認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは、フェアトレード月間である5月の始まりとともに「ミリオンアクションキャンペーン2024」を開始した。全国の企業・団体と連携し、フェアトレードの商品購入数、SNS投稿数などを合計し、1アクション=1円を生産地の気候変動基金に寄付する。
ELEMINIST Press
最新ニュース配信(毎日更新)
サステナブルに関わる国内外のニュース、ブランド紹介、イベントや製品発売などの最新情報をお届けします。
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは、全国の企業・団体と連携した持続可能性とフェアトレードに関する国内最大規模の啓発キャンペーン「ミリオンアクションキャンペーン2024」を5月1日(水)より開始。フェアトレード月間である5月の1か月間、開催は続く。
4年目となる今年はイオン株式会社、エスビー食品株式会社、小川珈琲株式会社、UCCジャパン株式会社などの大手企業をはじめ、国内の小売店・食品メーカー・飲食店・商社・自治体・教育機関など167社・団体と協働で開催。
フェアトレードの商品購入数、「#Fairtrade2024」をつけたSNS投稿数、イベント参加数などを合計し、これまでで最大の250万アクションを目標に活動を行い、1アクション=1円を生産地の気候変動基金に寄付する。
また、キャンペーンの一環として、未来を味わい、現在の食と生活のあり方を考えるPOPUPショップを2024年5月9日(木)〜5月22日(水)東京・渋谷に期間限定オープン。
世界フェアトレード・デーである5月11日(土)には、キャンペーンアンバサダーの髙梨沙羅氏や望月理恵氏、エバンズ亜莉沙氏によるトークイベントも開催される。
コーヒー(アラビカ種)の栽培地が2050年には50%に半減、カカオの木は現在の主要産地では生育が難しくなる、バナナは病気により絶滅してしまうかもしれないなど、気候変動の影響で多くの産品が持続可能ではなくなると言われている。
日本国内の企業や消費者一人ひとりが今の生活文化を維持するために差し迫った社会課題であり、私たちや子どもたち世代のいま、そして未来の豊かな食生活や日常、健康を守るためにも世界の農業生産者への支援と対策が必須の状況だ。
「フェアトレード」は、もはや “国際貢献活動の一環”ではなく、現時点から取り組みが必要であると同時に、もっとも身近なサステナビリティに関連する対策・アクションのひとつだと言える。
国内にはさまざまなSDGsやサステナビリティをテーマにした企業向けの催しや一般向けの単発イベントがあるが、企業や消費者とともに全国で1か月間開催するこの啓発キャンペーンは「持続可能性」や「気候変動」、「フェアトレード」をテーマにした取り組みとしては、日本最大規模となる。
農林水産省とJICAの後援のもと、全国から167社・団体(※4月30日時点)の企業・団体・行政機関・飲食店・学校と連携。昨年の期間内の商品販売数は100万個以上にのぼる。
いま私たちの日常に当たり前にある産品がなくなるかもしれない世界を想像し、そのような世界にならないように今できる選択をしてほしい。という願いが込められている。
キャンペーン期間には、全国の企業・団体からの協賛金を原資として1アクションにつき1円を開発途上国の気候変動基金へ寄付する取り組みを実施。
さらに、渋谷スクランブルスクエアでの体験型POP-UPの開催、学生との連携企画などを予定する他、参加企業・自治体・学校によるイベントやキャンペーンも開催されるなど、全国の産学官のセクターが一体となって日本国内へのフェアトレードを啓発する月間となる。
フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。通常の取引では、市場価格の情報や販売先の選択肢の欠如により、末端の小規模生産者は、安く買い叩かれてしまうことが今も多くある。
その結果、生産者の生活水準低下、コスト削減を目的とした児童労働・強制労働、過剰な農薬による環境破壊や生産者が健康被害をうけるという問題が引き起こされる。
人と環境に配慮して生産されたものを適正な価格で取引し、持続可能な生産と生活向上を支援する仕組みがフェアトレードだ。
フェアトレードはSDGsのすべてのゴール達成に寄与すると海外の第三者研究で言われており、とくに8つ(目標1貧困、目標2飢餓、目標5ジェンダー、目標8労働環境、目標12持続可能な消費と生産、目標13気候変動、目標16平和、目標17パートナーシップ)の達成に大きく寄与すると言われている。
経済・環境・社会の3つの幅広い側面から国際フェアトレード基準はつくられており、昨今の国内におけるSDGsの認知の高まりや、環境や人権などを意識しサステナブルな消費活動を選択する消費者が増えるなかで、フェアトレードの市場も急速に拡大し最新の市場規模は、初めて200億円を突破した。
