2023年10月20日(金)に、「ライトボックススタジオ青山」にて、エシカル・インフルエンサーイベント「ELEMINIST MEET Vol.2」を開催した。前編では、出展ブランドの商品やブースの様子を紹介する。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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2023年10月20日(金)に、「ELEMINIST(エレミニスト)」主催のインフルエンサーイベント第2弾となる「ELEMINIST MEET Vol.2」を開催した。
Vol.2では食品からヘアケアブランド、時計やサニタリー用品といったライフスタイル商品まで幅広いブランドが集結。会場には、エシカルへの興味関心の高いインフルエンサーが90名近く来場し、エシカル・インフルエンサーの累計フォロワー数は約57万人以上にも上った。
来場者は、各ブースで出店ブランドから商品提供を受けたほか、ブランド担当者から直接商品についての説明を聞くことで理解を深めることができた。また、出展ブランド側にとっても、エシカル感度の高い来場者から素直な意見や感想を聞くことができ、両者にとって思いを伝え合う貴重な機会となった。
今回は、オーガニック、プラントベース、ヴィーガン、ゼロカーボンなどエシカルな商品を扱う8社[CITIZEN L、CITIZEN xC(シチズン時計株式会社)、ピュアナチュール オーガニックヨーグルト(株式会社カネカ)、nanocare(パナソニック株式会社)、2foods(株式会社TWO)、秋川牧園(株式会社秋川牧園)、サンペレグリノ エッセンザ(日仏貿易株式会社)、O’right(株式会社 b-ex)、limerime(株式会社VVV)]が集まった。
さまざまなジャンルのブランドが集まったELEMINIST MEET Vol.2。エシカル感度の高い来場者たちは、各ブースで商品を体験しながらブランド担当者にたくさん質問をして、じっくり話を聞いている姿が印象的だった。「もともと知っていた商品をさらに深く知れて、より愛着が沸いた」「詳しくないジャンルのエシカルな取り組みを知るきっかけになって、とてもいい機会だった」など、ボジティブな感想ばかりで、満足度の高さがうかがえた。そんなイベントに出展した、8ブランドの商品や内容を紹介しよう。
「CITIZEN(シチズン)」は、ウオッチブランド「CITIZEN L(シチズン エル)」と「CITIZEN xC(シチズン クロスシー)」を紹介。ブースでは、実際に来場者が手に取って見られるよう商品を展示。さらに、100%ラボから生まれた、環境、安全、労働基準に最大限の考慮をしてつくられたエシカルなダイヤモンド「ラボグロウン・ダイヤモンド」、パイナップル栽培時に廃棄される葉を集めて繊維を抽出してつくられた天然レザーの代替素材「ピニャテックス」など、CITIZEN で採用されている多くのサステナブルな素材や取り組みについて紹介するパネルも展示された。
CITIZEN L商品企画担当 前田氏、環境マネジメント室 田中氏、ELEMINISTでエシカルディレクターをつとめ、現在はエシカルプランナーとして活動する中川原氏によるトークショーでは、「CITIZEN Lから広がったシチズンのサステナビリティ」をテーマに、地球環境や人に配慮したサステナブルウオッチブランド「CITIZEN L」を生み出すきっかけや、プロジェクトチームの体験談などが語られた。企業において、エシカル、とくにトレーサビリティの確保は簡単なことではないが、情熱と行動力のあるチームメンバーの努力によって実現できた、と当時の様子を振り返った。
“本当の美しさ”とは外見だけでなく内面の美しさが外側にも表れてくるものだ、という「CITIZEN L」開発の軸となった考えを聞き、多くの参加者が深くうなずき共感を示していた。
CITIZEN:「シチズン自体は知ってくださっていても、エシカルやサステナブルな取り組みの認知度はまだ低いので、今回多くの方にお話を聞いていただけてよかったです」「アップルレザーのバッグを持っている来場者の方もいて、さすがエシカル感度が高いなと感じました」
ELEMINIST followers:「シチズンはもちろん知っていましたが、サステナブルな取り組みをしていることは知らなくてびっくり!」「エシカルやサステナブルを追求されている姿に感動しました。この取り組みがもっと多くの人に知れ渡ったらいいなと思います」
「カガクでネガイをカナエル会社」でおなじみの株式会社カネカは、サステナブルな有機循環型酪農から生まれたオーガニック生乳<A2ミルク>でつくったヨーグルト、「ピュアナチュールオーガニックヨーグルト」を紹介。生乳本来の甘みと、じっくり長い時間をかけて発酵させることで実現した、とろっとなめらかで濃厚な食感が特徴だ。ブースでは、生乳本来の甘みを堪能できる「プレーン」と、オーガニック認証を受けた北米産ワイルドブルーベリーを使用した「ブルーベリー」の試食を行った。
