森の都合に合わせた建物づくり 間伐材や端材を活用した宿泊施設「MAISON SHIRO」4月にオープン

「MAISON SHIRO」外観

コスメティックブランド「SHIRO」は4月26日、北海道長沼町に一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO」をオープンする。北海道産の間伐材や家具などの制作で余った端材の木材を活用し、“森の都合”に合わせた建物づくりがコンセプトだ。

ELEMINIST Press

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2024.03.28
EARTH
編集部オリジナル

地球を救うかもしれない… サキュレアクトが出合った「未来を変える原料」と新たな挑戦

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地球にやさしい一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO」宿泊予約開始

MAISON SHIRO外観

コスメティックブランド「SHIRO」は 2009 年にブランドスタート以来、“Simply Simple”を信念に掲げ、地球にとってシンプルに、正直に、ありのままに “自分たちが毎日使いたいものをつくる”ことに向き合ってきた。そんなSHIROは、今年で15周年。

長年掲げてきたこの信念を建築にも取り入れ、2024年の春、北海道長沼町に一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO」をオープンする予定だ。3月25日(月)から「MAISON SHIRO」の公式サイトにて4月26日(金)の宿泊分の予約がスタートしている。

2階建・延床面積215.48㎡の空間を最大定員4名でゆったりと利用することができ、蒸留施設やプライベートサウナだけではなくインテリアや家具、これまでそっと眠っていたブランドの歴史を紡いできたサインなど、すべてのものからSHIROの暮らしを体感することができる。

「MAISON SHIRO」は効率や入手しやすさといった従来の建築都合の設計・建設ではなく、森の都合に合わせた建物づくりを目指し、建築資材となる木材を森のために丁寧に作業をしている林業従事者から直接購入。

柱や梁といった構造材だけではなく、壁や床の裏側にある見えない下地材や外壁、造作家具もすべてこうした木材のみでつくりあげている。

昨年末に表明した“15年目の宣言”にあるとおりすべての資源の価値を見つめ直し、本質的な循環のために、これまでの建築方法を見直し実践することで、「MAISON SHIRO」に興味をもってもらうとともに、建築業界や社会構造に変化が生まれるきっかけにつなげることを目指している。

端材がドアハンドルへ、作家がリメイク

北海道在住のふたりの作家の手によって、家具などの制作で余った愛別のマカバの端材が、ドアハンドルやドアノブに形を変えて生まれ変わっている。

木材の種類によって変わる個性を活かしながら造形が形成されており、やさしく手の平で包みこんだときの心地良さにこだわったドアハンドルは、無垢の木の性質からも、たくさんの人に触れられて深みが増していく雰囲気もイメージしてつくられている。

生まれ変わったドアハンドル

※(写真左)内田悠氏によるエントランスのドアハンドル
※(写真右)
辻有希氏によるサウナのドアハンドル

SHIROのランドリーバッグに余ったものは詰め込んで

ランドリーバッグ

宿泊中に食べきれなかったパンや未使用の歯ブラシ、スリッパなどを持ち帰ることができるよう、一人ひとつずつランドリーバッグをプレゼント。

持ち帰った後は、買い物バッグやちょっとしたお出かけ用バッグとして繰り返しリユースすることができるよう、通気性も良く、水にも強く、超軽量で強度のある素材でつくられている。

使用した間伐材や端材の木材は8種類以上

木材のサンプル

「MAISON SHIRO」の建築にはすべて北海道産の間伐材や家具などの制作で余った愛別のマカバの端材の木材を使用している。

“みんなの工場”でも余ったセン、ハン、サクラはフローリングに。エントランスのドアハンドルにはマカバを。

柱や梁には強度がありねじれにくいトドマツを使っている。ほかにもカラマツ、白樺やクリなど計8種類以上を使用。

それらの木材のサンプルがリビングに用意されている。直接手に触れて、木の温もりを感じながら、どこに使われている木か予想しながらルームツアーをするのも楽しそうだ。

四季を映す庭で自然との調和を楽しむ

庭

※画像はイメージ

「MAISON SHIRO」を建設する長沼町加賀団体は周辺一帯を見渡せる見晴らしのいい丘の上にある。春や夏になると宿泊棟の前には緑豊かな庭が広がり、プルーンやハスカップ、ブルーベリー、野菜などさまざまな旬の素材が堪能できる。

時期によっては、自ら収穫した素材を料理に利用して、味わうこともできる。秋には紅葉を、冬には一面に広がる雪景色を大きなガラス窓から眺めながら、四季の移ろいを身近に感じるのもいい。

