エシカル・インフルエンサーが集う「ELEMINIST MEET Vol.3」 アフターレポート【前編】

2024年2月29日(木)、エシカル・インフルエンサーイベント「ELEMINIST MEET Vol.3」が、「ライトボックススタジオ青山」にて開催された。前編では、出展ブランドのブースや商品など、気になるイベントの様子をレポート。

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エレミニスト編集部

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2024.03.28
SOCIETY
学び

イベントや商品の魅力を広げる エシカルインフルエンサーマーケティング

知って、学んで、体感する。エシカルな選択肢をアップデート

ELEMINIST MEET vol.3

2024年2月29日(木)に「ELEMINIST(エレミニスト)」主催によるイベント、「ELEMINIST MEET Vol.3」が開催された。サステナブル・エシカルな商品に取り組むブランドと、エシカル・インフルエンサーをつなぐ出会いの場として、毎回、好評を博している。

イベントに招待されたのは、エシカルへの興味関心の高いインフルエンサーとELEMINISTの読者らELEMINIST followersが約100名。この日訪れたエシカル・インフルエンサーの累計フォロワー数は、約60万人以上にも上った。

1階のブランドブースでは商品の提供を受けられるほか、担当者から直接話を聞き、じっくりと商品を閲覧したり試食できるスタイル。2階ではトークショーやワークショップも行われた。来場者にとっては商品への理解を深め、日常にエシカルなアクションの選択肢を増やす出会いの場に。出展ブランドにとっても生活者のリアルな感想を聞くことができる機会となった。

今回は、プラントベース、アップサイクル、フェアトレード、カーボンニュートラルなどをキーワードに、エシカルな商品を扱う7社が集まった[ハッピーエレファント(サラヤ)、ゼンブブレッド(ZENB)、ココナッツオイル&チョコレート(ココウェル)、ECOPET®︎(帝人フロンティア)、MAGNIFF(マグニフ)、ovgo Baker(ovgo)、Hoippo(ヘンリー)]。

※ELEMINISTの読者からなる公認コミュニティ

エシカルな取り組みで人と地球の未来を想うブランド7選

ELEMINIST MEET vol.3

第3弾となる今回も、多彩なジャンルからサステナブル・エシカルな商品がラインアップ。食品やコスメ、洗剤といった日用品、ペットグッズまで登場。開発者の想いやブランドストーリーに、熱心に耳を傾ける参加者の姿が見られた。「いつもブランドのセレクトが魅力的で楽しみにしている」、「このイベントがきっかけで選択肢が広がり、愛用している商品が増えた」など、紹介される商品への期待値も高い。

野生動物と環境のために。社会貢献につながる洗剤「Happy Elephant」

「ヤシノミ洗剤」でおなじみの「SARAYA(サラヤ)」からは、「Happy Elephant(ハッピーエレファント)」シリーズをピックアップ。RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)により、環境と人権等に配慮したパーム油の普及を支援するRSPO認証油マークを取得している洗剤だ。来場者には、「ハッピーエレファント液体洗たく用洗剤」が提供された。ブランド誕生のきっかけとなった、マレーシア・ボルネオ島の野生動物を守る取り組みや、伐採により失われた熱帯雨林や森を買い戻すなどのプロジェクトについても紹介され、来場者の関心を集めた。

SARAYA 広報宣伝統括部 統括部長 廣岡竜也氏と、ELEMINIST エディター 後藤未央によるトークショーも開催。ボルネオ島で見た、パーム油のプランテーションによる環境破壊の実態や、住む場所を奪われたゾウやオランウータンを救出する取り組みについて伝えた。エディターの後藤も、パーム油を使用するブランドとして、社会的責任をはたそうとする姿勢に感銘を受けたという。また、この商品のために開発した天然洗浄成分「SOFORO(ソホロ)」についても説明。発酵技術を利用したもので、洗浄力と安全性、環境への配慮を実現。よく指摘される泡立ち=洗浄力ではないとの話に、参加者も納得の様子だった。

SARAYA:「個人で環境保全のための活動をしましょう、といっても難しいと思います。それが、例えば、使う洗剤を変えるだけで可能になる。『SARAYA』という会社をうまく使って、社会貢献活動に参加してもらえればうれしいです」

ELEMINIST followers:「こちらの洗剤は発売当初から使っています。手が荒れにくいというのもあって気に入っていました。今回、ボルネオ島の環境保全プロジェクトの話を聞いて、どんな想いでつくられているのかを知り、ずっと使いつづけたいと思いました」

