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ひとつのライフスタイルとして定着しつつある「丁寧な暮らし」。本記事では、ELEMINISTが考える「丁寧な暮らし」をご紹介。自分が心地いいのはもちろん、環境にも配慮した、地球にやさしいものがいいと思う人に向けて、具体的な例や実践するうえでおすすめのアイテムを紹介。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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ひとつのライフスタイルとして定着しつつある、「丁寧な暮らし」。
明確な定義がされているわけではないが、「丁寧な暮らし」とは、日常に改めて向き合い、家事など生活にまつわる一つ一つの行動に、手間や時間をかけて丁寧に暮らすこととして知られている。
便利に、かつスピーディになっていく現代において、あえて時間をかけたりじっくり向き合ったり、丁寧に行うことで、ただ日常をこなしていくのではなく、“自分なりの心地よさ”を見つけることができるのだ。
また、そういったことは、最新の技術やアイテムを使うのではなく、前時代的なものやアナログな方法をとることが往々にしてある。それは地球環境への負担が少ない方法であることも多く、環境に配慮した生活を送るきっかけになることも。
ELEMINISTが考える「丁寧な暮らし」とは、自分も心地よく、地球にもやさしい生活すること。
「丁寧な暮らし」について大まかに理解したところで、ここからは特徴を5つ紹介していこう。
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「丁寧な暮らし」をするうえで特徴的なことのひとつが、“自分自身の心地よさ”にフォーカスすること。
他の人ががそうしているから、ではなく"自分が丁寧に心をこめてしたいこと・ものを、丁寧にする"ことが重要だ。
本当に気に入ったものを愛用することも、丁寧な暮らしのポイントだ。
たとえば、日常で使う料理道具や文房具、洋服など、本当に気に入ったものに囲まれて過ごすことは、自分自身の心地よさにもつながっていく。
それらを大切に使い、手間や時間を惜しまずに手入れし、長く愛用する。そうすることで、より一層愛着が湧き、大切に長く使い続けることができる。自分が愛でているものが身の回りに増えることで、自分の心も満たされていく。
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毎日忙しく過ごしていると、季節の移り変わりを見逃してしまうことも多い。
時に立ち止まり、季節の移り変わりに目を向けて楽しむことも、「丁寧な暮らし」を送るコツといえるだろう。自然に意識を向けることで心に余白が生まれ、心地よい生活につながっていく。
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「丁寧な暮らし」を送るなかで、季節や自然に目を向ける余裕が生まれると、「いつも使っているこの洗剤は、海を汚さないだろうか」「使い捨てているものが多いかもしれない」など、一つ一つの行動に疑問や気づきが生まれるだろう。
このように環境に配慮するようになるきっかけをくれるのも、「丁寧な暮らし」の特徴だ。
「自分の体にとって心地がいいもの」「自然にとってやさしいもの」にフォーカスして暮らしていると、化学物質など人工的なものを遠ざけたくなるのは自然なこと。買い物の際、商品の選び方にも変化が生まれるはずだ。
ここからは、「丁寧な暮らし」の具体例を紹介していく。たくさんあるなかで、取り組みやすいものをピックアップしたので、自分にとって心地いいと感じられることから実践してみてほしい。
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「花を飾る」ことは、「丁寧な暮らし」を始めるうえで手軽な方法のひとつ。
まずは、花瓶や花を選ぶとき。花屋などに行って、たくさんの種類のなかから自分のお気に入りを見つけることは、自分自身と向き合うきっかけにもなる。そして、店頭に並ぶ色とりどりの花を見ることで、季節のうつろいを感じることもできるだろう。店員に季節の花について教えてもらうこと、育て方について詳しく説明してもらうことも、豊かで贅沢な時間の使い方だ。
花と花瓶を用意して花を飾ったら、毎日の手入れも大切だ。水を換えたり、枯れた花や葉を取り除いたり、ドライフラワーにしたりと、長く楽しめるよう愛しむことが、丁寧な暮らしにつながっていく。
家族や友人と過ごす時間も楽しいけれど、あえてひとり時間を楽しむのも、丁寧な暮らしのひとつ。
