終活で生まれる古着が世代をつなぐ 物語で買うアパレルショップ「SECOND LIFE」がスタート

SECOND LIFE キービジュアル

都内に6店舗展開するヴィンテージショップ「サファリ」が、終活における衣料処分問題に着目した「物語で買うアパレルショップ『SECOND LIFE』プロジェクト」を立ち上げた。思い出や時代背景といった「物語」を持つ古着を取り揃えたECサイトで、シニア世代とZ世代をつなぐ。

ELEMINIST Press

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2024.03.26
SOCIETY
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エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

シニアが持つ“物語”のある服を若者へつなぐ古着プロジェクト開始

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2001年にスタートし、コレクターや著名人にも愛されるヴィンテージショップ「サファリ(SAFARI)」が、終活における衣料品処分問題から、シニア世代とZ世代の新たなつながりをつくる取り組みを着想し「物語で買うアパレルショップ『SECOND LIFE』プロジェクト」を立ち上げた。

シニア層が終活で処分する衣料品には、当時の時代背景が映し出されたり、持ち主の長年の思い出が込められている。

これらを衣料品の「物語」ととらえ、この物語を起点に商品を購入することで、売り手と買い手の新たなコミュニケーションを生み出す取り組みだ。

第一弾として3月19日(火)から、持ち主の「物語」とともに衣料品を販売するECサイト「SECOND LIFE」をオープン。

約50年前の原宿で大人気だった店舗の洋服や有名ハイブランドのヴィンテージアイテムなど約30点の衣料品を取り揃える。

物語で買うアパレルショップ『SECOND LIFE』プロジェクト

「SECOND LIFE」プロジェクトは、衣料品に込められた持ち主の「物語」を起点に商品を購入できる新たな取り組み。

近年、Z世代を中心に個人が持つ魅力や物語をエンターテインメントとして捉え消費する「ヒト消費(※1)」が盛り上がりをみせるなか、シニア層が終活で処分する不要な衣料品の1つ1つには、当時の時代背景や持ち主の長年の思い出などの「物語」があることに着目した。

衣料品に込められた「物語」が売り手と買い手の新たなコミュニケーションを生み出すきっかけになることを目指す。商品とともに「物語」が届き、衣料品に込められた想い出やストーリーを感じる体験ができるのが魅力だ。

第一弾が3月19日(火)に開始。第二弾は、4月上旬を予定している。

※1 他人の人生からエンターテインメント性を見出し、物語ととらえ感動などを得る消費

シニア層の終活事情「思い出があって捨てられない」

全国の20~69歳の男女1000人を対象に実施された「終活に関する調査」(※2)によると、終活で今後する予定があること、興味があることとして「家の中の荷物整理」が48.1%でトップであることが明らかになった。

一方、サファリの店舗に足を運ぶシニア層からは「たとえ数十年着ていない洋服でも、思い出が詰まっていて処分しにくい」という声が届いていたことをきっかけに、終活における衣料品の処分は物理的な負担だけなく精神的なストレスを感じられていることがわかった。

そうした経緯から、衣料品に込められた「物語」とともに次のお客さまへ届けることで、ポジティブに終活に向き合うきっかけになるのではないかと考えたことが、プロジェクトのきっかけとなった。

※2 出典元:楽天インサイト株式会社

“物語”を伝える購入体験

インスタグラムを通じて特設サイトで購入をすると、購入者には、衣料品に込められた「物語」と「物語から着想した画」が描かれたポストカードが同封されて商品が届く。さらに、商品には物語の成分表タグもついている。

出品物紹介(一部抜粋)

Garden of Love ーバラ咲く庭でー

「子育てが大変だった頃、毎年庭に咲くバラを楽しみに手入れをしていた。忙しくても、綺麗なシルクのブラウスを着てほんのちょっと気持ちが華やぐのを感じて。そんな小さな愛おしい日々に」

商品情報:1970年代、Gucciのシルク100%のブラウス。ラベルの筆記体ロゴがレアなアイテム。

Hoppy Bar Hopper ーホッピー通りの夕暮れー

「仕事終わりは、ちょっとおしゃれして上野御徒町のホッピー通りへ。スツールに座って、店の自慢の煮込みとホッピーで仲間と乾杯。明日も頑張ろうと笑い合う帰り道」

商品情報:春や秋にぴったりのコットン素材のゴルフジャケット。ゴルフの聖地・イギリスのブランドによく見られるデザイン、日本では最近人気の形。

Cool Summer Escapes ー波音の周波数ー

「それは、海の見えるホテルだった。毎年夏は、アイスブルーのワンピースで気分も涼しく避暑地に向かう。我が家の夏の風物詩」

商品情報:暑い夏にも涼しげに映えるアイスブルーのワンピース。やや光沢のある生地。肩から裾まで配置されたレースの花の立体ディテールがアクセント。東京「あやめ洋裁店」の オーダーメイド、1967年製。

Alice in Silvergrass Field ーすすき野原のアリスー

「夏は、家族で箱根の別荘に行くのが恒例行事で すすき野原を眺める時間が密かな楽しみだった。当時人気だったALICEのワンピースをなびかせて」

商品情報:夏にぴったりなコットン素材のワンピース。生地をバイアスに使用したサーキュラースカートでロマンチックなシルエットに。原宿のALICEで購入。1976年ごろの品。

Mom‘s Boat Adventure ーテムズ川の冒険ー

「家族で休日にはよくテムズ川に遊びに行っていた。3人の子どもたちはボートに乗りたがり、それを漕ぐのはもっぱら私の役目。初夏の陽気の中、オールを漕いでいるとブラウスを心地よく通る風が応援してくれた」

商品情報:1980年代、CELINEのシルクブラウス。モチーフのペイズリーは羽のようにも見えてお洒落。素材が柔らかく伸縮性があるので動きやすい。イタリアで縫製した品。

Worldly Elegance ー風格をまとってー

「夜にはよく、商談相手とのパーティーがあった。 フォーマルな場を、堂々と自分らしく愉しむのにこだわりのオーダースーツが自信を与えてくれた。出張先のパリで、行きつけの百貨店でディテールにまでこだわって1着1着を仕立てて」

商品情報:「革の魔術師」と呼ばれるイタリアの靴職人Stefano Bermerのブランドのプレタポルテ一号店にて購入。彼が存命の2000年頃、青山店でオーダーメイドした靴。

お問い合わせ先/サファリ
https://e-safari.co.jp/

※掲載している情報は、2024年3月26日時点のものです。

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