※1 「ハッピーエレファント」をはじめ、パーム油関連のブランドである「ヤシノミシリーズ」、「ココパーム」の各製品
※2 メーカー出荷額

「ZENB」提案の新しい主食は、グルテンフリーの豆粉パン

豆100%の「ゼンブヌードル」で抜群の知名度を誇る「ZENB(ゼンブ)」。イベント出展2回目となる今回は、小麦を使わず、スーパーフード・黄えんどう豆でつくったグルテンフリー(※)&糖質オフの豆粉パン「ゼンブブレッド」を紹介した。フレーバーは、くるみ&レーズン、カカオ、3種の雑穀の3タイプ。小麦粉でも、米粉でもない、第3のパンの登場に「ネットで知って気になっていた」という声も多く、試食コーナーは食べ比べを楽しむ人でにぎわっていた。

おいしく食べ続けることで、カラダにも地球にもやさしい“新しい主食”が使命のブランドにとって、豆粉パン「ゼンブブレッド」は長年の夢だった。しかし、他商品に比べ、豆粉パンの開発は難航。“ふわっ&もちっ”とした食感と、黄えんどう豆の臭みをなくし、おいしさを引き出すのに苦労したという。約4年もの歳月がかかった開発秘話は、プロダクトストーリーとして展示されており、来場者は興味深げに見入っていた。

※ 本製品はグルテン濃度を10ppm以下で管理。製造工場等では、特定原材料8品目中、くるみ・小麦・卵・乳成分を含む製品も製造している。これらにアレルギー症状のある方は、医師にご相談ください。

ZENB:「ECサイトでの販売がメインなので、試食した方の反応を目の前で見られるなんて、こんな機会はなかなか持てない。購入を迷っていた方に、ぜひ食べていただきたいです」「『ゼンブブレッド』は、トーストするのもおすすめ。外はカリっ、中はもちっとして、さらにおいしくなりますよ」

ELEMINIST followers:「やわらかくてびっくり! 言われないと豆粉のパンだとはわからない。小麦のパンと遜色なしのおいしさです」「グルテンフリーなのに、パサパサしたり、口の中の水分をもっていかれることもない。小さくて食べやすいので、朝食や小腹が空いたときに重宝しそう」

無限の可能性を秘めたココナッツで社会問題に挑む「cocowell」

バリエーション豊富なラインアップが並ぶのは、ココナッツ専門店「cocowell(ココウェル)」。種類豊富なココナッツオイルを筆頭に、ココナッツシュガーやミルク、ココナッツのお酒まであり、来場者も興味津々。ブースでは、「とろけるココナッツチョコ」の試食と、3種類のオイル「有機エキストラバージンココナッツオイル」、無香料の「有機プレミアムココナッツオイル」、MCT(中鎖脂肪酸)92%の「有機ココナッツMCTオイル」をプレゼント。「cocowell」が発行するココナッツ情報マガジン「ココナティスト」も配布され、レシピや社会貢献活動について、熱心に読み込む人も見受けられた。

ココナッツを通じて、フィリピンの貧困問題解決を目指す「cocowell」。その活動とココナッツの魅力を知ってもらうため、cocowell代表取締役 水井 裕氏によるトークショーが行われた。もともと環境問題を学ぶために訪れたフィリピンで、貧困問題に直面したのがブランド立ち上げのきっかけ。貧困に苦しむココナッツ農家を救うため、ココナッツオイルを日本に広める活動をはじめたと振り返る。また、貧困問題だけでなく、環境問題や健康・美容にも効果的だという、ココナッツのサステナブルな魅力についても語った。最後にココナッツアイスの試食もあり、参加者から「おいしい!」と感嘆の声があがっていた。

cocowell:「ココナッツオイルは体にいいイメージがあると思います。それは、ほかのどんなオイルよりも酸化しにくいというのが理由のひとつ。なので、炒め物や揚げ物といったお料理に使うと、時間がたってもカラッとしていておいしいですよ。お子さんのお弁当なんかにもおすすめです」

ELEMINIST followers:「フィリピンのココナッツ農家さんの支援活動も行っていると知って、商品を購入することで賛同したいと思いました」「ココナッツアイスがおいしかった。大阪のお店ではスクープしたての最高の状態で食べられるそうなので、ぜひ行ってみたいです」