フェアトレードは人権問題解決の手段や途上国支援という印象が強く、気候変動への対応はまだ多く知られていないが、途上国の生産者が地球環境を守り、持続可能な生産ができるための技術支援やトレーニング、また気候変動に対応した生産支援のサポートなど幅広い活動を行っている。
フェアトレード・ラベル・ジャパンは、このキャンペーンを通して途上国の生産者や環境、未来の地球を守り続けるために、日常的にフェアトレードが選択される世界が当たり前になることを目指し活動を行っていくとしている。
気候変動で生産量減少が危ぶまれる農産物を使用したメニューの飲食の他、学べるコーナーとしてフェアトレードに関連する最新情報、現地の様子や生産者を紹介する展示を実施。
また、コーヒー・紅茶、チョコレートの他、ハチミツやコットンハンカチなどさまざまなフェアトレード商品に実際に触れたり購入したりするなかで、体感しながら気候変動の深刻さやフェアトレードについて知る事ができる。
・2050年カフェセットの販売
気候変動により、カカオ豆、コーヒー豆などの生産量が減少するなか、2050年の状況をイメージしたグラス容量の半分しかない「2050年コーヒー」、チョコレート量が極端に少ない「チョコクッキー」、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬 俊朗氏が運営するカフェで提供する「甘酒バナナケーキ」の1/4カットをセットで提供する。(数量限定:1日10セット)
・フェアトレード大学である青山学院大学との産学連携プロジェクト
数あるフェアトレード製品のなかから青山学院大学の現役学生が展示販売する製品をセレクト。紹介コメントを添えて販売するほか、フェアトレードに関する説明など接客も担当する。
期間:2024年5月9日(木)〜5月22日(水)
場所:渋谷スクランブルスクエア7階 「L×7」(エルバイセブン)(東京都渋谷区渋谷2-24-12)
内容:フェアトレード×気候変動をテーマにした体験型POPUPショップ(「2050年カフェセット」、フェアトレード製品の販売、フェアトレードに関する展示など)
世界フェアトレード・デーである5月11日(土)13:00〜14:00に「ミリオンアクションキャンペーン」アンバサダーでスキージャンプ選手の髙梨沙羅氏、フリーアナウンサーの望月理恵氏、エシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙氏によるトークイベントを実施。
「気候変動×フェアトレード」をテーマに、登壇者がそれぞれの業界の課題を踏まえて、日常と気候変動のつながりや自分たちに何ができるかについて語り合う予定だ。(渋谷スクランブルスクエア12階 Scene12)
日時:2024年5月11日(土)13:00~14:00
会場:渋谷スクランブルスクエア 12階 Scene12(東京都渋谷区渋谷2-24-12)
登壇者:
髙梨 沙羅氏 女子スキージャンプ選手
望月 理恵氏 株式会社セント・フォース 取締役/フリーアナウンサー
エバンズ 亜莉沙氏 エシカルコーディネーター
内容:「気候変動×フェアトレード」をテーマにしたトークセッション、質疑応答
気候変動対策はフェアトレード・ラベル・ジャパンがグローバルで対応している重要なテーマのひとつ。
気温上昇や洪水、台風やハリケーン、農作物の病気、土壌の枯渇、森林劣化などさまざまな環境問題により、私たちの生活と食料の確保が脅かされている。
とくに2023年は観測史上もっとも暑く、世界各地で自然災害が多発した結果、農作物の不作が深刻化し、食料価格が高騰し私たちの生活にも大きく影響を及ぼした。
気候変動が未来の話ではなく、いま私たちの身に降りかかる重要な課題であることは明らか。そこで、今年のキャンペーンのテーマを“気候変動”とし、気候変動とフェアトレードの関係性を伝えていく施策や発信を行っていこうとしている。
また日本国内の取組みにとどまらず、1アクションにつき1円を寄付する取り組みを通して、途上国の気候変動基金へ寄付をおくる。
昨年はキャンペーンを通して約207万円を中南米の生産者ネットワーク組織に送金し、現地では気温や雨量の極端な変化によって発生する病害虫対策や土壌保全対策として、他品種の植樹や土壌調査の実施、井戸建設によって安定した水確保と乾季の収量低下を抑制することができた。
ミリオンアクションキャンペーン開催に先立ち4月25日にキックオフイベントが開催された。当日はキャンペーンアンバサダーであり元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏と、モデル/アーティストのNOMA氏をゲストとして招待。
生産者のインタビューを受け、自身の渡航経験やスポーツ選手、アーティスト/自然科学の視点を交えながら、気候変動に対する想いを語った。会場には100名を超える参加者が集まりキャンペーン開催を盛り上げた。
協賛企業:
【ゴールドパートナー】イオン株式会社、エスビー食品株式会社、株式会社オウルズコンサルティンググループ、小川珈琲株式会社、UCCジャパン株式会社
