自分や我が子が大切にしていたぬいぐるみ。もう使わないけれど、捨てるのは寂しいし、まだまだ状態もよくて使えそう。そんなときは、処分の前に寄付という選択を考えてみては。おすすめの寄付先や寄付するときの注意点も合わせて紹介。
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家で不要になったぬいぐるみ。まだまだ使えそうな状態のものは捨ててしまうのはもったいないし、思い出の詰まったものならば捨て難い。我が子はもう使わないけれど、他の子が喜んで遊んでくれたら嬉しいところ。そう考える人は、ぬいぐるみの寄付を検討してみてはいかがだろう。
寄付先は、児童養護施設や保育園、小児科のある病院といった、子どもたちが過ごす施設、または途上国へ物資を援助している団体など。新品かつ未開封のもののみ受け付けている施設や、多少の汚れがあっても使えるものなら受け付けている団体など、寄付の条件はさまざま。寄付するにあたってのそれぞれの注意点や方法をみていこう。
物資の寄付を受け付けている施設や団体は、ときに多くの支援者からさまざまな物が送られてくる。喜ばしいことだけれど、対応にはどうしても多くの手間がかかってしまう。
寄付する前には、突然送られてきて迷惑ではないか、自分が贈ろうとしているものは相手が求めているものかを確認し、着払いなど相手が困る配送方法で送らないなどの配慮が必要だ。
寄付前には、次のことをいま一度確認しておこう。
・贈る前に事前連絡は必要か、不要か
・受け付けているのは新品のみか、中古もOKか
・ぬいぐるみ以外に寄付可能なものはあるか
・梱包方法に指定はあるか
・大きさや量に規定はあるか
・配送業者に指定はあるか
ぬいぐるみの寄付を受け付けている施設や団体は、ぬいぐるみ以外のおもちゃや子ども服、絵本や食器類なども受け付けている場合が多い。ぬいぐるみと一緒に使わなくなったその他の物を届けられる機会でもあるため、各施設や団体が受け付けている物を確認しておくといい。
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寄付の前提は、贈った相手に喜んでもらえるかどうか。自分が不要だからといって一方的に送りつけるのは避けたいところ。
贈られた側は、物の状態を確認し、仕分けし、子どもたちが安心して使える状態に整える作業がどうしても必要になる。少しでもその負担を軽くするために、ある程度の選別は贈る側がしておこう。
また、贈り先で使うことが難しいものを送ってしまうと、処分の手間や費用が余計にかかってしまうことを認識しておこう。
贈る前には、次のことを注意して。
・破損や汚れはないか
・"気持ちよく遊べる"状態のものか
・たばこなどの強い匂いはついていないか
・贈り先が規定する条件に合ったぬいぐるみか
布製で消毒や洗浄がしづらいぬいぐるみは、衛生面が重視される病院や保育園などの施設によっては、新品かつ未開封のもののみを受け付けている場合も多い。そう行ったところに中古のぬいぐるみを贈らないように注意しよう。
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ぬいぐるみの寄付先として挙げられるのは、次の2つ。
1.保育園・幼稚園や病院、児童養護施設などの施設
2.途上国や日本国内施設に寄付してくれる支援団体
1の場合は、自身で寄付可能な施設を探す必要がある。先述したとおり、衛生面が重視される施設では、新品や未開封のもののみ受け付けていたり、保育園や幼稚園では仕分けなどにかえって手間がかかってしまうため、受け付けていないところも多い。
保育園や幼稚園なら我が子が通っていたところに直接聞いてみるのがもっともスムーズだろう。病院や児童養護施設などは、後述する支援団体などを通して寄付を行うのが、双方にとって負担の少ない方法といえる。
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ぬいぐるみを寄付したいと考える人におすすめの支援団体を4つ紹介。そのほか、民間企業の社会貢献活動の一貫として、ぬいぐるみの寄付を受け付けている活動を3つ紹介。
2008年から発展途上国の子ども達に直接手渡しの支援を行っているNPO法人。
発展途上国の子どもたちが、1日50円の生活費を稼ぐために、学校にも行かずに1日中働いている現状と、まだきれいなぬいぐるみや人形が日本では処分されている現状をみて、"日本ではごみとなって捨てられる物を途上国の子どもたちに渡せないだろうか"と考えたのが活動を始めるきっかけ。
