「Ron Herman × Brewed Protein™️ 繊維」環境配慮型素材で未来への一歩

Brewed Protein™️繊維と素材に使った服

オリジナルブランドの主要素材をサステナブルなものに置き換えることを目指す「Ron Herman」が、植物由来のバイオマスを主な原料に微生物による発酵でつくられる人工タンパク質素材「Brewed Protein™️繊維」を23FWコレクションに採用したことを発表した。

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2023.06.13

「Ron Herman」23FWコレクションにサステナブル素材のBrewed Protein™️ 繊維を採用

Brewed Protein™️繊維と素材に使った服

「Ron Herman(ロンハーマン)」が、植物由来のバイオマスを主な原料に微生物による発酵でつくられる人工タンパク質素材「Brewed Protein™️(ブリュード・プロテイン)繊維」を23FWコレクションに採用したことを発表した。

オリジナルブランドの主要素材をサステナブルなものに変えるという目標を掲げるなか、2年ほど前にBrewed Protein™️ 繊維と出会い、本当に世のなかに必要なもの、そして人の幸せや平和に通ずるものを繊維業界にもたらしてくれたことに魅力を見出し、素材開発のコラボレーションに至ったという。

Brewed Protein™️繊維はこれまで「Goldwin」や「PANGAIA」、「The North Face」などが素材として採用し商品化を行ってきた注目のサステナブル素材だ。

バイオテクノロジーのベンチャー企業が生んだBrewed Protein™️繊維

構造タンパク質素材であるBrewed Protein™繊維を開発しているのは、山形県鶴岡市に本社を置くバイオテクノロジーのベンチャー企業「Spiber(スパイバー)」社。

Brewed Protein™繊維は、植物由来の糖類を原料にSpiber独自の発酵(ブリューイング)プロセスによってつくられるタンパク質素材で、ポリマーや繊維、フィルム、レジンなどさまざまな形態をした素材の総称だ。

用途に応じて、異なる特徴を付与したり、多様な素材へ加工することが可能で、さまざまなアプリケーションへ活用できる。そうしたなか初期的にはアパレル産業における繊維素材としての普及を目指している。

質感の特徴

繊維の質感や柔らかさは、繊維の直径によって決まり、繊維が細いほど肌触りが良くなる。ベビーカシミヤの繊維径は約13μmだが、Brewed Protein繊維は紡績方法によって同等かそれ以下の繊維径にすることが可能で、なめらかで独特な風合いを持つ繊維をつくることができる。

最終的な風合いは加工方法によって異なるが、タンパク質繊維としての性質上、カシミヤとブレンドすることで素材の良さが引き立つとしている。一方、Brewed Protein素材自体がまったく新しい素材でもあるため、その独特の風合いも魅力の一つだ。

環境への負荷

Brewed Protein™繊維と、モンゴル産カシミヤ繊維、およびオーストラリア産メリノウール繊維それぞれの生産に伴う潜在的な環境負荷を定量化し、比較したライフサイクルアセスメント(LCA)の分析結果から以下のようなことがわかっている。

・温室効果ガス排出量は、79%削減
・土地の使用量は、97%削減
・水の使用量は、97%削減

この結果により、カシミヤ繊維やメリノウール繊維の生産と比べ、環境への負荷が大幅に低くなるとの見通しが示された。

さらに、素材自体が生分解性を有するため、製品設計によってはマイクロプラスチックの排出削減に貢献でき、環境課題やリスクに対する解決策の一つとして、また持続可能な社会の発展に資する次世代の基幹素材として期待されている。

2022年春にはタイ・ラヨン県にて、同社初となる量産プラントの稼働を開始。また、現在米国・アイオワ州にて協業先のADM社と新たに量産体制を構築しており、立ち上げに向けて準備を進めているという。

23FWコレクションに採用 次の未来をクリエイトする一歩に

23FWコレクションでは、ウィメンズ・メンズともに展開するプルオーバー、フーディ、ニットパンツと、ウィメンズでのみ展開するビーニーと、 LA の日常着としてなくてはならないアイテムをすべて無染色で仕立てている。

しなやかでやさしく心地よい肌当たりを楽しんでもらうと同時に、日常になくてはならないアイテムたちが新たに誕生した環境配慮型の素材に置換わっていくことで、次の未来をクリエイトする一歩となるよう取り組まれている。

お問い合わせ先/ロンハーマン
https://ronherman.jp/

※掲載している情報は、2023年6月13日時点のものです。

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