TBM、カーボンリサイクル技術による低炭素素材「次世代 LIMEX」をダボス会議で発表

LIMEXロゴ

株式会社TBMは、スイス東部のダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議、2024年1月15日~19日)にて、カーボンリサイクル技術を使用した「次世代LIMEX」を発表した。

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2024.01.30
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カーボンニュートラルへの貢献を推進する低炭素素材「次世代 LIMEX」

次世代LIMEXのイメージ

次世代LIMEXは、石灰石を主原料とする従来のLIMEXで使用されていた鉱物由来の炭酸カルシウムを、排ガス由来のCO2と、コンクリートスラッジや鉄鋼スラグなど工場から排出されるカルシウム含有廃棄物から、低環境負荷のプロセスで化学合成した炭酸カルシウムに置き換えることで、カーボンニュートラルへの貢献を推進する低炭素素材だ。

排出されるCO2を分離・回収し、多様な炭素化合物として再利用するカーボンリサイクル技術は、大気中へのCO2の排出を抑える重要な技術の1つとして、国内外で注目されている。

*次世代LIMEXも従来のLIMEX素材の定義と同様に炭酸カルシウムなどの無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合素材に該当する。

従来のLIMEXは豊富で枯渇リスクの少ない石灰石由来の炭酸カルシウムを使うことで、石油由来のプラスチックの使用量やライフサイクル全体でCO2排出量を減らせるプラスチックの代替素材として、また、水の消費量を減らせる紙の代替素材として、すでに10,000以上(事業所数含む)の企業や自治体等に採用されている。

今回発表された次世代LIMEXは、石灰石由来の炭酸カルシウムに代わり、排ガス由来のCO2と、工場から排出されるカルシウム含有廃棄物を低環境負荷のプロセスで化学合成した、カーボンネガティブ*が見込まれる炭酸カルシウムを主原料としている。次世代LIMEXの開発にあたっては、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択され、また、東北大学とも共同研究を実施してきた。

そして、世界経済フォーラムの「Unicorn Community (ユニコーン・コミュニティ)」の一員として参加したダボス会議にて、次世代LIMEX のプロトタイプとなる射出成形製品や、シート製品の試作品を発表した。

今後TBMは今回発表した次世代LIMEXの量産を目指すと同時に、副原料である樹脂部分を従来の石油由来のものではなく、植物由来の樹脂やリサイクル樹脂を使うことで、さらに環境負荷を低減した素材の開発を推進していく。

*経済活動による温室効果ガス排出量よりも、除去・吸収される温室効果ガスの量が多い状態。

次世代LIMEXの特徴

次世代LIMEXのイメージ

1. LIMEXに適する炭酸カルシウムの制御技術

カーボンリサイクル技術を使って化学合成した炭酸カルシウムは、LIMEXに適する粒子形状やサイズにデザインし、コントロールすることが重要だ。TBMでは、LIMEXの開発を通じて、世界40ヵ国以上で200件以上の特許が登録されている。カーボンリサイクル技術を使用した素材開発についてもすでに国内特許を取得している。

2. 付加価値の高い、幅広い用途へ対応

カーボンリサイクルで炭酸カルシウムの用途は、従来はセメントや骨材が主に考えられていた。次世代LIMEXは、産業用フィルムや食品パッケージ、ラベル基材など、産業資材から身近な消費財まで、従来のLIMEXと同様に付加価値が高いさまざまな用途に使用することが可能だ。

3. カーボンリサイクルによる環境性能

カーボンリサイクル技術を使って大気や排ガス由来のCO2を吸収・固定してつくる炭酸カルシウムを主原料にすることで、プラスチック代替品を製造する際、従来の石油由来のプラスチック製品と比較して、石油由来プラスチックの使用量や、ライフサイクル全体でのCO2排出量を減らすことが可能だ。さらに、CO2を固定したまま、繰り返しリサイクルすることも可能。なお、カルシウム含有廃棄物を素材の原料に使用することで、再生利用による資源の有効活用にも寄与している。

次世代LIMEXの生産過程

*次世代LIMEXについて詳細はこちら

お問い合わせ先/株式会社TBM
https://tb-m.com/

※掲載している情報は、2024年1月30日時点のものです。

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