ヨーグルトの原料となるオーガニック生乳は、カネカグループが運営する牧場「別海ウェルネスファーム」のもの。同牧場では、乳牛の排泄物を有機飼料の栽培時に堆肥として活用したり、太陽光発電による再生エネルギーを活用したりと、サステナブルな有機循環型酪農に取り組んでいる。
ピュアナチュール:「牛が自由に放牧地を散歩できるだけでなく、好きなタイミングでブラッシングをされたり、搾乳されたりと、とにかくストレスをかけないように育てているのがこだわり。そうして生まれたオーガニックヨーグルトを来場者の方々がおいしいといって食べてくださるのを間近で見られて嬉しかったです」
ELEMINIST followers:「濃厚で酸味が少なく、甘味をつけなくても最後までおいしく食べられました。ストレスフリーな牛のミルクでつくるとこんなにもまろやかなんですね!」「オーガニックなだけでなく、細部までこだわってつくっているのがわかり、子どもにも安心して食べさせられるなと感じました」
パナソニックの人気ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0Jから、新色ミストグレー(EH-A0J-H)が登場。植物由来の塗料「バイオマスペイント」を採用し(※1)、従来よりも石油資源消費量を削減するとともに、パッケージの緩衝材をプラスチック成形品からパルプ成形品へ切り替えることで、パッケージ・包装材のプラスチック使用量を約95%削減した(※2)。機能性はほかのカラーと同様で、髪の内側までうるおい、なめらかにするとともに、素肌や地肌までケアできるという商品だ。ブースでは、来場者が実際にドライヤーを手に取り、体験を行った。スカルプ(地肌)モードやスキンモードなど、「一度使って見たかった」と嬉しそうに体験する来場者の姿が印象的だった。
※1 石油由来成分に替えて植物由来成分を10%以上配合した塗料
※2 2022年発売EH-NA0J-Aとの包装材全体に占めるプラスチック使用量の比較(パナソニック調べ)
パナソニック:「サステナビリティへの取り組みについてご存知ない方も多く、この機会に知っていただけたのがよかったです」「企業として何かを変えるというのは簡単なことではありませんが、その上で環境保護の重要性と向き合いつくり出した商品です。商品を選ぶ際のひとつの選択肢になれば嬉しいですね」
ELEMINIST followers:「家電製品でエシカルな選択肢があることに驚きました。せっかくドライヤーを買うなら、こういう商品を選びたいです。髪だけでなく肌までうるおいケアできる商品、使ってみたいと思いました」「風量が多くて髪が早く乾きそうだなと思いました。マットなグレーもおしゃれで、インテリアにもなじみそう!」
“欲しいものは、いつも2つある。”というブランド精神のもと、五感を刺激するような心踊るプラントベースフードを生み出している「2foods(トゥーフーズ)」。今回は、カフェインフリー(※1)・ゼロカロリー(※2)・ゼロシュガー(※3)の3つのギルトフリーを叶えたプラントベースエナジードリンク「2Energy」(※4、5)と、次世代型プラントベースプロテイン「2Protein」を紹介した。
「2Energy」には、マンゴー葉乾燥エキス「ザイナマイト」や植物性乳酸菌、ショウガエキスなどを配合。甘味と酸味のバランスや複数種類配合した果実の選定にこだわり、エナジードリンクらしい爽快感とパンチの効いた味わいを表現している。「2Protein」は、水もシェイカーも必要なくそのまま摂取できるタブレットタイプと、いつもの食事やドリンクにさっと振りかけるだけのパウダータイプの2種類。どちらもソイプロテインと全9種類の必須アミノ酸を独自バランスで配合している。
※1 カフェインは 0.001g/100ml 未満をカフェインフリーとしています。
※2 100ml あたりのエネルギー5kcal 未満をゼロカロリーとしています。
※3 100ml あたり糖類 0.5g 未満をゼロシュガーとしています。
※4 動物性原材料は配合しておりません。同一製造ラインにて、動物性原材料を使用しております。
※5 お子様、妊婦、授乳期の方は飲用をお控えください。
2foods:「プラントベースフードブランドとしてローンチして約2年経ちますが、2foodsを知ってくださっている方も多くて嬉しかったです。自分にも地球にもやさしいウェルネスフードである新しい「2 Series」のコンセプトや、プロテインとエナジードリンクもご紹介できていい機会になりました」
ELEMINIST followers:「エナジードリンクを飲みたい!と思うのは夜が多いので、カフェインフリーというのがとても嬉しかったです」「淡いピンク色もおしゃれで、味もおいしく、そのうえゼロカロリーで罪悪感なく飲めました」「プロテインタブレットは、甘さ控えめのビターレモン味で、お菓子みたいにつまめる手軽さがいいなと思いました」
秋川牧園のブースでは、サラダチキンとチキンナゲット、とりがらスープの試食を実施。原料となる若鶏は、病気予防のための抗生物質を投与しない「無投薬飼育」を行っている。また、飼料には、国産のお米(飼料用米)を使用。この飼料用米の一部は、地元山口県の農家と連携して栽培。この飼料を食べた鶏の糞を堆肥として圃場に循環させるなど、地域循環にも力を注いでいる。