【シルバーパートナー】住商フーズ株式会社、豊田通商株式会社、株式会社トレードワークス、日本電気株式会社、株式会社フェアトレードコットンイニシアティブ、ワタル株式会社
【ブロンズパートナー】株式会社アートコーヒー、キーコーヒー株式会社、株式会社立花商店、株式会社トーホー、株式会社トプコン、ホットマン株式会社、楽天グループ株式会社
【一般パートナー】株式会社IMAI企画、えしかる屋、エヌアイエスフーズサービス株式会社、加藤貿易株式会社、株式会社キャメル珈琲、京の珈琲豆処&'COFFEE アンダッシュコーヒー、九鬼産業株式会社、株式会社神戸珈琲、国分グループ本社株式会社、コニカミノルタジャパン株式会社、シーシーエスコーヒー株式会社、シサム工房、ジャパンティートレーディング(株)、株式会社 鈴商、株式会社スバストラジャパン、ダートコーヒー株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社タナカバナナ、株式会社デコラージュ、有限会社鳥取珈琲館、日本生活協同組合連合会、有限会社ひぐち、株式会社フクイ、株式会社プロントコーポレーション、PRIYO handicrafts、POPLIFE CO.ポップライフカンパニー、三本珈琲株式会社、株式会社ラーベン・アンド・ニールセン、Love&sense
後援:農林水産省、独立行政法人国際協力機構(JICA)
特別協力:一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会、一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム
ウェブ制作:株式会社Been
企画協力:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、株式会社Innovation Design、HI(NY)
運営協力:TOKYO LION、ソーシャル・エンライトメント株式会社
協力:グリーン購入ネットワーク(GPN)、一般社団法人エシカル協会、一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会、フェアトレード学生ネットワーク FTSN Japan、いなべ市、熊本市、札幌市、逗子市、名古屋市、浜松市、鎌倉市、千葉市、いなべフェアトレードタウン、おおぶフェアトレードタウン推進委員会、逗子フェアトレードタウンの会、館山フェアトレードタウン推進委員会、千葉市フェアトレードタウン推進グループ、はままつフェアトレードタウンネットワーク、フェアトレードタウン世田谷推進委員会、フェアトレードシティくまもと推進委員会、フェアトレードタウンさっぽろ戦略会議、フェアトレードタウン金沢推進委員会、フェアトレードタウン垂井推進委員会、NPO法人フェアトレード名古屋ネットワーク、フェアトレード北海道、フェアトレードむさしの
参加:特定非営利活動法人愛未来、NPO法人Wake Up Japan、認定NPO法人ACE、エシカル・ツキイチ・マルシェ、一般社団法人SDGs大学、ICU ELABEL、鎌倉エシカルラボ、こだまやリトリート、CUCエシカル学生クラブ、自修館中等教育学校 JIC、NPO法人 市民ネット川口、"世界フェアトレード・デー・なごや実行委員会"、NPO法人泉京・垂井、千葉商科大学 コミュニティカフェ・プロジェクト、千葉商科大学 The University DINING、千葉商科大学 CUCエシカル学生クラブ、千葉商科大学 リラックスサービスプロジェクト、トラットリアケナル、学校法人ハリス記念鎌倉幼稚園、特定非営利活動法人パルシック、NPOハロハロ、フェアトレード推進団体Etica、明星大学毛利ゼミ、明治大学商学部小林尚朗ゼミナール、一般財団法人ユースエコ、一般社団法人 unisteps、Ferris Fair Tread(フェリス女学院大学)、いつでも世界を旅するカフェ、IRIS(神田外語大学)、ビオセボン・ジャポン株式会社、Grassroots coffee shop、関西大学商学部 深澤ゼミ(※4月30日時点)
1993年設立、2023年11月に30周年を迎えた認定NPO法人。国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)の構成メンバーとして、日本国内における国際フェアトレード認証ラベルの認証・ライセンス事業、フェアトレード の啓発・アドボカシー活動を行う。
国際フェアトレードラベル機構は、公正な取引を通じた世界の貧困問題の解決、生産者の持続可能な生活の実現を目指して1997年設立された国際組織。現在開発途上国 70カ国・200万人以上の生産者・労働者と消費国30カ国メンバーが参加している。
お問い合わせ先/認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン
https://www.fairtrade-jp.org/
ELEMINIST Recommends