながる。
レルムナチュレジャパン代表の鈴木典子氏と、ELEMINIST編集部の後藤未央によるトークライブには多くの人が詰めかけた。年間15万トン。砂浜を埋め尽くす貝殻の量に参加者から驚きの声がもれた。ホタテは身だけを出荷するためだ。匂いや土壌汚染などの問題を解決しようとつくられた。汚れは相反する溶液で落とす、例えば酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤という汚れが落ちるしくみの他、ホタテパウダーの幅広い用途も紹介。お風呂に入れれば塩素の除去にもなるマルチぶりに、参加者も興味津々だった。
レルムナチュレジャパン:「ナチュラルクリーニングを謳う洗剤は多くありますが、私たちは製造工程や使用後の排水までも配慮しています。そういった部分まで興味をもっていただけたので、さすがELEMINISTの読者さんたちだなとうれしく思いました」
ELEMINIST followers:「ふだんからホタテパウダーを愛用しています。残留農薬やワックス剤除去のため、フルーツや野菜を洗ったりしています。洗濯や掃除にも使えるなんて驚きです」
2024年2月に日本上陸を果たした「CARIUMA(カリウマ)」。アッパーやソールといった靴の素材からパッケージまで、すべてにおいて徹底したサステナブルでエシカルな姿勢を貫いている。スケートボード、サーフィンなどのカルチャーに刺激されたCARIUMAのスニーカーは耐久性、究極の快適性、可能な限り最高のグリップ力を高めるために設計されている。また、靴1足の販売につき2本の植林を行うなどの功績が認められ、B Corp認証も取得している。
ブースでは男女ともフォーマルなスタイルにも合うローテクスニーカーやタウンユースできる機能性の高いカジュアルラインが並んだ。人気は、カラーバリエーション豊富なコットン地のシリーズ。実際に試着できるとあって人だかりができていた。「履きやすい!」との声が多かったインソールも展示され、マモナオイルとコルクのフィット感を確かめる人も。樹木を傷めない方法で採取された天然ゴムなど環境に配慮した製法に、来場者の熱い視線が注がれていた。
CARIUMA:「みなさんのサステナブルに対する強い意識を感じることができました。とくに素材に関する資料について熱心に説明を聞いていただきCARIUMAのアイデンティティに共感していただき嬉しかったです」
ELEMINIST followers:「ソールの履き心地が最高です。天然のコルクだそうですが、クッション性があって重すぎず軽すぎず。お土産のオーガニックコットンのバッグもロゴがキャッチーで可愛い!」
日本のチョコレート業界を牽引する「明治」による「ひらけ、カカオ。」をスローガンとしたプロジェクトでは、原料となるカカオの新しい価値を創造し、カカオ産地に還元してサステナブルな循環を築くのが目的だ。ブースでは、2006年より取り組むカカオ農家への支援活動の他、チョコレートに留まらないカカオの魅力を紹介した。
なかでも注目を集めたのが、カカオとは思えない美しい赤色の「カカオの新しいカタチ 赤くて甘酸っぱいカカオフラバノールドリンク」 。使用された新素材「カカオフラバノールエキス」とは、カカオ豆に含まれるフラバノールを独自技術により高濃度で抽出した赤色のエキスのこと。このエキスに、カカオの果肉であるカカオパルプを絞ったカカオ果汁を加えたのが、このドリンクだ。チョコレートの製造過程では使われていなかった部分をアップサイクルした形だ。まるでベリーのような甘酸っぱい味わいに「フルーツみたい! 朝に飲みたくなる」と来場者からも好評だった。
明治:「現地の生産者のなかには、チョコレートの味を知らない人も多いんです。なので、品質を保つためにチョコレートを持っていって食べてもらったり、技術支援や農家さんの生活向上にも力を入れています。そんなことを知っていただけたら」
ELEMINIST followers:「明治さんのような大企業が取り組んでくださると、できることの規模も大きいので心強いです」「美容にもよさそうですし 、ぜひアンチエイジングに取り入れたいと思いました」
ここに来れば、オーガニックな食料品や雑貨が揃うスーパーマーケット「ビオセボン」。フランス発というだけあって、おいしくてちょっと洒落たものに出会えるのが人気の秘密。ビオセボンといえば、必要な分だけ購入できるバルクフーズ(量り売り)にもファンが多い。ブースでは、クルミとレモンピール入りチョコレートのバルクフーズが用意され、はじめて見る人の興味をさらっていた。来場者には、リサイクル可能な紙容器とサトウキビ由来素材のキャップを使用した「海洋深層水」がプレゼントされていた。