ぬいぐるみのほか、文房具やおもちゃ、ランドセルやカバン、ベビーカーや子どもの衣類なども受け付けている。
「もったいない」の心を活動の軸とし、まだ食べられるのに廃棄される食品や使用できる日用品などを広く集め、必要としている国内外の福祉団体や個人等に寄贈する活動をおこなう団体。
ぬいぐるみやおもちゃ、子ども用品のほか、文房具や日用品、インテリア雑貨、キッチン雑貨、本、衣類、装飾品、食品、家電製品など幅広く受け付けている。
寄付された物は、そのまま物資として国内外のNPOやNGO団体、福祉施設や被災地支援団体に送るものと、現金化して配送費や人件費にあてるものに分けて活用している。
物品の寄付支援を中心に、食糧支援、医療支援、"安全な水"支援、女性の職業支援などをおこなう団体。捨てたくないもの、誰かに使用してもらいたいと思うものを世界中で再利用し、支援活動に役立てている。
これまでの支援実施国はアジアやアフリカ、南米などの95カ国にのぼる。ほとんどのぬいぐるみは途上国に贈られるが、保育所や障害児施設など国内施設にも一部提供している。
ぬいぐるみのほか、古着や人形(ひな人形等)、食器、ランドセル、文房具、おもちゃ(玩具)などさまざまな雑貨や小物の寄付・支援物資を募集している。
NPO法人グッドライフがおこなう「セカンドライフ」活動は、"寄付とリユースでごみ問題の解決に貢献する”をミッションに掲げ、寄付されたぬいぐるみを国内の児童養護施設や保育園、アジアやアフリカの孤児院に届けている。また、寄付品1箱につき2人分のポリオワクチンを発展途上国の子どもに寄付している。
ぬいぐるみのほか、ランドセルや古着、おもちゃ、文房具、絵本、柔道・剣道・空手などの道着やスポーツ用品などさまざまな物を受け付けている。
企業の社会貢献活動の一貫でおこなわれている寄付活動3つ。いずれもぬいぐるみの寄付を受け付けている。
愛知県に拠点を置くアウトレット・リユースショップがおこなう寄付活動では、ぬいぐるみやおもちゃ、子ども服、文房具やランドセルなどを主にタイ、フィリピンに寄付している。
現地の必要とする子どもたちに直接届けるほか、現地で販売し、その売上げの一部を現地の孤児院や国内の支援団体へ寄付。また、現在は寄付された物の一部を日本国内で再販売し、その一部を日本国内の児童養護施設や被災地復興の支援、ボランティア活動に充てている。
REPROZホールディングス株式会社がおこなう社会貢献活動の一貫。回収したぬいぐるみは、そのまま寄付できるぬいぐるみか、ワクチンに変えて支援先に届けるか仕分けをおこなう。
現地でそのまま使用できるものは船便で発送し、現地の協力団体を通して孤児院や教育施設、支援を必要としている人々に届ける。ワクチンに変える場合は、認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを」日本委員会を通してワクチンで支援している。
不用品回収の株式会社GoodServiceが運営する寄付活動「リボーンプロジェクト」では、回収した物品を海外で現地販売し、売上の一部を寄付している。また、寄付品の発送1件につき、10人分のポリオワクチンの寄付もおこなっている。
受け付けているものはぬいぐるみやおもちゃやベビー用品、ランドセルなどの子ども向けのアイテムのほか、食器やキッチン用品、バッグや靴などの服飾用品、日用品など。
寄付品は自分で梱包材を用意する場合は送料負担で、有料の専用回収キットを購入する場合は送料無料で送ることができる。なお、専用回収キットを購入した場合は、1件につき15人分のポリオワクチンの寄付がおこなわれる。
愛着があり、状態のいいぬいぐるみはなかなか捨てづらい。ぬいぐるみに限らず、子ども用品などは使う期間も短く、状態がいいまま不要になる物が多い。
ここで紹介した団体や事業が口をそろえるのは、"日本の家庭で不要とされる物でも、必要とする人が世界のどこかにいる"ということ。ごみにしてしまえば、処分時に環境への負荷もかかってしまう。
近ごろは買い取りサービスや不用品販売アプリなども普及し、捨てずにリユースにまわしている人も多いのではないだろうか。ぬいぐるみを捨てるか迷ったときには、リユースや不用品販売アプリとともに、寄付という選択肢も考えてみるのはいかがだろう。
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