アシックスは、初めての試みとして、⾼機能ランニングシューズの最新モデル「GEL-KAYANO 30」において、製品ライフサイクル(材料調達・製造・輸送・使⽤・廃棄)で排出される温室効果ガス排出量を表⽰する取り組みを行うことを発表した。
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アシックスは、同社を代表する⾼機能ランニングシューズの最新モデル「GEL-KAYANO 30(ゲルカヤノ 30)」において、製品ライフサイクル(材料調達・製造・輸送・使⽤・廃棄)で排出される温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を表⽰する取り組みを行う。これはアシックスにとって初めての試みだ。
GEL-KAYANO 30のCO2e排出量は10.7kgで、業界平均よりも約14%低い数値だ。
※ASICSが実施している温室効果ガス排出量の測定⽅法、および業界の平均的なランニングシューズに対して利⽤できるもっとも包括的な資料(MITによるレポート)を基に算出している。
アシックスでは、2022年2⽉から4ヶ⽉間にわたって、トレーニング、ランニング、テニス、インドアスポーツを⾏う世界8か国の消費者に対し、「スポーツ⽤品の購⼊にあたって、CO2排出量が製品に表⽰されていることがどの程度重要かどうか」の国際調査を実施している。
その結果、すべてのカテゴリーにおいて、CO2排出量表⽰がある⽅がいいという意向は60%以上、平均で68%にまで上った。
また、表⽰がある製品の購⼊意向がもっとも⾼かったのはテニスを⾏う⼈、その次がランナーとなっている。
※アシックスの委託によりMetrix Labによって実施された国際調査。回答者はイギリス844⼈、ドイツ881⼈、フランス883⼈、アメリカ1248⼈、⽇本866⼈、中国1,265⼈、スペイン880⼈、イタリア931⼈の計7798⼈(年齢層:18〜64歳)。回答時期は 2022 年2⽉〜 2022年6⽉。
サステナブルな商品を選ぶための⼿段として新たに注⽬されている“製品にCO2排出量を表⽰する⽅法”。
カーボンフットプリント(CFP)と呼ばれ、EUでは表⽰義務化が進む国もある。⽇本でも、2023年3⽉31⽇には経済産業省・環境省より「カーボンフットプリント ガイドライン」が発表された。
同年5⽉には「カーボンフットプリント ガイドライン(別冊)CFP実践ガイド」を公開している。
CFPの算定⽅法は、企業独⾃の⽅法もあれば、国際規格として「ISO 14067」もある(2018年8⽉改訂版を発⾏)。
資源の採掘と原材料の調達から始まり、⽣産、使⽤、製品の廃棄に⾄るまで、製品のライフサイクル全体における主な温室効果ガス排出量を「ISO 14067」に基づき算出。製品への表⽰にあたっては国際規格「ISO 14026」に則る必要がある。
農林⽔産省は「みどりの⾷料システム戦略」の⼀環で、⽣産者の環境負荷低減の努⼒を「⾒える化」するため、コメ、トマト、キュウリの3品⽬を対象にGHG簡易算定シートを作成し、GHGの削減効果を等級ラベル表⽰した農産物を実証販売を実施。イオンでも、2023年6⽉より最⼤23品⽬にラベルを付けて販売している。
経済産業省をはじめとした国の4省庁が、2009年度−2011年度にかけて実施した「カーボンフットプリント制度試⾏事業」により誕⽣。ISO/TS 14067:2013に従い算出している。
EUではフランスがCFPを含む環境フットプリントの表⽰義務化に向けて動き始めている。
また、2022年12⽉に炭素国境調整措置(CBAM)を導⼊することを決定。CBAMとは気候変動対策をとる国が、同対策の不⼗分な国からの輸⼊品に対し、⽔際で炭素課⾦を⾏うこと、また⾃国からの輸出に対して⽔際で炭素コスト分の還付を⾏うことだ。
最初の対象はセメント、鉄鋼、アルミニウム、肥料、電気、⽔素。今後対象範囲を拡⼤していく⽅針だ。
2023年10⽉からEUに輸出する企業は製品の排出量(CFP)を報告する義務を負うことが想定される。
持続可能な循環型繊維製品戦略では環境フットプリントの表⽰について⾔及がなされており、欧州委員会が主導して、アパレル企業等によって2024年に⾐料品と靴の環境フットプリントの算定ルール(PEFCR)がつくられる予定となっている。
お問い合わせ先/アシックス
https://www.asics.com/jp/ja-jp/
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