リサイクルポリエステル「ECOPET®︎」のなりたちを知る

会場のテーブルクロスにも使用されている、「帝人フロンティア」のリサイクルポリエステル「ECOPET®︎(エコペット)」。使用済みのペットボトルや衣料品、繊維くずを加工し、新たな繊維として再生させた素材だ。ブースでは、「ECOPET®︎」になるまでの2つの方法を紹介。1つは、使用済みのペットボトルからつくる、マテリアルリサイクル。2つめは、製造工場で発生した繊維くずや糸くず、回収された古着からつくる、ケミカルリサイクル(化学的な分解処理を行うリサイクル方法)だ。それぞれ粉砕して、糸になるまでの過程を見て触ることができ、リサイクルへの理解が深まる展示となった。

実際にブースでは「ECOPET®︎」を使った商品も紹介されていた。エコで機能的なため、カーテンといった日用品や電車のクッション材のほか、ファッションブランドやアウトドアブランドにも採用されている。来場者からも「身近なブランドに使われていてびっくり!」と驚きの声があがっていた。企画中のELEMINISTとのコラボ商品「抗菌防臭機能のあるバッグインバッグ」の展示もあり、来場者からの注目を集めていた。「ECOPET®︎」でできた「今治タオル®」のプレゼントも好評だった。

帝人フロンティア:「私たちはメーカーなので、ふだんお付き合いがあるのは企業さんばかり。なかなか消費者の方と直接お話ししたり、説明させていただいたりする機会はありません。実際に『こんなふうにつくられているんですね!』といった反応があると、とても励みになります」

ELEMINIST followers:「1本のペットボトルから取れる糸はほんのわずかと聞いて驚きました。今後はもっと社会全体で協力して、ポリエステル100%の古着を循環させるシステムが浸透すればいいなと思いました」「いただいた『ECOPET®︎』の『今治タオル®』は、お家で手触りや吸収率など試してみたいです」

天然由来成分100%のジェンダーレスなスキンケア「MAGNIFF」

使用するのは天然由来100%の原料のみという、ヴィーガン対応(※1)のスキンケアブランド「MAGNIFF(マグニフ)」。アロマの香りに誘われて、多くの人がつめかけていた。提供されるスキンオイルは、2種類。「MAGNIFF スキンオイル バオバブ」はイランイランが華やかな香りを放ち、乾燥知らずの肌へと導く。「MAGNIFF スキンオイル カカイ」の方は、落ち着きのあるウッディな香りが特徴で、天然のレチノール配合。エイジングケア(※2)におすすめだとか。

ブースでは、ほかにボディ ウォッシュや、ハンドクリーム、石けんなどが紹介されていた。なかでも「ミストトナー ヨモギ」の香りは格別。南阿蘇の美しい水と大地で育った植物を原料に、契約農家にてフレッシュなままのヨモギやラベンダーを蒸留している。ブランドの原点は、シンプルだけど奥深い、植物オイルと石けんだという担当者の話に、来場者は興味深く聞き入っていた。

※1 「MAGNIFF ハンドクリーム ホーウッド」のみ、原料にミツロウを使用
※2 加齢(エイジング)に応じたお手入れ(ケア)のこと

MAGNIFF:「香りやテクスチャーにこだわっているので、実際に試していただけるイベントは、とても有意義ですね。スキンケアの使い方をお教えすると、『知らなかった!』『やってみます』といった反応があり、対面でお話しできる良さを実感しました」

ELEMINIST followers:「いい香り! まるで森林のなかにいるような感じがします。お風呂上がりに使って、リラックスしたいですね。オイルの伸びもよかったです」「パッケージのデザインがすてき。映画のエンドロールをモチーフにしたと聞きました。性別・年齢問わず使えそう」

おいしいのにサステナブル。プラントベースクッキー「ovgo Baker」

プラントベースクッキーを販売する「ovgo Baker(オブゴ ベイカー)」のブースでは、食べごたえたっぷりなアメリカン・クッキーの試食で注目を集めた。用意されたのは、小麦を使ったタイプと、オートミールを使ったグルテンフリーの2種類。チョコレートチップ、抹茶ココナッツ、チェリーベリー、シナモンレーズンなど豊富なフレーバーが揃う。どれも卵や乳製品不使用、100%植物由来の原料にこだわったプラントベースだ。

パネルでは、原料をプラントベースにすることで、一般的な卵やバターを使用したチョコレートチップクッキー(※1)に比べ、約84%もの温室効果ガス排出量の削減に成功(※2)したことを紹介。環境にやさしいアクションのひとつとして、プラントベースという選択肢があることを説明した。来場者からは、「ここのクッキーが食べたくて来ました!」という声も聞かれ、サステナブルなだけではなく、おいしいクッキーとして認知されているようだ。