ビオセボン:「みなさんとても興味をもって聞いてくださった。バルクフーズは利用したことはなかったという方にも楽しく体験していただけました。ぜひ店頭で試してみてください」
ELEMINIST followers:「量り売りはごみの削減にもなります。もっと種類が増えたらいいなと思います」「『海洋深層水』は、500mlサイズで紙容器なのが気に入りました」
同じブースに並ぶのは、フランスで一番愛されているシャンパーニュ、「ニコラ・フィアット」の「コレクション・オーガニック エクストラ ブリュット」。100%オーガニックのブドウを使用している他、持続可能なブドウ栽培の発展にも積極的に取り組み、技術的な支援も行っている。試飲した来場者からは、「キリッとした酸があっておいしい!」と高い評価を得ていた。ECサイトだけではなくビオセボンで買えるのも助かるとの声も聞かれた。
ニコラ・フィアット:「サステナブルなシャンパーニュで、これから力を入れていきたい商品です。香りが高くスッキリとして飲みやすいのが魅力。夏の食前酒に楽しんでいただきたいですね」
ELEMINIST followers:「『ニコラ・フィアット』では、ボトル軽量化への取り組みを行っていると知りました。軽いと輸送時の燃料が少なくてすみ、CO2の排出量も削減できるそう」
“あなたに 地球に よりそう”をコンセプトに掲げる「YORISOU CURRY(ヨリソウカレー)」。動物性食品不使用のプラントベースかつ、アレルギー食品28品目不使用、さらに1袋99kcalで低カロリーと、三拍子揃ったこだわりのレシピだ。カレーはあくまで手段であり、伝えたいのはどんな人もみんなで同じ食事を楽しんでほしいという想いだという。
ブースでは、カレーの試食を用意。15種類のスパイスをブレンドした本格派で、動物性食品不使用とは思えないコクや旨味に、感嘆の声があちこちで聞かれた。このままでも十分おいしいがアレンジとして素揚げやソテーした根菜をトッピングするのもおすすめとか。おしゃれなパッケージもギフトに良さそうと来場者の心を掴んでいた。
YORISOU CURRY:「カレーの辛さがどう受け止められるのか心配でしたが、『ちょうどいい辛さでおいしい!』と、みなさんから感想をうかがえて安心しました。想いを伝えながら販売できるのはいいですね」
ELEMINIST followers:「野菜の味とシャキシャキとした食感が感じられて満足度が高い! 適度なとろみは小麦粉ではなく玉ねぎを丁寧にソテーしたものだと知って驚きました」
イベント当日がローンチとなった「UNUA(ウヌア)」は、オイル美容の専門家が手がける、植物由来100%のヴィーガンオイル。徳島県のすだちに着目し、高齢化による生産者不足など地域課題に取り組む。また運営母体は徳島市内にアーユルヴェーダサロンを展開する会社。そのスキルを活かし、重度の障がいをもつ児童のためのデイサービス、徳島大学の病院内に美容室を構えるなど地域の福祉活動にも積極的だ。
ブースでは、オイルの香りやテクスチャーを実際に試せるコーナーも。柑橘特有のフレッシュな香りにスパイシーさが際立つすだちのアロマは、男女問わず「癒やされる」と人気が高かった。来場者にはオーガニックコットンの巾着と「アロマティックリッチリピッドミニ」のサンプルがプレゼントされた。
UNUA:「オイルの販売は、ECサイトの他は徳島市内の店舗のみ。こういったイベントで手にとって楽しんでいただけてよかったです。『のびがいい!』とお褒めの言葉をたくさんいただいたので励みになりました」
ELEMINIST followers:「つけたてはしっかり保湿された感があるのに、1、2分もたつとサラッとした感触に変わってちょうどいい。オイルは重いというイメージが払拭されました」
斬新な取り組みで、サステナブルなビジネスのあり方を提示しているアウトドア企業の「Patagonia(パタゴニア)」。世界的なアーティストと協同し、環境問題へのアクションを促すTシャツの販売もそんな取り組みのひとつ。イベントでは、Tシャツアート5型を展示。アウトドアを生きるマウンテンバイカー、トレイルランナー、 アングラー、サーファーといったグラフィックアーティストたちによるユニークなデザインに、多くの来場者が足を止めて見入っていた。
来場したエシカル・インフルエンサー、ELEMINIST followersの感想は後編につづく。
撮影/ELEMINIST編集部 取材・執筆/村田理江 編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)
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