行ってみたかったカフェに行ったり、観たかった映画をみたり、読みたかった本を読んだり、とにかくゆっくり休んだり、自分が心地よくワクワクすることを楽しむ時間は、未来への活力となるだろう。
「こんなことをして過ごすのが好き」「こんな空間が快適」など、改めて自分にとって何が心地いいのかを知るきっかけにもなるはずだ。
旬のものを積極的に食べてみるのもおすすめだ。
とくに野菜は、旬の時期と栄養価が高い時期が重なっていることも多いため、食べることで体も喜ぶだろう。毎日の食事を見直すきっかけにもなるうえ、旬に注目すると季節を感じることもできる。
さらに、旬のものは生産時の必要エネルギーや輸送距離が短く抑えられ、環境にもやさしいというメリットがある。
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いつもはお店で買うものを自分でつくってみるのも、丁寧な暮らしのひとつ。
惣菜をよく買う人は、自分で料理をしておかずをつくってみたり、ふだんから料理をする人は調味料を一からつくってみたり。自分の生活に合わせて、無理のない範囲で手づくりしてみると、ふだん買っているもののありがたみを改めて感じるなど、新しい発見があるはずだ。
たくさんの魅力的で便利なものが日々生産され、購入しやすい時代になっているが、まずはいまあるものに目を向けて、それを大切に長く使ってみて。
大切に扱い、手間や時間をかけて丁寧にケアすることは、「丁寧な暮らし」そのもの。ひとつのものを長く使うので、ごみを減らすことにもつながり、地球にもやさしいアクションといえるだろう。
ここからは、「丁寧な暮らし」を送っている人、これから送りたいと思っている人におすすめの商品を紹介していこう。
「高田耕造商店」の棕櫚のやさしい小ぼうきは、小回りのきく、ハンディータイプの卓上小ぼうき。ベッドやソファなど、ファブリックのほこり払いとしても使用できる万能アイテムだ。
手作業で編まれた棕櫚の毛先は、細く当たりがやさしいのが特徴。毛先についたごみも手で簡単に取れるので、手入れもシンプルで扱いやすいのも、おすすめのポイント。
大切に使えば、10年、20年と長く使い続けることができるうえ、使い続けて摩耗してきたら玄関や外用の箒としても使用可能。最後まで無駄なく活用することができる。
オーガニックエアープレミアムフェイスタオルは、まるで触ると溶けてなくなってしまうような、ふわふわで軽やかな新感覚のフェイスタオル。特殊な糸とこだわりの設計によって、洗濯を繰り返しても軽やかな風合いはそのまま。長く、心地よく使えるのが魅力だ。
「IKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック)」のオーガニックタオルは、厳しい世界基準に基づいて第三者認証機関より認証を受けたオーガニックコットンを使用。環境にも配慮されたアイテムで、ギフトにもおすすめ。
「さささ」の和晒は、拭く・包む・漉す・敷くなどマルチに使える万能な布。食器や野菜、テーブルなどを拭くほか、ドリップコーヒーを淹れる際のフィルター、野菜やご飯を包んで保存する時のラップ代わりなどにも活躍する。
洗って繰り返し使えるので、キッチンペーパー代わりに使えば、ごみを減らすことができる。プラスチックフリーを目指している人にもおすすめだ。
いつもお店で購入している調味料を、自分でつくってみるのも「丁寧な暮らし」らしいアクションだ。
「今しぼり」の育てる醤油は、本物の醤油が簡単に手づくりできるアイテム。自分で仕込んだできたて醤油を味わうことができる。
農薬不使用で有機肥料を用いて栽培した国産大豆と国産小麦でつくった醤油用麹、育てる容器、呼吸する木の蓋、育て方説明書がセットになっているので手軽に挑戦できる。
「丁寧な暮らし」を実践していると、毎日の炊事や洗濯で流れ出る生活排水が自然を汚していないだろうか、と気になる人も少なくない。そこでおすすめなのが、ホタテの貝殻からできた「618scallop powder (ロクイチハチスカラップパウダー)」のホタテパウダーだ。
キッチン・お風呂・トイレ・リビングなどの掃除、洗濯、トイレなどの消臭剤として使用が可能で、その排水は、排水管や河川を通り自然に還っていく。
刺激性は蒸留水以下。ペットや赤ちゃんのいる家庭でも安心して使うことができ、食品についた残留農薬の洗浄にも最適だ。
家庭から出る生ごみの処分にはコンポストがおすすめ。「LFCコンポストセット」は、生ごみの分解を早め悪臭の発生を抑える独自配合の基材と、水や虫の侵入を防ぐ特注のファスナーが付いた専用トートバッグのセット。
初めての人でも失敗しにくく、簡単に栄養価の高い堆肥をつくることができる。これをきっかけに、家庭菜園を始めてみるのもおすすめだ。
化学繊維の生地を用いた衣類を洗濯すると、極小のプラスチックファイバーが排水路へと流出してしまう。そんな洗濯によるマイクロプラスチックの流出を防ぐフィルター付きの洗濯ネットがこちら。