食品添加物や化学調味料などを使わない食品づくりを大切にしている秋川牧園。ブースで試食をした来場者は、シンプルな味付けで若鶏本来の旨みをしっかりと感じるサラダチキンやナゲットに、「おいしい!」と目を丸くしていた。
秋川牧園:「チキンナゲットは、自社で育てた若鶏をたっぷり使用しているので、鶏のおいしさを存分に味わっていただけます。飼育へのこだわりはもちろん、シンプルな味付けも力を注いでいることのひとつ。実際に食べていただき、そのおいしさ感じていただけたのが嬉しかったです」
ELEMINIST followers:「ゆっくり噛んで味わいたいと思えるほど、旨みたっぷりのチキンでした」「中身だけでなくパッケージにもこだわっていて、より多くの人に買ってもらいたいというブランドのこだわりを感じました」
イタリア生まれの大手飲料メーカーサンペレグリノは、フレーバー・スパークリングウォーター「サンペレグリノ エッセンザ」を紹介。「レモン&レモンゼスト」「ブラッドオレンジ&ブラックラズベリー」「ピンクグレープフルーツ&シトラスブレンド」「タンジェリン&ワイルドストロベリー」の太陽が降り注ぐ地中海を連想させる4フレーバーの試飲を行った。
フルーツの香りや味わいをしっかりと感じられながら、砂糖不使用で甘さがなくすっきりとした飲み心地が魅力の「サンペレグリノ エッセンザ」。食事にも合わせやすく、ブランド担当者によるペアリングの説明を熱心に聞く来場者も多く見受けられた。
サンペレグリノ:「フルーツの風味をしっかり感じることができるうえ、ノンカロリーというのが好評でした。料理とのペアリングに興味を持っていただけたのも嬉しかったです。イタリアらしいフレーバーが揃っているので、イタリアの食文化を日本の食卓にも届けられたら」
ELEMINIST followers:「そこまで炭酸が強すぎなくて飲みやすかったです。ノンカロリーなので罪悪感なく飲めるのも嬉しいですね」「見た目も可愛いので、ホームパーティーの手土産にもいいなと思いました」
さまざまなヘアケア製品やスキンケア製品を製造しながら、環境に配慮した原材料や容器を使用し、100%再生可能エネルギーに取り組んできた、台湾発のゼロカーボンビューティーブランド「O’right(オーライト)」。ブースでは、北極の気候変動の危機を伝えるために制作した環境ドキュメンタリー映画『Melting Greenland』を流しながら、来場者にブランドの取り組みについて紹介した。
そのほか、オーライトのエシカルな取り組みなどを記載した、NEWSPAPERと人気のシャンプーのサンプルを配布。NEWSPAPERは、台湾のグリーン本社ビルや100%PCR素材についてなど盛り沢山な内容で、「こんなに書ける取り組みがあるなんてすごい!」と来場者を驚かせていた。
O’right:「ELEMINISTさんと一緒に以前イベントを開催したこともあってか、多くの方がブランドを知ってくださっていたのが嬉しかったです。気候変動の危機を伝えつつ、エシカルやサステナブルは強制ではなく、ひとつの選択肢として楽しんで取り組もう!ということがこのイベントで伝わっていたら嬉しいですね」
ELEMINIST followers:「便利で耐久性があることから、ブランドの方が『私たちはプラスチックを使います』とはっきり宣言しているのが印象的でした。でもその代わりにプラスチックボトルを循環させて使うことで、環境に負担をかけないようにしているということを聞き、とても納得感がありました」
オーガニックバンブーの繊維を表面材に用いた、プラスチックフリー&生分解性のサニタリーブランド「limerime(ライムライム)」は、サニタリーパッドやパンティライナーを紹介。シルクのようななめらかで柔らかい肌触りを体験してもらいながら、商品のこだわりについて説明した。
オーガニックバンブーでつくることで、抗菌・防臭効果があるうえ吸湿性が高く、蒸れにくいそう。ブースでは来場者に「limerimeパンティライナー1箱」をプレゼント。サニタリー用品の概念を覆すようなおしゃれなパッケージデザインも、来場者から好評だった。
limerime:「日本ではコンポストの文化がまだ広がっていないため、どうせ燃やすならどれでも同じでは?という声もあるんです。でも植物由来の製品は低い温度で燃えるため、熱量が少なくすみ、燃やしたときのCO2排出量が違います。肌にも環境にもやさしいので、ぜひ使っていただけたら嬉しいです」
ELEMINIST followers:「肌触りの良さにびっくりしました。ふだんオーガニックコットンの生理用品を利用しているのですが、今度はこちらを使ってみたいです」「パッケージもおしゃれなので、持っていて気分が上がります。友達にも教えてあげたい!」
来場したエシカル・インフルエンサー、ELEMINIST followersの感想は後編につづく。
撮影/ELEMINIST編集部、取材・執筆/永原彩代、編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)
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