「京セラ」水をまもるために、まとうファッション“TRUE BLUE TEXTILE”プロジェクト始動

「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクトキービジュアル

京セラ株式会社は、3月22日の「世界水の日」に合わせ、“水をまもるために、まとう”をコンセプトにした「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクトを始動。繊維・アパレル業界の水質汚染などの社会課題の解決に貢献するための取り組みを開始している。

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2024.03.18
SOCIETY
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京セラ「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクト 繊維・アパレル業界における社会課題の解決に向けて

「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクトキービジュアル

京セラ株式会社は、繊維・アパレル業界の水質汚染などの社会課題の解決に貢献するため、水の使用量を極限まで削減したインクジェット捺染(なっせん)*1プリンター「FOREARTH(フォレアス)」を開発し、3月22日(金)の「世界水の日(World Water Day)」に合わせて、人々の環境意識の向上を目指した「TRUE BLUE TEXTILE(トゥルー・ブルー・テキスタイル)」プロジェクトを開始した。

*1 生地に模様を印刷すること

“水をまもるために、まとう”をコンセプトにした「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクトは、ファッションを身に着けることで繊維・アパレル業界における社会課題を知り、考えるきっかけを促す取り組みだ。

「TRUE BLUE TEXTILE」は「FOREARTH」を活用し、これまで国土交通省実施の全国一級河川の水質調査において10年間で8回*2、水質ランキング日本一に選出されている高知県・仁淀川の水面をプリントしたテキスタイルだ。

美しい服を着ながら、美しい水を守ることを両立し、このテキスタイルをまとうことで未来の環境を守っていく意思表示をすることができる。

このプロジェクトの趣旨に賛同した森永邦彦氏が手がける「ANREALAGE(アンリアレイジ)」と、数々のデザイナーを世に送り出してきたバンタンデザイン研究所が、合計5着の衣装を制作。

3月16日(土)から17日(日)まで東京渋谷 PARCOで、3月22日(金)から3月24日(日)まで京都市京セラ美術館で展示する。さらに、先着順でプロジェクトの趣旨に賛同する人に「TRUE BLUE TEXTILE」を無償提供する。

世界水の日について

「世界水の日」は、淡水の保全と持続可能な淡水資源管理の促進への人々の意識を啓発し、各国の行動につなげるため、1992年12月の国連総会で制定された。以降、世界中で毎年3月22日やその前後に、さまざまな催しやキャンペーンなどが行われている。

「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクト開始の背景

従来、繊維・アパレル業界では、生地を染める際に、スチームや洗浄などの工程で大量の水を使用しており、その排水による水質汚染が世界的な問題となってきた。

加えて、在庫過多による大量廃棄問題も注目されており、早急な対応を迫られている。京セラは、これらの課題解決に貢献するため、高速・高画質印刷を実現するインクジェット技術と、京セラドキュメントソリューションズのインク・機器開発技術を融合させ、水の使用を極限まで削減したインクジェット捺染プリンター「FOREARTH」の開発に成功した。

「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクトでは「FOREARTH」で印刷した生地で制作したファッションを通じて“水をまもるために、まとう”という意義を多くの人々に考えてもらうことを目指す。

コンセプトムービー

「もしも美しい服をまとうだけで、美しい水をまもれるとしたら?」という問いを通じて、繊維・アパレル業界の社会問題を知り、未来を考えてもらうことをテーマとしている。

「仁淀ブルー」と呼ばれる高知県・仁淀川の美しい色合い

仁淀川

Photo by 一般社団法人仁淀ブルー観光協議会

高知県のほぼ中央を流れる全長124kmの仁淀川(によどがわ)は、全国の水質ランキングで日本一に輝くほど、美しく清らかな水質が特長。

ターコイズブルーにもエメラルドグリーンにも見える輝きを放つことから、その神秘的な色彩は「仁淀ブルー」と呼ばれている。長年、地域の生活を支え、川と人が共生する仁淀川の景色は、後世に残したい景色そのものと言える。

