公益社団法人 日本野鳥の会と認定NPO法人 サロベツ・エコ・ネットワークは、共同事業として絶滅危惧種「シマアオジ」の生息地14.8haを購入した。購入地は「野鳥保護区シマアオジ第1」とされ、今後シマアオジの営巣場所となることが期待されている。
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公益社団法人 日本野鳥の会と、認定NPO法人 サロベツ・エコ・ネットワークは、協働事業として「絶滅危惧種の保全」のために寄せられた寄付を元に、北海道・サロベツ原野のシマアオジ生息地14.8ha(ヘクタール)を購入した。
購入した土地は「野鳥保護区シマアオジ第1」として恒久的に保全される。
国内で繁殖するシマアオジの総つがい数は、2019年にはわずか10つがい強にまで落ち込み、国内絶滅の危機に瀕している。
生息つがいの営巣場所のほとんどは利尻礼文・サロベツ国立公園や国指定サロベツ鳥獣保護区内に位置し、法的な保護指定のある場所に生息する。
極端に繁殖つがいが減少しているなかで、シマアオジに利用されていた今回の購入地は、保護区外に位置することから、農地整備等によって生息環境が消失する恐れがあった。
土地の環境は、過去に農地として改変されたことがない良好な草原環境が維持されていて、過去には繁殖記録もあることから、今後の営巣場所としての利用が期待できる。
シマアオジはスズメ大の小鳥で、日本では北海道に渡来し繁殖を行う夏鳥。西はフィンランド、左はカムチャッカ半島までおよぶ広大な範囲で繁殖し、北部ユーラシア大陸の草原環境で繁殖するもっとも数の多い小鳥のひとつだった。
北海道でも草原でごく普通に見られていたが、1980年代以降、急速に繁殖の分布域を狭めていき、現在ではサロベツ原野の一部でのみ繁殖が確認されるレベルにまでなっている。
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでCR(近絶滅種)、環境省版レッドリストでも絶滅危惧IA類ともっとも絶滅の恐れの高いランクにあり、2017年には「種の保存法」の指定種となっている。
減少の要因は、中継地である中国や越冬地である中国南部、東南アジアでの密漁や生息環境の悪化にあるとされている。
地球環境の急激な悪化、密漁など人間の身勝手な行為によって、多くの生物たちが生きる場所を奪われている。この取り組みが、多くの人にとって「種が絶える」ことの重みをいま一度考えるきっかけになることを願う。
問い合わせ先/公益財団法人 日本野鳥の会
https://www.wbsj.org/
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