※1 レシピ投稿サイト内「チョコレートチップクッキー」の検索結果を参照
※2 サステナビリティをデータの見える化に取り組むクオンクロップ社と連携し、製造するクッキーの原材料調達から販売・廃棄までの温室効果ガス排出量を計測した結果によるもの

ovgo Baker:「プラントベースやグルテンフリーに興味はあるけれど今まで手が出なかった、そんな方に試していただけるとうれしいです。パッケージが可愛い、食べておいしいというのも、うちの強みだと思うので」「実は『ovgo Baker』のクッキーには、本日出展されている『cocowell』さんのココナッツを使用しているものもあるんですよ」

ELEMINIST followers:「ちょうど今年のバレンタインデーに、こちらのクッキーを配りました! みなさんヴィーガンとは知らなかったようですが、おいしいと好評でした。環境について考えるきっかけにもなってよかったです」「フレーバーの種類も多く、迷います。罪悪感なく食べられるので、ダイエット中にもよさそう!」

ペットグッズにエシカルな新風を吹き込む「Hoippo」

ペットの健康だけではなく、飼い主を通して地球にやさしい循環を目指すペットグッズブランド「Hoippo(ホイッポ)」には、多くのペット好きが集まった。このジャンルで環境に配慮したブランドはめずらしいためか、「以前からチェックしていた」という人も。ブースでは、愛犬と共有できるオーガニックドライフルーツアソートをはじめ、ドッグフードや、ペットシーツなどが提供された。

植物由来89%のペットシーツは、国内初の試み。通常のプラスチック製品と比べ、製造から焼却までのCO2排出量を削減できるという。また、国産の高吸収ポリマーを使用しているため、機能面も申し分なし。改良を重ねた速乾性の高さを知ってもらいたいと、実際にシーツの表面を水で濡らし、来場者に確認してもらう場面もあった。ほかにも、主原料に有機認証のおからを使った猫砂や、減農薬・有機認証の国産ヒューマングレード原料にこだわったドッグフードなどが紹介され、来場者の興味をさらっていた。

Hoippo:「『植物由来のペットシーツなんて、初めて!』といった声が多く聞かれました。プラスチックではなく植物性となると、機能面で不安を感じられることもあります。今後は、吸収性や速乾性の高さなど、機能性の良さを打ち出していきたいですね」

ELEMINIST followers:「猫を飼っているので、ペットグッズでエシカルな商品を探していました。おからの猫砂を実際に触ってみて、粒の大きさや感触など、使いやすそうなので購入してみたいです」「ペットグッズでサステナブルな商品があるなんて知りませんでした。おしゃれ過ぎるパッケージのデザインも好み!」

自宅にある紙を再利用。ラッピング ワークショップ

出展ブース以外にも、ラッピングのワークショップも人気だった。ラッピングペーパーは、自宅にあるきれいな紙ならなんでもOK。今回は、ELEMINIST SHOPのインナーペーパーを使用した。ラッピングデザイナー益田志穂氏の指導のもと、「nahrin(ナリン)」の「ベジタブルブイヨン」を包み、折り紙の要領でラッピングしていく。最後に水引細工や、オーブンで簡単にできるドライオレンジのオーナメントを飾れば完成。参加者からは、「水引も可愛いので、ブックマークとして再利用したい」という声も。ドライオレンジは、バスソルトの香り付けにも使える。

プラントベースな「nahrin」のベジタブルブイヨンをプレゼント

ELEMINIST MEET vol.3

「nahrin(ナリン)」からは、フード部門人気No.1の「ベジタブルブイヨン」のサンプルが提供された。スイスに本社を構え、村に自生するハーブを使った自然食品からスタートしたブランドだ。太陽光や地熱などクリーンエネルギーを導入し、1980年代から製造時のCO2排出量ゼロを実現している。こちらの「ベジタブルブイヨン」は、化学調味料・動物性原料不使用というプラントベース。野菜とハーブのうまみが特徴で、そのままお湯に溶かしてスープにしたり、「粉末なのでスクランブルエッグにも使っています」という愛用者の声も聞かれた。

来場したエシカル・インフルエンサー、ELEMINIST followersの感想は後編につづく。


撮影/ELEMINIST編集部 執筆/村田理江 編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2024年3月28日時点のものです。

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