製品の原料となる素材の蒸留設備 “シロラボラトリー”

シロラボラトリー

宿泊棟の隣には製品の素材となる蒸留設備「シロラボラトリー」がある。近隣の森林を管理する過程で生まれる間伐材やその枝葉、森に自生する笹やヨモギを馬追(マオイ)山の天然の湧水である“馬追の名水”を用いて蒸留し、製品に使用。

北海道砂川市にあるSHIROの自社工場「みんなの工場」と製品の製造を並行して行っている。宿泊者は実際のものづくりの工程の一部を見ることができる。

プライベートサウナで感じる、北海道の自然の恵み

サウナ

施設に併設するサウナは、北海道愛別町の白樺やカラマツの加工で出た端材と札幌軟石を使用。薪ストーブ、電気ストーブともに本場フィンランドのIKI STOVE(イキ ストーブ)を設置し、爽快な熱気・熱波を感じることができる。

また、ロウリュウにはシロラボラトリーで蒸留した蒸留水を使用。特別な空間のなか、自然の恵みを全身で受けられる貴重な体験を楽しんでほしいとしている。

※安全面の配慮のため、しばらくは電気ストーブのみの利用となる。

滞在中は SHIROの製品が存分に楽しんで

アメニティ

リビングルームやバスルームなどいたるところにSHIROの製品が。バスルームで使用するシャンプー、コンディショナーやボディソープはSHIRO PERFUMEの香りから「MAISON SHIRO」だけのためにつくったものが置かれている。

バスソルトで旅の疲れを癒すバスタイムを楽しんだり、お風呂上がりはお気に入りの香りに包まれたり。香りとともに贅沢な時間を味わうことができる。さらに、今後発売するかもしれない試作品の使用もできるところも楽しみだ。

ディテールが隠れたバスタブでリラックス

バスタブ

バスタブにはちょっとしたひみつが。お湯を張り、湯船に浸かるとき、人は浴槽の縁に首の付け根あたりから後頭部を乗せてリラックスする時間を楽しむ。

つまり、浴槽の縁は人の身体が直接触れて、寄り添う部分となる。だからこそ、R形状のディテールやサイズにこだわり、短い滞在時間でも、リラックスした時間を過ごしてもらえるよう配慮がされているのだ。

同じ覚悟と志を持ったチームの力で “森の都合”に合わせた新しい建築と設計

内観

「MAISON SHIRO」は通常の建築方法ではなく“森の都合”に合わせた建物づくりにこだわっている。こうした新しい取り組みにおいては、建築デザイナーの小倉寛之氏をはじめ、プロジェクトマネージャー、施工主、ローカルアーキテクト、構造エンジニア、木材コーディネーター、空間プランナー、製材工に木こり、グラフィックデザイナーと多くの人が携わっている。

志をともにするチームの力で “自然の循環を守ること”と“美しいクリエイティブ”の両方をかなえる建物づくりが実現。

たとえば、内装の梁の設計を例に挙げると、歩留まりを良くするために廃棄箇所を最小限に製材した木材を使用。それらは、一般に流通している集成材のように狂いのない大きな角材とは違い、扱いにくさや難しさがあったという。

しかし、構造エンジニアと議論を重ね、細い材を連結させて強度を担保する柱梁構造にすることにより、デザイン性とのバランスを実現している。

「MAISON SHIRO」の間取り

間取り

素泊まり料金プラン(大人4名まで)

大人2名 ¥130000~
大人3名 ¥150000~
大人4名様 ¥170000~

チェックイン 15:00〜18:00
チェックアウト 8:00〜11: 00

※朝食セット1名につきプラス1500円。
※料金は曜日によって変動。
※支払いは予約時にクレジットカードにて。
※予約は電話やメールでは受け付けていない。
※オリジナルコーヒーとハーブティー付。
※夕食のプランはないが、キッチンに調理器具と調味料があり料理することができる。
※7日前までのキャンセル:宿泊料金の50%
※前日から当日までのキャンセルまたは不泊:宿泊料金の100%
※フリー WiFi完備、セミダブルベッド4台
※駐車場には乗用車が2台無料で駐車可。
※送迎サービスはない。
※レンタカーや自家用車の場合、冬は4WD、スタッドレスタイヤの装着が必要。

お問い合わせ先/SHIRO
https://shiro-shiro.jp/

※掲載している情報は、2024年3月28日時点のものです。

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