アパレル業界をけん引するデザイナーたちと「TRUE BLUE TEXTILE」ドレスを制作

「TRUE BLUE TEXTILE」の発表にあたり、森永邦彦氏が手がける「ANREALAGE」がドレスを制作。また、森永氏の母校でもあるバンタンデザイン研究所の現役学生デザイナーも、このテキスタイルを使用したドレスを制作した。

アンリアレイジ・森永邦彦氏作品コンセプト「WATER DROP COLLECTION」

循環する一滴の水から発想した地球型の一着。水循環の始まりは、一滴の水滴。海水や地表面の水が蒸発し、上空で雲になり、やがて雨や雪になる最初の一滴を形にする。従来の捺染に比べ 99%*3 の水使用量を削減する「FOREARTH」のコンセプトを象徴します。

*3 京セラ調べ 2022年

ANREALAGE 森永邦彦氏

森永邦彦氏

ANREALAGEデザイナー。1980年東京都国立市生まれ。2003年早稲田大学社会科学部卒、大学時代からバンタンデザイン研究所に通い、卒業と同時に「ANREALAGE」を設立。継ぎはぎの手縫いの服づくりから始まり、いままでにないファッションを生み出そうと最先端のテクノロジーを取り入れ、光の反射する素材使いや球体・立方体などの近未来的デザインを手がける。

日常と非日常をテーマにさまざまな異分野とのコラボレーションを行い、国内外の美術館での展覧会にも多数参加。

バンタンデザイン研究所 作品コンセプト「WATER METAMORPHOSE」

「あらたな才能が生み出す、水の動きにインスパイアされたファッション。水は温度や状況に応じて自在に姿を変える存在です。時にはやさしく波打ち、時には激しく私たちに恵みを与える雨となり降り注ぎます。また、張り詰めたように凍りつき、やがて溶け出して流れる水の姿には、変化し続けるその強さと美しさがあります。この絶えず変わりゆく性質こそが、水が私たちの心を引きつける理由ではないでしょうか」

「TRUE BLUE TEXTILE」展示概要

■「TRUE BLUE TEXTILE at 渋谷 PARCO」

会場:渋谷 PARCO 4F エスカレーターサイド(〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15−1)
会期:2024年3月16日(土)~17日(日)
入場料:無料

■「TRUE BLUE TEXTILE at 京都市京セラ美術館」

会場:京都市京セラ美術館 光の広間(〒606-8344 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町 124)
会期:2024年3月22日(金)~24日(日)
入場料:無料

インクジェット捺染プリンター「FOREARTH」

インクジェット捺染プリンター「FOREARTH」

(1)Water Free Concept
水の使用量を限りなくゼロ*4 まで削減した生地印刷。
(2)Creative Free
独自開発の顔料インクで柔らかな風合いと、高い堅牢性を両立。フルカラー印刷を多種多様な生地で実現。
(3)Location Free
水資源に依存しない捺染で、設置場所を選ばず、適地・適量生産により、物流コストや在庫の削減に貢献。

「FOREARTH」は、生地の印刷時に水の使用量をほぼゼロにまで減らすことができるため、従来捺染の前後処理工程で使われるスチームや洗浄などの専用設備が不要になる。

そのため、エネルギー消費量とCO2排出量を大幅に削減することにも寄与する。さらに、繊維・アパレル業界で重要な生地の風合いを生かした柔らかい手触りを実現し、綿、シルク、ポリエステル、ナイロン、混紡など多種多様な生地への高精細な印刷が可能となる。

*4 FOREARTHは、プリント・乾燥のみで全工程が完了する。プリント工程では水を使用せず、ウォーターフリーを実現。また、機器のメンテナンスに使用する水の量にもこだわり、循環ベルト洗浄システムを搭載しており、搬送ベルトの洗浄水を循環システムでフィルタリングしながら再利用する。生地1kgあたりの水使用量を0.02L(京セラ調べ2022年)まで削減した。

お問い合わせ先/京セラ株式会社
https://www.kyocera.co.jp/

※掲載している情報は、2024年3月18日時点のものです。

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