衣類同士の絡まりや型崩れを防げるうえ、海洋汚染の原因のひとつであるマイクロプラスチック対策にもなる、衣類にも地球にもやさしいアイテム。
食器を洗っているときにうっかり割ってしまったり、何かの拍子に淵が欠けてしまったりといった経験は誰にでもあるだろう。それがお気に入りの食器だと、捨ててしまうのは悲しく、もったいない。「堤淺吉漆店」の金継ぎセットを使えば、天然の漆と純金粉を使って、割れたり欠けたりした食器を修理することができる。
割れた食器を漆で接着し、継ぎ目部分を金で装飾して修理するため、もとの食器とは違った味わいに。長く使えるうえ、手をかけることでお気に入りの食器がさらに愛しくなるだろう。
「aco wrap(アコラップ)」のミツロウラップは、主にみつろうとオーガニックコットンでできた天然素材のラップ。
繰り返し使えて環境にやさしいうえ、みつろうとホホバオイルの抗菌性と天然の保存性により、食品の鮮度を保てるのも嬉しいポイントだ。約半年〜1年ほど使用が可能で、最後は土に還すことができる。
「HAPPI(ハッピー)」の認定オーガニック洗濯用洗剤は、オーガニック成分100%でつくられた、洗濯用洗剤。8kgの洗濯機に対して約2.5mL(小さじ半分)で十分な洗浄力を発揮ため、ひとつで400回分の洗濯が可能。約1年使えるので、容器ごみを大幅に減らすことができる。
素材は有機濃縮ソープベリーナッツ、有機ソイビーン(豆)グリセリン、有機ココナッツビネガー、有機ユーカリ&オレンジエッセンシャルオイルの5種類のみというシンプルさも魅力。しかもそのすべてが、認証取得済みのオーガニック成分だ。遺伝子組み換え成分や有害な成分は一切含まれていないので、生産に関わる土地から家庭排水にいたるまで、限りなくクリーンな洗濯を実現している。
「世界の海を汚染するプラスチックごみを減らす」をコンセプトに、世界中で支持されるシリコン製の保存容器「stasher(スタッシャー)」。
蒸す・焼く・温める・冷凍するなど、幅広い温度帯に対応しているので、キッチンのあらゆるシーンで大活躍。洗って何度でも繰り返し使えるので、プラスチック製の袋に代わるアイテムとして注目されている。
原料は食品用品質として認められている100%ピュアプラチナシリコーン。さまざまなサイズや形状を展開しているので、使い勝手のいいサイズが見つかるはずだ。
「LE CHENE & LE ROSEAU(ル・シェンヌ・エ・ル・ロゾー)」のベジタブルスポンジは、リサイクルした再生木材からつくられたセルロースが主原料の、環境にやさしいフランス生まれの家庭用スポンジ。
吸水性と耐久性に優れ、ワイングラスなどのデリケートな食器もやさしく洗い上げる。
売り上げの1%は、貧しい人々を支援するL'agence du Don en Nature(ラジャンス・デュ・ドン・エン・ナチュール)に寄付される、環境にも人にもやさしいアイテムだ。
柄の素材に成長が早く循環型素材といわれる竹を使用することで、プラスチックごみの80%削減に成功した、「MiYO Organic(ミヨオーガニック)」のオーガニック竹歯ブラシ。
「やわらかめ」と「ふつう」の2種類から、好みの硬さを選ぶことができ、日本人の口腔サイズに合わせた小さめのヘッドで奥歯まで磨きやすいのもポイントだ。
日常的にペットボトルの飲み物を買ったり、カフェやコンビニで使い捨てカップのコーヒーを買ったりしている人には、マイボトルがおすすめ。
多少荷物になるかもしれないが、ごみを減らすことができるので環境にやさしく、心が軽くなるはずだ。さらにステンレスボトルなら、保冷・保温が効くのでおいしさも長持ちする。
「MiiR(ミアー)」と「ELEMINIST」のコラボステンレスボトルは、ワイドな飲み口で洗いやすいのが魅力。手快適かつ衛生的に使い続けることができる。
新潟県の家具屋「朝倉家具」が手がける、杉の木と桐の木を使った新しいわっぱ弁当箱。杉と桐が余分な水分を吸収するため、ごはんがベチャつかないのが嬉しいポイントだ。
わっぱ弁当箱は扱いがむずかしいイメージがあるが、こちらは木の質感を損なわない程度に、液体ガラス塗料で仕上げているので、手入れが比較的簡単。角丸の長方形で、食材が詰めやすく、カバンに入れたときデッドスペースができにくいなど、こだわりが詰まった弁当箱だ。
「丁寧な暮らし」といっても、取り組むシーンや内容は人それぞれ。人と比較せず自分自身と向き合い、“自分にとっての心地よさ”を見つけることが大切だ。
実践していくなかで、日頃の家事や行動が地球環境に悪い影響を与えていないか疑問に思うことも出てくるだろう。ぜひその際は、環境にやさしい選択を積極的にして、自分だけでなく地球にとっても心地よい暮らし方を目指してみてほしい。
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