ワインのコルク栓を飲食店から回収し、新しい商品に生まれ変わらせるプロジェクト「TOKYO CORLk PROJECT(トウキョウ コルク プロジェクト)」が始動した。エネルギーレスな回収法や、障がい者雇用の創出など、環境と人にやさしい取り組みは注目だ。
ELEMINIST Press
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STOPPER STOOL CLEAR W400×D400×SH430mm 41,800円
資源を多く消費する大都市は、再生可能な資源の宝庫。そうした視点を持って、新たに資源として見出されたのはワインのコルク栓だった。
株式会社GOOD DEAL COMPANY(グッドディールカンパニー)が、コルク栓を回収し、新たな商品につくり変える取り組み「TOKYO CORK PROJECT(トウキョウ コルク プロジェクト)」を始動し、画期的なアイテムが生まれ始めている。
そのうちの1つ、「STOPPER STOOL CLEAR」は、コルク栓およそ350個分を再生した座面と鉄製のフレームを使い、ひとつ一つ職人の手で大切につくられる。デザインは、シャンパンコルクがモチーフだ。
大量生産を行わず、注文してから届くまでに3〜4週間かかることからも、丁寧なものづくりの姿勢がうかがえる。
日本で消費されるワインの約30%は東京で消費され、ボトルに換算すれば約1億5,000万本にのぼるという。TOKYO CORK PROJECTは、飲食店で捨てられる大量のコルクを見て「もったいない」と感じたことをきっかけに始まった。
プロジェクト開始にあたり飲食店にリサーチをかけると、「もったいないと思っていた」「リサイクルできるなら協力したい」と多くの賛同の声が集まったという。
国内のコルク産業は、石油由来素材との代替によって1950〜60年代から縮小。
しかし、コルクは断熱性、難燃性、遮音性、弾力性、軽量性、抗菌性と多機能を持ちながら、天然素材で地球にやさしい。であれば、もう一度、コルクに代替させることができるのではと発想を転換した。
世界では難枯渇天然資源として再注目され、さまざまな商品に活用されている。ワインを多く消費し、環境意識の高い欧米諸国のフランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ベルギー、アメリカではコルク栓を回収し再生する活動が普及している。
現在、ビオワインなど環境に寄り添うワイン産業が広がりつつあるなかで、さらにワイン栓の需要が高まればコルク原料の供給は減る。とくに国内でコルクを採取不可能である日本にとっては、再資源化するメリットは大きい。
今回のプロジェクトでは、ワイン流通業者の帰り便を活用しエネルギーレスにコルク栓を回収し、プラスチック製ワイン栓など他の禁忌品除去や製品づくりにおいて障がい者雇用の創出を行っている。
再生コルクには、素材感がそのまま活かされる。ワイン好きな人であればほぼ毎日目にするものだからこそ、資源が循環していることを感じ取りやすいはずだ。GOOD DEAL COMPANYは現代社会の課題に対する意識を強めていくことに貢献できればとしている。
問い合わせ先/TOKYO CORK PROJECT
https://tokyocorkproject.jp/
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